空犬通信

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擬音語・擬態語、役割語……ユニークな辞典と辞事典活用のすすめ

『ケトル』(太田出版)の2月発売Vol.23号の特集が「辞書と図鑑が大好き!」だったときも、へえ、辞書と図鑑で雑誌の特集が成立するとはすごいなあ、と、レファレンス類、とくに図鑑が大好きな身としてはうれしいけどちょっと不思議な感じを受けたりもしたのですが、その後、続けてユニークな「辞典」と、「事典」関連本を目にすることになったので、ごく簡単に紹介しておきたいと思います。



辞典本3点

まずは、『擬音語・擬態語辞典』。これは、以前『暮らしのことば擬音・擬態語辞典』の書名で出ていたものの文庫化。約600ページとけっこうな分量で、2段組+脚注と、全編に情報がぎっしりです。



版元の内容紹介を引きます。《日本語表現力の決め手となる「擬音語・擬態語」約2000語を集大成した、決定版のオノマトペ辞典》《用例を豊富に収載し、実際の使い方、用法も紹介。俳句・短歌の創作や、翻訳などにも役立つ》《「類義語」欄を設け、「ふっくら」「ぷっくり」など、似たような言葉の微妙な意味の違いも解説》。


容れ物が学術文庫で、書名から暮らし云々がとれましたから、なんだかかたいイメージがするかもしれませんが、《著名マンガ家の作品に現れる用例も収録》などと版元の紹介文にある通り、ビジュアルの要素もけっこうありますし、擬音語・擬態語に関するコラムも20本ほど収録されていますし、註も充実しているしで、読むところがたくさんあって、ぱらぱら拾い読みしているだけで楽しい1冊になっています。


『〈役割語〉小辞典』は昨年出たもの。版元の内容紹介を引きます。《〈老人語〉〈お嬢様語〉〈武士ことば〉などと定義をした上で、役割語としての語義や成り立ち、使用場などを辞書風に解説したのが本辞典。いつのまにか身につけていて使用している、この不思議な「役割語」をとことん解剖!》


ちなみに、「役割語」とは《「わしが知っておるんじゃ」/「わたくしが存じておりますわ」/「さよう、拙者が存じておる」というセリフを聞くと、どんな人物(キャラクター)が話しているのか、日本で育った日本語話者であれば難なくわかるはず。このように、特定のキャラクターと密接に結びついた言葉づかいを「役割語」と呼》ぶと定義されています。


用例の出典については、《小説、演劇、映画、テレビドラマ、流行歌、マンガ・アニメといった大衆作品でよく活用されているので、そうしたさまざまなジャンルから数多くの用例を提示》とあり、『擬音語・擬態語辞典』同様、あちこちにマンガからの例が絵入りで紹介されているので、そういうところだけを拾い読みしているだけでも楽しいかも。こちらは、『擬音語・擬態語辞典』ほどの分量はないので、辞典ですが、単行本のように通読も可能です(実際、ぼくはそのように読みました)


いずれも何か、特定の語・表現を調べるのに引いて使う、というよりは、ぱらぱら読みながら楽しむのによさそうな「辞典」になっています。


『教養は「事典」で磨け ネットではできない「知の技法」』は、辞事典・図鑑類の種類や活用法、作られ方などを紹介したもの。書名は「事典」となっていますが、辞典(ことば典)や図鑑も含まれていて、冊子形態のレファレンス類全般がカバーされています。


版元の内容紹介には《辞書・辞典・事典・図鑑。これらを、引いたり調べたりするものだと思ってはいないだろうか。また、大人になってからはすっかり縁遠くなってしまった、という人はいないだろうか。実は辞書や事典は、生涯をかけて読まれるべき、実に面白い「本」である。 いまやインターネットでなんでも調べられるが、そこで得られる知識は、入力したキーワードから予測される範囲の事柄にすぎない。一方、辞書や事典を読むのにキーワードはいらない。適当にページを開けば、必ず知らない何かが記載されており、思いもよらなかった知識を得ることができるのだ》とあります。


「第2章 面白い辞典・事典・図鑑」では、「読むための事典」「引くための事典」「伝えるための事典」など、タイプ別に辞典・事典・図鑑が紹介されていますが、いわゆるふつうの国語・古語・漢和・英和・和英の「辞典」類ではなく、テーマや切り口がユニークなものが集められています。ちなみに、上でふれた2冊は入っていませんでした。辞事典・図鑑好きは手にしてみるといいでしょう。


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