空犬通信

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野菜直売所併設書店、古本交差点、立ち読み……書店関連ニュースのまとめです。

週に一度の書店関連ニュースのまとめです。 (昨年まで平日朝にツイートしていた出版・書店業界情報のうち、書店関係をまとめたものです。網羅的に調査したものではなく、新聞報道・Webのニュースなどを目についたものをまとめたものです。以前のまとめでふれたことのある案件も区別せずに紹介しています。)




紹介されているのは、宮崎県日南市にある、《店内に農産物の直売所を併設し、料理本と一緒に地元野菜をPRしている》という書店「見聞読タナカ日南2号店」。店のサイズや店内の様子については、《書店内の約半分のエリアを、「ほんのえき田中屋」として直売スペースに改装し、3月末に開設した。キャベツやエンドウマメ、新タマネギ、山菜など旬の野菜と一緒に、サラダや野菜料理を特集した本が棚に並ぶ》とあります。



《若者の活字離れから来店客数が減少する中、毎日の生活に欠かせない野菜や加工品を同じ店内に並べ、主婦など新たな客層の獲得を図る》とありますが、効果については《直売所を設ける前の月間の本購買者は90人程度。4月からは書籍だけでも110人を超え、「直売所も加えれば、2・5倍ほどになった」》という店長さんの話が引かれています。




店舗サイズは480坪で、内訳は書籍売場は420坪、CD・DVD売場は60坪。《「PATIO(パティオ)」と称するボックス型の什器をキッズコーナーやイベントスペースに導入。フェアやイベントにも力を入れていく》とあります。




《3月末で閉鎖した太平洋そごう百貨台北忠孝館内の店舗を移転》してのオープンとのこと。店舗面積は約190坪。《開店を記念し、15日は商品を購入した客にブックカバーや日本の雑誌のバックナンバーなどを先着順で進呈する》とのことですが、日本の雑誌のバックナンバーが記念品となるというのがおもしろいですね。



マザーブックスは、2014年の4月に移転・新装オープンした大阪・羽曳野市のお店。売場面積は90坪。新装オープンから1年ということで、この間の、児童書コーナーに力を入れた取り組みなどが紹介されています。



神保町いちのいち経堂店、オープンは4/24、場所は経堂コルティ内。店舗面積は約11坪。4店舗目ですが、《系列書店内ではない単独出店としては2店舗目》とのこと。



古本交差店は、2013年にオープンした《6つの古書店が集まった複合古書店》。店頭営業は終了となりますが、《今後は定期的に古本イベントを開きながら、これまで以上のサービス提供を目指》し、《交通の利便性が高い場所へ出店しながら、古書を購入できる環境を残していく方針》だそうです。



何度かふれている名古屋の丸善ですが、《今回オープンした名古屋本店は、コミックは置かずに雑誌や文庫、洋書や専門書を中心にした品揃えで、高級文具などの販売も行うなどして他店との住み分けをはかる方針》だそうです。



《円形の本棚を囲む子供の椅子。玩具が置かれ児童館のようだが、書店の一角である》として、新宿のSTORY STORYが紹介されています。


最後にこの記事を。



テレ朝系のバラエティ番組「マツコ&有吉の怒り新党」で、《有吉弘行が本屋での立ち読みについて「万引き犯と一緒」などと語る一幕があった》のだそうです。どきっとさせられるタイトルですが、記事の一部を引きます。《この日の番組は、49歳の男性から届いた大型書店の座り読み用ソファを問題視するメールを紹介した。男性は、座り読みが本をゆっくり選んでほしいという書店側の善意であると認めた上で、ソファで長時間もくつろぎながら本を読み結局買わずに帰ってしまう客が多いとして、怒りをあらわにした》。


これに対して、有吉さんは《座り読み用ソファについて、書店側の性善説によって成り立っているサービスだと推測》し、その上で《書店側の善意を逆手に取り、大量の本を抱え込むような客を真っ向否定した》そうで、さらに《スーパーマーケットを例に取り、店側があらかじめ万引きされることを想定しているのだと解説し、その上で「(立ち読みも)それと一緒、万引き犯と一緒だからね」と、立ち読みを犯罪扱いしてみせた》のだそうです。


《これに関連し、番組ではカフェが併設する書店での座り読みも話題に。有吉は飲み物を買った以上ルール上は問題ないとしながら「恥ずかしいと感じるかどうか」「人間の根本だから」と、ここでも利用客の善意が問われていると訴えた》。


立ち読みは、店頭で実際に売られている商品を一時的に手にとって読む行為ですから、もちろん行為自体は(とくに過度の場合は)ほめられたことではないですし、店側にとっても悩みの種の1つでしょう。ただ、客が店頭で本を実際に手にとり、現物を確認できるというのは、本屋さんの大きな魅力ですし、お店側、とくにリアル本屋さんとっては、オンライン書店に対する大きなアドバンテージでもあるわけです。店頭で、売り物の商品を自由に手に取れるようにするというのはお店にとってはリスクの高い小売形態ですが、そのリスクと引き換えに、お客さんに、本というモノの魅力を、内容はもちろんのこと、装丁や紙の質感、本の厚みや重みなどまで含めて伝えられる大切な機会を得ているわけですよね。客の側も、そのような本の魅力を体感できるからこそ、やはりリアル書店での買い物が楽しく感じられるんだと思うのです。


それが制限されたり、不自由になったりしてしまうと、オンライン書店でいいや、オンライン書店のほうがいいや、というふうに考える人がさらに増えてしまうかもしれません。立ち読み機能ありのサイトも多いし、それに、サイトでの立ち読みなら、いくら読んでも何も言われないしなあ、などと思わせてしまうかもしれません。


ぼくはテレビを観ないので、有吉氏のことをよく知らないので、有吉さんがどれぐらい本を読む人なのか、ふだんどれぐらい本屋さんを利用する人なのか、まったくわかりません。それに、記事に引かれたごく一部のまとめだけで何かを判断するのもどうかと思いますから、印象でしか言えませんが、おそらくは100%の善意から、正義感や倫理観のようなものから出た発言なんだろうと思います。


ただ、万引き犯と一緒、というのはかなり強い表現ですよね。店頭で本を読んでいる「だけ」の人と、それを万引きする人には、やはりかなり大きな違いがあるとぼくは思いますし、モラル的に見ても法律的に見てもそこには歴然とした違いがあると思います。なので、一緒扱いというのはちょっと乱暴な言い方だなという気がしないでもありません。もちろん、お店にとっては迷惑でしかない立ち読み/座り読み客というのは実際にいるでしょう。でも、本好きのなかにも、本屋好きのなかにも、そして本をたくさん買う人のなかにも、立ち読みが多め、長めの人はいるでしょうし、実際ぼくの周りにもいます。(ちなみに、ぼくは、以前も書いたことがありますが、ほとんど立ち読みをしない派です。)


一般的に、子どもたちは立ち読みが好きですよね。そうやってある程度多くの量にふれないと、その後、継続的に本にふれるようにはなりませんし、そもそも、まだ自分の好みや趣味がきちんと確立されていない子どもたちは、作者だけで、レーベルだけで本を選んだりはできませんからね。親に買ってもらうにしても、自分のかぎられたお小遣いを使うにしても、経済的な制限は大人よりもずっと大きいわけですから、セレクトにも時間をかけたくなりますよね。


もちろん、有吉さんやマツコさんの発言は、モラル意識の低い大人を主にイメージしたもので、子どもたちのことではおそらくないでしょう。ただ、記事タイトルのような表現だけが一人歩きすると、これを目にしたお父さんお母さんが、我が子の立ち読みに過度に過敏になったりすることがないとも、また子どもたちが立ち読みを躊躇することにならないともかぎりません。


なお、言うまでもないことですが、ぼくは全面的に、無制限に「立ち読み」をよしとする立場にあるわけではありません。程度の問題だろうと思っています。やはり「長時間」の立ち読みは、本屋好きとしては嫌だし、時間が長いかどうかにかかわらず、店頭での立ち読みのマナーがなっていない客がいるととても腹が立ちます(以前に書いたことがありますが、平積みの本・雑誌の上に荷物を置くとか、飲食物を持って店内に入ってくるとか)。とくに、座り読み席のある店で、たくさんの本を椅子や机に積み上げて長時間席を占有したり、ひどいときには書き写したりスマホで撮影したりしているのを見ると、猛烈に腹が立ちます。っていうか、書き写しや撮影はそれこそ万引きと一緒ですよね。


本屋さんの店頭で売られているものは、商品なんだから、その商品がどのようなものかを確認するときは、取り扱いや時間に注意して、マナーを守ろうね。そういうことですよね。それを、影響力のある人が影響力のある番組で(いずれも、今回のケースがそうなのかは、ぼくにはよくわからないのですが)きちんと伝えてくれることにはとても意味があると思います。ぜひそのようにしてほしい。ただ、立ち読み/座り読みと万引きは別の問題だと思うので、そこはぜひ表現の仕方にも注意をしてもらえたらなあ、などと思ったのでした。


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