空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

「2014年出版販売金額、キノベス、いわた書店……書店関連のニュースをまとめました

週に一度の書店関連ニュースのまとめです。 (昨年まで平日朝にツイートしていた出版・書店業界情報のうち、書店関係をまとめたものです。網羅的に調査したものではなく、新聞報道・Webのニュースなどを目についたものをまとめたものです。)



《NPO法人全国万引犯罪防止機構(万防機構)は1月20日、東京・千代田区の主婦会館で臨時総会を開催し、喫緊の課題である高齢者万引対策、防犯画像の取扱い、集団窃盗の情報の取扱いに関する提言案を決議……》。



《書店調査会社アルメディアによると、2014年1〜12月の新規書店開店数は217店、前年比1・4%減、新規店による増床面積は4万8215坪、同8・5%減、転廃業撤退による閉店数は656店、同6・0%増……》。



児童ポルノの関連で、大手書店が家宅捜索されるというのは業界でも初めてのことでしょうか。《インターネットの通販サイトで子どものわいせつな写真集の販売を放置していたとして、愛知県警が児童買春・児童ポルノ禁止法違反(販売幇助〈ほうじょ〉)の疑いで、ネット通販大手のアマゾンジャパン(東京都目黒区)の本社や、関連会社「アマゾンジャパン・ロジスティクス」の物流センター(千葉県市川市)を23日に家宅捜索したことがわかった》。


詳細を見てみます。《少年課によると、昨年夏、アマゾンが管理する通販サイトで18歳未満の少女の裸など児童ポルノが疑われる写真集が売られているとわかり、捜査を開始。児童ポルノにあたる少女の写真集を販売したとして、9月に都内の古書店経営者と店員の男2人を同法違反(販売目的所持)の疑いで逮捕。その後も児童ポルノにあたる写真集を所持していた疑いで、愛知や福岡などの書店や個人計約10業者を検挙した。いずれもアマゾンのサイトを使って商品を販売していたという》。これを見ると、実際に販売した業者はすでに逮捕されていますし、この事件も昨年、報道されていましたね。それから数か月たって、今回の家宅捜索になった、ということなんでしょうか。



《このため県警は、アマゾンが、児童ポルノを扱う業者がサイト上で商品を売っているのを知りながら放置した可能性があるとみて、同法違反容疑で家宅捜索に踏み切った。同社は違法な商品は売らないルールを設けているが、県警は押収した資料を分析し、児童ポルノが販売された経緯などを調べる方針だ》。気になるのは《児童ポルノを扱う業者がサイト上で商品を売っているのを知りながら放置した》の部分。これは通販のサイトや仕組みを持っているすべての書店に無縁とは言えないことで、処罰の有無なども含め、注視したいと思います。



新店、それも児童書専門店のオープンといううれしいニュースです。《伊豆の国市古奈の伊豆長岡温泉街の一角に24日、絵本と児童文学専門の書店「グリム」がオープンした。千葉県から同市に移住してきた店主の飯塚須磨子さん(72)は「子どもたちや親の役に立つような店にしたい」と意気込んでいる》。


《同店は面積約36平方メートル。幅広いジャンルの絵本約2千冊と児童文学約千冊が並ぶ。売り場の横には喫茶スペースもあり、コーヒーを楽しむこともできる》。


あれ、児童書でグリムと言えば……と思い当たる方もいるでしょう。《飯塚さんは千葉県船橋、館山両市で計約30年にわたって「グリム」を経営する傍ら、自身も作品を執筆するなど文化活動に取り組んできた。昨年夏、夫の病気療養のため伊豆の国市へ転居することになり、民家の1階を店舗に改装して移転を準備してきたという》。やっぱり。船橋にあったグリムの移転オープンなんですね。もう大昔の話ですが、グリムはぼくも訪問したことのあるお店で、当時のことをなつかしく思い出したりしました。



出版科学研究所が発表した2014年1〜12月の書籍・雑誌販売実績についての記事です。内容はどれも変わらないので、「新文化」のを引いておきます。《取次ルートにおける2014年の出版物推定販売金額が前年比4.5%減の1兆6065億円と発表した。1950年の調査開始以来、最大の落ち込みとなった》。


《内訳は、「書籍」7544億円(前年比4.0%減)、「雑誌」8520億円(同5.0%減)。雑誌分野のなかで「月刊誌(週刊誌をのぞくすべて)」は6836億円(同4.0%減)、「週刊誌」は1684億円(同8.9%減)となった》。


《「書籍」の新刊点数は7万6465点(同1.9%減)。その発行部数は10億8398万冊(同4.5%減)。発行金額は1兆2092億円(同3.4%減)。「雑誌」の銘柄数は3179点(同2.0%減)、発行部数は26億6832万冊(同4.5%減)。発行金額は1兆4193億円(同3.2%減)》。


朝日の記事の最後のところには、《「特に10〜20代の読者向けの雑誌が不振。若い世代がネットから情報を得るようになり、雑誌が新規読者を開拓できていない」と分析している》とあるのですが、「分析」とも呼べないようなまとめにはため息しか出てこない、という関係者も多いでしょう。


これらの記事は、以下の記事と併せて読むといいでしょう。



THE PAGEのほうは、タイトルだけみると、いつもの出版不況宣伝記事かと思いたくなりますが、書き手は朝日新聞社デジタル本部の林智彦さん。出版不況だ苦戦だとあおるのではなく、統計から何が漏れているか、統計にはなにが含まれていないか、書店数減少にどういう意味があるかなど、冷静な筆致になっています。


後者の書き手はライター、リサーチャーの松谷創一郎さん。『ギャルと不思議ちゃん論:女の子たちの三十年戦争』の方ですね。林さんの記事にも言及のある松谷さんの記事は、《出版販売の減少を踏まえて「出版不況」などと言われたりすることも多いですが、現在は簡単にそうとは言い切れない状況なのです》とまとめられています。



《1978年、宮城県書店商業組合が運営する書店としてオープン》した《JR仙台駅直結のエスパルで営業する》ブックスみやぎ。閉店はエスパル自体の改装に伴うものだそうで、閉店日は3月31日。


湘南ブックセンター桜ヶ丘店は《出店地域の再開発に伴って3月15日に閉店》とのこと。《2フロア180坪の店内では、シニア層向けの商材を厚く展開するほか、「地域一番店」を掲げてコミックスの品揃えにも注力してきた》お店だそうで、渡邉欣弘店長の《経営面は堅調で、まだまだやれることがあったので悔しい》ということばが引かれています。経営面が堅調だという書店が閉店しなくてはならないとは……。なんとも残念な話です。



《公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)は、実際の書店である“リアル書店”と、インターネット通販の“ネット書店”における、書籍購入の利用実態調査を実施。26日に調査結果を公表した。調査対象は、直近1年で通販を利用したことがある男女1000人》。


《過去1年に書籍を購入したと回答した715人が利用した販売チャネル(本を購入した場所)は、「書店(リアル書店)」が最多で73.7%、続いて「ネット通販(電子書籍以外)」が44.8%》と、リアル書店が本の購入場所としていまなお一定の割合を占めているという事実を確認できるのはいいのですが、それ以上のものでもなく、このようなタイプのアンケートや調査を目にするたびに、こういう数字をきちんと分析して、具体的なアクションにつなげるにはどうしたらいいのか、単なる参考値を次々に見せられてもどうしたらいいかわからない人が多いのではないか、そんなふうに思ってしまったりもします。



じんぶん大賞に続いて、紀伊國屋書店のもう1つの名物、キノベスも発表されました。《「キノベス!2015」は、過去1年間に出版された新刊(文庫化タイトル除く)を対象に、紀伊國屋書店スタッフが「自分で読んでみて本当に面白い、ぜひ読んでほしい本を選び、お客様におすすめしよう」という企画です》。


1位は佐々涼子さんの『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』(早川書房)。いいセレクトですね。佐々さん、早川書房さん、おめでとうございます。2位以下も興味深いランキング、ラインナップになっていますので、サイトおよび店頭で無料配布される冊子でご確認ください。



INTERNET Watchによれば、《買取サービスは、ブックオフコーポレーション株式会社の子会社で、ECサイトを運営しているブックオフオンライン株式会社が展開している宅配買取サービス「宅本便」と連携。集荷、買取作業はブックオフオンラインが行う》とあります。プレスリリースはこちら



CCCによる図書館、これで全国で何件目でしょうか。これからもまだまだ増えそうですね。《JR備中高梁駅に隣接して建設する高梁市立図書館を核とした複合施設の管理運営などについて、同市は音楽・映像ソフトのレンタル店「TSUTAYA」やTポイント事業などを全国展開する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」(CCC、東京都)と基本合意した。施設は平成27年度に着工し、平成28年12月にオープンする予定》。


《1階にはバスターミナルやテナントなどを設置し、橋上駅に直結する2階にはカフェや書店なども設ける》と新刊書店の併設にもふれられています。



《小型家電や日用品などをインターネット通販で注文を受け付けてから6時間程度で消費者宅に届けるサービスを東京都内で始める。専用の物流拠点を地域ごとに設けて「早く商品を受け取りたい」という消費者ニーズに応える。ネットで販売する商品数もスポーツ用品など非家電製品中心に拡充。2016年以降に、現状の3倍となる1000万まで増やし、アマゾンジャパン(東京・目黒)などに対抗する》。


記事の続きを確認していませんので、ヨドバシで扱いのある書籍・コミックなどがどうなるのかはわかりませんが、書店業界にも影響のありそうな動きです。



今回の空想書店の店主は文月悠光さん。こんな一文が印象に残りました。《そんなときに本屋の灯(あか)りを見つけたら、迷わず忍び入る。誘蛾灯(ゆうがとう)に吸い込まれる羽虫のように。誰にも気づかれないよう、身を忍ばせるのだ。本屋は私の駆け込み寺だから……。色とりどりの背表紙を眺める内、弱った胸に起伏が生まれ、脈打つのを感じる。これだけ沢山の本があるのだから、私のような厄介者がいても大丈夫、と頬がゆるむ。書棚の隅でゆったりと息をすればいい。多様な本の存在は、いつだって私を勇気づけた》。



仙台駅前の商業ビル「イービーンズ」に、「アニメイト仙台」(287坪)、「ゲーマーズ仙台店」(100坪)、「らしんばん仙台店」(75坪)の3店舗が移転オープンしたとのこと。アニメイトは《アニメ・コミック・キャラクターグッズ・ゲームの専門店》、ゲーマーズは《アニメ・コミック・ゲームの専門店》、らしんばんは《コミック、CD・DVD・Blu-ray、ゲーム、同人誌、キャラクターグッズの買い取り・販売》のお店。




町本会に関わった身には大変気になる、北海道砂川市の本屋さん、いわた書店。砂川市は《人口わずか1万8千人》とありますから、『本屋会議』で取り上げた留萌市よりもさらに人口が少ない自治体なんですね。《この本屋さん、あるサービスがきっかけで注目され、いまでは全国から注文が殺到する人気ぶり》。《2015年、一時受付を停止していたそのサービスの受付を再開すると、あっという間に650件以上もの注文があり、年内分はいっぱいで、すぐにまた受付は停止。現在(1月23日)は再開待ちとなっている》。



雑誌の売上比率の高い町の本屋さんにとって、雑誌の低迷は死活問題。《「雑誌は書店の命。その売り上げが減ったらやっていけない」。東京都目黒区で王様書房を経営する柴崎繁(しばざき・しげる)さんはため息をつく。駅前の小さな店で、売り上げの8割が雑誌というだけに、落ち込みは重くのしかかる》。


《「雑誌は店の呼び水。最新号が来ればお客さんが来る。でも最近は週刊誌が手に取られにくくなっている」と柴崎さん。美容院や病院、銀行など書店が雑誌を定期的に届ける先は少なくないが「10誌取っているところが6誌減らすといった例が出ている」と明かす》。


一方、その雑誌を売り伸ばす、こんな試みも。



《日本出版販売とTSUTAYAがそれぞれ独自に定期購読を拡大する施策を本格展開し、その成果が表れはじめている。どのように両社は定期誌を売り伸ばしているのか。「書店の基本給」といわれる雑誌であるが、マーケットがこれ以上縮小し続ければ、書店だけではなく業界全体に多大な影響を及ぼすことが懸念される。両社の取組みでみえてきた販売効果とは》。



《熱海市清水町の「グルメシティ熱海店」跡地に整備した「マックスバリュ熱海店」駐車場の全面稼働を開始した》という記事なんですが、どこが書店に関係あるのかというと、《未稼働となっている同店3階部分の拡充も進めていて、3月上旬のリニューアルオープンを目指している》とのことで、その《店舗内3階には「家電」「書店」「靴」「衣料品」「飲食」といった顧客から要望が多かった業種の店が入る予定》とあるからです。



《全国にショッピングモールを展開するイオンモールは、1月26日、沖縄・北中城村(きたなかぐすくそん)にオープンするイオンモール沖縄ライカムのグランドオープン日を4月25日(土)とすること、および、入居する店舗を発表した》。入店店舗のリストに「未来屋書店」(書籍)が含まれています。



《4月10日、埼玉県富士見市に「リブロららぽーと富士見店」を、店舗面積約285坪でオープンする》。「三井ショッピングパーク ららぽーと富士見」が商業施設の正式名称のようです。最寄り駅のひとつに東武東上線のふじみ野駅があがっていますが、ふじみ野って、東京堂書店(現在は「Books Tokyodo」の名称で、東京堂書店とは別会社の運営)が入っているソヨカふじみ野があるところですよね。距離感、位置関係がよくわからないので、商圏が重なるのか、競合関係にあるようなところなのか、まったくわかりませんが、ちょっと気になりました。



文化通信を引きます。《著者部門はダイヤモンド・ビッグ社「地球の歩き方」編集室、出版社部門はダイヤモンド社に贈られる》。後者には《従来のベストセラー賞では、作品単位で表彰される事が多く、著者個人や出版社に対して、年間の貢献度で表彰されることはなかった。新しい視点から「紀伊國屋書店ベストセラー大賞」を創設し、今回、第2回目の発表を行ったという》とあります。



1つは厳密には移転オープンで新規案件ではありませんが、それでも、1週間程度の期間内のニュースをまとめた文章で、2件も児童書専門店のオープンの記事を紹介できるとは。うれしいですね。


《児童書だけを扱う小さな古書店が、まもなく鳥取市にオープンする。長年、図書館や市立小学校の図書室で司書をしてきた女性が自宅を改装して本棚を設け、少しずつ集めた本を並べる。店名は、「公園前の小さな本屋 みつけどり」》。


《広さ約20平方メートル。店内は木の床で一段高くなっていて、靴を脱いで上がる。壁には懐かしい絵本や児童書がずらり》。オープンは2/10。記事には、開店までの経緯が紹介されていますが、これを読むと、駆けつけたくなりますね。



学研教育総合研究所による、小学生白書Web版「小学生の日常生活に関する調査(2014年9月)」。この手の調査は、未来の大事な読者である子どもたちがいまどのように本にふれているのか、またはいないのかを知るために重要だと思うので、できるだけ丁寧に目を通すようにしています。書店に関わる部分を引いてみます。《小1〜6年生の読書量が平均5.6冊、書店よりも学校や町の図書館を利用しているケースが多い実態が明らかになった》。


《書店と学校や町の図書館の1か月の利用頻度に関する質問では、平均すると書店の利用頻度が1.5回、学校の図書館は5.1回、町の図書館は1.2回という結果になった。同調査では、この結果を「小学生の読書は学校の図書館が支えているようだ」と分析した。また、書店や町の図書館に行かない、と答えた小学生は全体で76.1%を超え、本購入冊数の低さの背景にそもそも小学生が書店に行っていない様子が見られた》。


《そもそも小学生が書店に行っていない》をどう受け止めるか。


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