空犬通信

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リブロ池袋本店で開催中の「ひと月限りの〈ぽえむ・ぱろうる〉」を見てきましたよ

開始前から、オールドファンの間では話題になっていた、リブロ池袋本店で開催中のこちらのフェア、先日、池袋に用事があったついでに、のぞいてきましたよ。



期間は6/1から、閉店(7/20)まで。場所は、書籍館2階の芸術書フロアです。下りエスカーレター正面のフェアスペースの特設会場で開催中です。


フェアの内容をお店のサイトから引きます。《この度、9年の時を経て、期間限定で〈ぽえむ・ぱろうる〉が復活いたします》。「復活」とありますが、かつて、池袋本店内にショップインショップのようなかたちで詩に特化した(厳密には幻想文学など周辺・関連ジャンルの一部もあり)売り場があったことを覚えている人はどれぐらいいるのかなあ……などと思っていたら、ツイッターやWebではずいぶん話題になっていましたね。なつかしく思うファンがたくさんいたのはもちろん、当時の様子を知らない年若いお客さんの興味も引いているようですね。


《かつてリブロ池袋本店店内にあった詩の本の店、〈ぽえむ・ぱろうる〉は、1975年、西武池袋本店に西武ブックセンター開店と同時にオープンいたしました。かつては、72年、ぱるこ・ぱろうるの開店を皮切りに、ぽると・ぱろうる、ぽえむ・ぱろうるの三店舗を構え、セゾン文化と並走するように、70年代、80年代のカルチャーシーンを代表する存在として発信を続けてきましたが、2006年4月、リブロ池袋本店内のぽえむ・ぱろうるの閉店をもってその歴史に幕を閉じました》。


紹介文中にある「ぱるこ・ぱろうる」は池袋パルコ内に、「ぽると・ぱろうる」は渋谷西武(渋谷ロフト)内にあったお店。フェア会場店頭で配布されているペーパーに、現在は阿佐ヶ谷の「よるのひるね(夜の午睡)」の店長をしている門田克彦さんが稿を寄せていますが、それによれば、90年代の数年間(1992〜95年)「ぽえむ・ぱろうる」の店長をしていた門田さんは客としては「ぽると・ぱろうる」のほうによく行っていたのだそうです。



実はぼくも、池袋よりも渋谷ロフト内の「ぽると・ぱろうる」のほうに通って(というほうど熱心に通っていたとは言えませんが、ともかく)いたので、〈ぽえむ・ぱろうる〉については、昔の様子を偉そうに語ったりする資格はまったくありません。そもそも、根っからの散文タイプで、詩心はほぼゼロ、好きな詩人と言われて名をあげられる人はいるにはいますが、詩との付き合いや距離感はその程度です。だから、〈ぽえむ・ぱろうる〉や「ぽると・ぱろうる」は、そういう店があったなあ、ぐらいしか知らないといえば知らないのです。


でも、そのような店があったことはリアルに知っていますし、実際に本を買ったりもしています。詩にはそんなに明るくない身にも、このような店が池袋にも渋谷にもあること、それも、一般新刊書店内にあることがいかに特別なことであるかはなんとなくわかりましたし、新鮮な驚きを受けもしました。このような売り場を複数展開できる当時の西武系の書店のすごさというか地力のようなものにも、ある種の衝撃を受けました。ぼくも、後段の引用にある「熱気」に、どこか、やられていたのだろうと思うのです。


《今回は、そのぱろうるの当時の熱気を再現しながら、現代詩人の詩集、シュルレアリスムや幻想文学、人気のあったアングラ感たっぷりのミニコミ誌、詩人の原稿、色紙、パネル展示や、希少な古本、サイン本、1960年代まで遡った「現代詩手帖」バックナンバーを販売いたします。この機会にぜひ、現代詩の奥深さに触れてみて下さい》。


先述の通り、ぼくは詩に明るいわけでも、〈ぽえむ・ぱろうる〉にさほど熱心に通ったわけでもありません。でも、その程度の身にも今回の復活フェアの会場は、何かしら、心の奥のほうに眠っていた90年代的「熱気」が刺激されるような感じのするものでした。


実際の様子を見ていただきたいので、会場の様子を詳述する野暮は避けます。とにかく、かつて、〈ぽえむ・ぱろうる〉や「ぽると・ぱろうる」に通ったことのある方はもちろんですが、往時のそれらの様子を知らない方にも、ぜひ見ていただきたいなあ、と、そんなふうに思わずにはいられないフェアです。とくに、書店関係者の方が見るときには、ぜひ当時のことを想像してみていただきたいのです。このような売り場が、新刊書店内に、それなりのスペースととって、常設されていた、ということを。フェアではなく、「常設」ですからね。リブロ池袋本店内はともかく、パルコやロフトのなかにまであったということに、あらためて衝撃を受けることになるのではないかと思います。ぼくは、当時の様子を実際に目にしているにもかかわらず、よくもまあ、このような売り場を、とあらためて思ってしまったぐらいですから(笑)。


150611 リブロ池店 ペーパー

↑左はフェアの冊子。右は、本を買うともらえるしおり。ぼくはこのしおりはぜんぜん記憶になくて、当時、手にしたことがあるかどうかもよく覚えていないんですが、これは当時使われていたものなんでしょうか。小ぶりなサイズの紙で、真っ黒の地に、文字はなく、店のロゴ(なのかな)だけ。


150611 リブロ池店 現代詩手帖

↑本も何冊か買ってきましたよ。会場には『現代詩手帖』がずらりと並んでいて圧巻だったんですが、なかからちょっと異色な感じのする特集ということで、1981年11月号(よく残ってたなあ)をピックアップ。特集は「図書館幻想」。『現代詩手帖』の特集としてはちょっと意外な感じですよね。


150611 リブロ池店 詩集

↑もちろん、詩集も何冊かセレクトしてきましたよ。吉祥寺の詩人『池井昌樹詩集』はサイン本。「新選現代詩文庫」はヤレ本のせいか、新本ですが安価で出ていました。岩田宏さんと田村隆一さんを。手持ちの本と重なっちゃうけど、文庫1冊の値段で読めるのだから、まあいいや、ということで。


用事の合間の訪問だったので今回はざっと見ただけです。もう少し時間をかけて見たいので、開催中にあらためて訪問する予定です。サイン本や、石神井書林さんによる古書など、点数に限りのあるものも多いので、気になっている方は早めにチェックしにくいことをおすすめします。



フェア開催店であるリブロ池袋本店。同店については、最初に話を聞いたときから、何か書かないといけない、何か書いたほうがいいのではないか、と思いつつ、何も書けずにいます。下書きのようなものはあって、何度も何か自分にとっての「池店」のことを書いておこう、書いておくべきだ、という気にさせられているのですが、何も書けずにいます……。


150611 リブロ池店 閉店告知

↑棚や売り場だけ見ていると、ほんとにこういうことになるんだな、ということが今でも信じられない感じがします。閉店告知が店内のあちこちに貼り出されています。


150611 リブロ池店 わむぱむ

↑リブロ池袋本店の「顔」の一つといっていい、児童書売り場「わむぱむ」。ぼくが個人的に大好きな売り場の1つでもあります。前を通るたびに、ああ、この光景、この様子、あと何回見られるのかなあ、と考えてしまいます。


150611 リブロ池店 フェア一覧

↑書籍館への通路の壁には「イベント一覧(抜粋)」が貼り出されています。


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