空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

やっぱり書店発のフリーペーパーはおもしろいなあ

空犬通信ではたびたび取り上げているので、わざわざ宣言するまでもないんですが、本屋さんのフリーペーパーが大好きなんですよ。オンライン書店にはない、リアル書店の楽しみの1つですよね。


先月刊行された書店ムック、『本屋へ行こう!!』(洋泉社)にも、書店のフリーペーパーを紹介する記事「書店員がつくるフリーペーパーがおもしろい!」が掲載されています。


本文執筆と全体のまとめは南陀楼綾繁さんが担当しているのですが、フリペの紹介文は南陀楼さんと空犬とで分担。南陀楼さんは古書店のフリペもセレクトしていますが、わたくし空犬は新刊書店を中心に、おもしろフリペをいくつかセレクトし、紹介文の執筆を担当させてもらいました。当方が取り上げたフリペは、以下の通り。


  • 「大盛堂書店2F通信」(大盛堂書店)
  • 「本屋でんすけ にゃわら版」(セントポールプラザ書籍店(立教大学・池袋キャンパス内)
  • 「ぶんこでいず」(TSUTAYA寝屋川駅前店)
  • 「青衣茗荷の文芸通信」(「文芸と文庫通信」)(紀伊國屋書店本町店)
  • 「ブックトラック」(吉祥寺書店員の会「吉っ読(きっちょむ)」)

「大盛堂書店2F通信」、担当は山本さん。『本屋へ行こう!!』ではこんなふうに紹介しました。


《よその書店員のインタビューやアンケート特集を掲載したり、よその書店のフリペを合わせて綴じて発行したりと、新刊書店が作る販促物とは思えない独自企画・記事を連発。手描き文字も折り方綴じ方も(いい意味で)ゆるゆる。いろいろなスタイルが乱立し、そのありようが一様でない新刊書店フリペ群のなかでもひときわ異彩を放ち、編集者・出版営業・作家など、業界人・プロの間でも人気が高い。異色過ぎて、とにかくおもしろい書店フリペ》。


大盛堂2F 1大盛堂2F 2

↑48、49号には、朝日出版社の橋本さんが、50、51号には、谷島屋書店浜松本店店長、中土居さんが登場。橋本さんは出版営業について、中土居さんは文芸誌について語っています。



以前にも、他店の書店員を「特集」したり(アンケート回答者が全員他店の書店員だったりします)、他店のフリペを紹介する記事を載せ、さらによそのフリペ本体を、自店のフリペと一緒に綴じて配布したりなんてこともしています。他店のフリペ特集、他店の書店員の特集、回答・寄稿も他店の書店員。わざわざペーパーを作ってまで、よその書店や書店員をプッシュしまくっている大盛堂書店の山本氏は、なんというか、すごい人だ、としかいいようがありません。なにしろ、フェア・イベント情報とか売上ランキングとか、自店の関連情報が、潔いほどまったくありませんから(笑)


「本屋でんすけ にゃわら版」、担当はセントポールプラザ書籍店のでんすけさん。『本屋へ行こう!!』ではこんなふうに紹介しました。《素人の余技とは思えない描き文字やイラストの腕を、フリペにふるう美術系書店員(造語)は書店界に少なくないが、でんすけ氏もその一人。イラストや描き文字のクオリティと、切り取ればそのままPOPに使えるバランス感覚抜群のデザインのフリペは、一度目にしたら忘れられない。読み上げるとわかる語呂のいいタイトルも秀逸だ。でんすけ氏に、あちこちの版元から、販促物用イラストの声がかかっているのも当然と思える。フリペ界に現れた新星》。


にゃわら版 ずらり

↑ほんとは1枚1枚広げて見せたい完成度。


「ぶんこでいず」、担当はマリ猫さん。同じく『本屋へ行こう!!』の当方の紹介文から。《A4判の用紙、裏表両面に、新刊情報、というか、本への愛が、隅から隅まで、一分の隙もなくあふれんばかりに、というかあふれ気味にぎっしり。絵・文とも、描き込みぶりとかけられた熱量がすごくて、毎号、ひと通り目を通し終わるころにはすっかり圧倒されている。店内の棚にスペースを設け、フリペで紹介した本を並べるなど、売り場との連動も忘れない。現在流通している新刊書店フリペのうち、筆者が知るもののなかでは、もっとも「熱い」1枚》。


ぶんこでいず 30

↑書店フリペのぎっしり度ランキングでは、確実に日本一なのではないでしょうか。


紀伊國屋書店本町店で作成・配布されていたころは「文芸と文庫通信」だった「青衣茗荷の文芸通信」。現在は青衣茗荷さんの個人フリペになっていますが、元書店員さんですし、現在も、複数の書店の店頭で配布されていますから、広義の書店フリペといっていいでしょう。


《以前は紀伊國屋書店本町店発行のフリペ「文芸と文庫通信」だったが、現在は改称、青衣茗荷さんが個人で製作・発行している。本町店のほか、東京・吉祥寺のBOOKSルーエ、西荻窪のブックカフェ、beco cafeなど、複数店で配布されている。独特の描き文字と、細部まで丁寧に書き込まれたイラストが、一読、強烈な印象を残す。完成度の高さに圧倒されること必至の1枚。本のセレクトにも、作者の好みが強く出ている》。


青衣茗荷の文芸通信 朝倉かすみ

↑「作品」と呼びたい出来。フリペ本体もすごいんですが、送られてくる封筒(いま手元にないのが残念!)がこれまたすばらしい「作品」になっていて、毎回受け取るだけで、楽しい気分になります。


我が吉祥寺書店員の会「吉っ読(きっちょむ)」の参加書店合同フリペ「ブックトラック」も紹介させてもらいました。《「吉っ読(きっちょむ)」は、吉祥寺の書店4店+三鷹の書店1店(BOOKSルーエ、パルコブックセンター、啓文堂書店、ジュンク堂書店)の書店員有志の集まり。チェーン発行のものや、複数の書店が参加するフリペは存在するものの、同じ商圏に共存する新刊書店が合同で発行している例はめずらしいのでは。筆者(空犬)も企画・編集で参加。「吉っ読」参加各店のほか、西荻窪のブックカフェ、beco cafeでも配布されている》。


ブックトラック4号 ブックトラック5号ブックトラック6号

ところで。書店のフリーペーパーと言えば、こんなサイトもありますよ。



8月末に版元ドットコムがリニューアル。サイト内に書店フリペを紹介し、閲覧・ダウンロードができるページができました。(フリペのセレクトや書店・担当者の紹介などに協力させていただきました。)本稿執筆時点で、サイトで紹介されているのは、以下の書店フリペです。


  • 「ぶんこでいず」
  • 「大盛堂書店 2F通信」
  • 「往来っ子新聞」
  • 「青衣茗荷の文芸通信」

版元ドットコムのリニューアルについては、こちらの記事をどうぞ。「版元ドットコム、DBとサイトをリニューアル」(9/1 新文化)


《ウェブサイトについては、従来の「出版社向け」から「本を探す人への情報提供」に考え方を変更したという。「書評に載った本」「書店のフリーペーパー情報」「ためし読みできる本の検索」「新刊・近刊情報」「イベント情報」などを提供していく》とのことです。


書店フリペは、やはりその発行店や配布店の店頭で、実物を手にし、そのフリペをつくった書店員の方が手がけている売り場と一緒に楽しむのがいちばんだと思います。ただ、気になるけど、見たいけど、訪問したいけど、遠くて行けない、という方もいるでしょう。そういう方は、ぜひこのサイトをご利用になるといいと思います。


久しぶりにまとめて書店フリペを紹介する記事を書こうと思ったら、ずいぶんな分量になってしまいましたので、稿を分けます。次の記事では、本稿でふれたもの以外の書店フリペをいくつか紹介します。(いつか記事で取り上げよう、紹介しようと思いつつ、機会を逸していたものもあるため、紹介するフリペのなかには、ずいぶん前に手に入れたもの、号数の古いものも含まれていることを、あらかじめお断りしておきます。)


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