空犬通信

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沖縄書店大賞、木村聖文堂、ブックス玉手箱……書店関連のニュースをまとめました

週に一度の書店関連ニュースのまとめです。 (昨年まで平日朝にツイートしていた出版・書店業界情報のうち、書店関係をまとめたものです。網羅的に調査したものではなく、新聞報道・Webのニュースなどで目についたものをまとめています。)




本屋大賞が始まって以来、各地でその地方版とも言える賞が創設されていますが、沖縄でも書店大賞が始まったようです。《県内の書店員が「今、いちばん読んでほしい本」を選ぶ第1回沖縄書店大賞(同実行委員会主催)が創設され、第1回候補作に小説、郷土書の2部門で計10作品が選出された》。


記事にもありますが、《郷土書部門を設けたのが特徴》で、郷土書出版のさかんな同地らしいところですね。《実行委員会には沖縄教販やジュンク堂書店那覇店、リブロ、TSUTAYA那覇新都心店など県内書店が参加した》とあります。


その参加書店のうち、ジュンク堂書店那覇店について、同店を訪問した内沼晋太郎さんが、前回のまとめで紹介したJTBパブリッシングの「たびのたね」の連載にくわしい訪問記を寄せています。




やはり気になるのは郷土出版に関するこんなくだり。《「県産本以外にも、沖縄に関連する本はすべて置いています」と、店長の細井実人さんは言う。「どこ産」であるかにはこだわらず、東京の出版社の本であっても、とにかく沖縄に関係があればこのコーナーに集めている》。どんな棚なのか、実際に見てみたくなります。



三省堂書店有楽町店で開催されているユニークなフェア。《発売前の小説のプルーフ(=試し刷り)を無料提供して作者が誰かを当てる企画「誰本(だれぼん)」》の紹介です。講談社との共同企画だそうです。


文芸担当の新井見枝香さんが、フェアのきっかけや魅力についてこんなふうに説明しています。《普段は注文数の目安を把握したり感想を集めるために書店員に配布される『プルーフ』を、販促や来店促進に使えないかと講談社の方が提案してくださったことをきっかけに、3カ月の準備期間を設けて実施にいたった企画》。


《通常は作家名や帯・表紙などで作品のイメージやあらすじ、評判を知ってから読書をすることがほとんどだと思うが、『誰本』では、それらのフィルターが無い状態で読書ができる。この機会に、普段とは違った読書体験を楽しんでいただければ》。



倒産件数が減少というだけで業界紙の記事になってしまうあたりに、逆にこの業界の置かれている状況がはっきり出てしまっているような気がしないでもありません。しかも、減少といっても、出版社も書店も、対前年比でそれぞれ数件ずつの減少。



本だけの話題ではありませんが、本の流通への影響も大きい米大手通販業者の動きについての記事。《米グーグルがネット通販の宅配サービスで、米アマゾン・ドット・コムに戦いを挑んでいる。大手スーパーなど米小売り40社以上と提携し、専用サイトで注文を受けた商品を即日配送する事業を全米の主要都市で本格的に始めた。グーグルがネット通販の「足回り」にまで手を広げる背景には、収益の柱である広告事業を巡るアマゾンとの攻防がある》。



《開業日は、当初の計画より2日早めて4月2日とした》というJR大阪駅の「ルクア 1100(イーレ)」。まだ先のことかと思ってましたが、あとふた月少しですね。ただし、出版・書店関係者にとって気になる蔦屋書店については《中高年に強い「蔦屋(つたや)書店」は9階で、オープンは5月上旬の予定》とあります。



《株式会社紀伊國屋書店は、法人向けオンラインストア「BookWeb Pro」にて、個人向け電子書籍サービス「Kinoppy」の取り扱いを18日より開始した》というニュースですが、大学や図書館などに早くから力を入れてきた同社のKinoppyが、これまで公費購入に対応していなかった、ことのほうがむしろ驚きでした。


《BookWeb Pro経由でKinoppy電子書籍を購入できるようにすることで、法人所属のユーザーに資料入手の選択の幅を広げるとともに、国内学術書の電子書籍化を出版各社に強く働きかけていくという》とのことですが、同社のこれまでのアカデミック分野、学術書への取り組みを考えれば当然と言っていい動きですね。



《熊本市中央区新町の老舗「長崎次郎書店」の2階に昨年10月オープンした喫茶店「長崎次郎喫茶室」が、観光客も訪れる人気スポットとなっている》ことを伝える記事。前回、批判的に取り上げた毎日新聞ですが、この記事といい、次の記事といい、こういう本屋さんなら応援したい、というのがすごくはっきりしてますね。


長崎次郎書店は、長崎書店の大ファンの一人としてはぜひ訪問してみたいお店。昨年は九州に行く機会を作れなかったので、今年の秋はと思っています。



紹介されているのは、山口県長門市にある金子みすゞゆかりの書店、木村聖文堂。《みすゞの実家の書店「金子文英堂」から営業権を買った斜め向かいの写真店の一人娘だった木村鈴子さん(1911ー2011年)が1931(昭和6)年1月1日に開店させた》。


金子みすゞコーナーがシンボルだということのお店、《作品集や朗読のCDをはじめ、遺稿集発掘に尽力した詩人の矢崎節夫さん(金子みすゞ記念館館長)の著作や、監修した別冊太陽「金子みすゞ」のほか、教育書「心を育てる新しい道徳授業を創る 金子みすゞの詩を生かす」の小中学校各編、推理作家の内田康夫さんが取材で来店して仙崎を舞台に書いたミステリー作品「遺骨」など多彩な品ぞろえだ》とあります。


先に、本屋大賞の沖縄版とも言うべき賞の創設を紹介する記事にふれましたが、本屋大賞のノミネート作品も先日発表になりましたね。



《NPO法人本屋大賞実行委員会は1月21日、「2015年本屋大賞」のノミネート作品を、同賞の公式サイト上で発表した。一次投票は昨年11月1日から1月4日まで行われた。全国461書店、580人から投票があり、得票数上位10作品が決定した》。



「e-hon加盟書店ブックカバーコンテスト」は、トーハンのオンライン書店「e-hon」で開催される、《加盟書店が提供しているブックカバーをe-hon上で公開し、読者投票により人気作品を決定する》ブックカバー(書皮)のコンテストで、今回が2回目。期間は2月20日まで。《今回は約40書店がエントリー》しているそうです。


トーハンのプレスリリースはこちら。「オンライン書店「e-hon」で書店ブックカバーコンテスト実施 〜書評サイト「ブクログ」でも同時開催〜」(1/22 トーハン)。



《評価の高い絵本を対象年齢別に紹介するガイドブックを無料で配布するほか、書店の絵本コーナー展開をサポートする》という日販の施策。


企画の内容については、《「絵本選びに悩んでいる」という多くの声を受けて、絵本選びのWebサイト「絵本ナビ」の協力を得て、絵本ナビ会員34万人が選んだ「本当に読んでほしい絵本」128点を「いくつのえほん」と題して、0〜7歳の年齢別にまとめた企画》だとの説明があります。


日販のプレスリリースはこちら。「絵本選びにもう迷わない!「いくつのえほん」全国の書店にて展開スタート」(1/22 日販)。



昨年12月に開催した町本会シンポジウムの様子が、東京新聞・中日新聞の記事で取り上げられました。


《「町には本屋さんが必要です会議」と銘打ち、全国で小さな町の書店の魅力や今後の展望などについて話し合ってきたグループが、約一年間の活動を書籍『本屋会議』(夏葉社)=写真=にまとめた。東京都内で刊行記念シンポジウムが開かれ、登壇した書店員が店の実情などについて語った》。


この件については、後日、稿をあらためて紹介・報告します。



『本屋会議』についてのうれしい感想です。《『本屋図鑑』もいい本でしたが、この本もいい本ですね。夏葉社さん。ということで、個人的にこの本がとても良かったところを、挙げていこうと思います》。当方の書いたパートについても言及していただきました。



宮崎県都城市上町の書店「都城金海堂本店」に設置された「まちライブラリー」の紹介記事。約160冊が並ぶライブラリーの内容は絵本・文庫本・実用書などで、《店員らが自宅で読まなくなった物などを持ち寄った》とあります。《同店によると、小規模な本の無料貸し出しは病院や企業、カフェなど全国各地で行われているが、書店では珍しいという》とありますが、たしかにそうかもしれません。書店への集客効果、販売への影響、利用者の反応・反響などについては残念ながらふれられていませんが、記事の最後に《店員は「市街地活性化のためです」》とあります。


個人的には、本にふれる機会・場所は多ければ多いほどいいのではないかと考えているので、こういう試み自体を批判するつもりはありませんし、すべきでもないと思いますが、個人の不要本を持ち寄った100数十冊の貸本が《市街地活性化》につながるのだろうか……という気はどうしてもしてしまいます。



町の本屋さんの閉店を伝える記事です。《横浜市神奈川区白楽の東急東横線の白楽駅前にある書店が16日、営業を終えた。シャッターには男性店主(享年62)の訃報を知らせる張り紙が。そこには、店主の人柄を知る常連客の感謝の言葉が多数つづられていた。「白楽のシンボル」だったという下町の本屋さん。閉店を惜しむ客の足は、店の最後の後片付けが行われた23日も、途絶えることはなかった》。


《「生まれて初めてここで本を買いました」「家族みんな、お世話になりました」》。


お店は、《白楽駅西口の改札目の前にある「ブックス玉手箱」》。残念ながら、ぼくは訪問したことのないお店ですが、写真を拝見するかぎり、町の本屋さんらしいたたずまいのお店だったようで、このようなお店が失われた地域の利用者のみなさんの気持ちを思うと、本屋好きとしては残念でなりません。


《「一緒に世間話するのが楽しかった。あまりに寂しくて…」。店の常連だった女性(53)は、多数のメッセージに目を通し、涙ぐんだ》。


《「玉手箱のように、夢も、本も飛び出す」。そんな明るい意味を込めて店主が1990年に開いた家族経営の店は、25年間近隣住民に親しまれた》。


このようなくだりを読むと、この子たちがこんなふうに本に接する機会がはたして、今後あるのだろうかと、不安になってしまいます。《私立小6年の女子児童(12)も常連の1人。ある日、本を買う際、店主から「よく買いに来てくれてるよね」と声をかけられた。「覚えてくれて嬉しかった。見た目は怖そうだったけど、本当は話しやすかった」》。


今回のケースは、売上げ不振や競合店出店による閉店ではなく、店主の方が亡くなられたことによるもの。《葬儀があった16日に妻が店に張り紙を掲示。すると、メッセージを書いた客がSNSで発信、一気に広まり、お悔やみで店を訪れる人が相次いだ。一枚の張り紙では足りないからと、ペンと紙を用意した人もいたという》。


《書店内の整理が終わった23日、シャッターが下ろされ、張り紙も取り外された。妻は「家では厳格だった夫が、まさかこんなに皆様に思われているとは知らなかった。張り紙は宝物です」》。


後継者のいないこのようなお店を引き継いでいく方法はないものだろうか。そんなことを思わず考えてしまいます。



hontoで始まるサービス。《大日本印刷は書籍やCDのネット買い取りサービスを始める。同社グループの書籍販売ウェブサイトで買い取りを申し込むと、買い取り代金に加えて同サイトでの書籍購入に使えるポイントももらえる。新刊の購入と読後の書籍などの売却を組み合わせて、同サイトを活性化する》。買い取った書籍やCDの販売はどのように行うんでしょうか。



昨年の12月に藤沢にオープン、業界内外で大いに話題を呼んだ「湘南T-SITE」の詳細な紹介記事。《「本屋が作る街」をコンセプトに、書店を軸にさまざまなカルチャーやライフスタイルを発信しているのが特徴》だという「湘南T-SITE」の店内の様子、本の並んでいる様子などが、たくさんの写真で見られる記事になっています。



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コメント

白楽のブックス玉手箱さん、一度だけ伺ったことがあります。
駅の出口を出てすぐの、こじんまりとしたお店でした。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
それにしても、町の本屋さんは色々な形で消えて行きますね。
残念です。

  • 2015/01/26(月) 17:50:50 |
  • URL |
  • 某版元営業 #o08q7Kow
  • [ 編集 ]

ブックス玉手箱

某版元営業さん>
まさに駅前の本屋さん、だったんですね。
町の本屋さん、駅前の本屋さんがみなそうとは
かぎらないだろうと思いますが、このお店は、
ほんとうに地域の人たちに愛されていたことが
記事を拝見していると伝わってきますね。

  • 2015/01/26(月) 21:54:35 |
  • URL |
  • 空犬太郎 #-
  • [ 編集 ]

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