空犬通信

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来年こそは訪問レポを?!……若葉台のコーチャンフォーと神保町の書泉ブックマート

この2、3日は、今年訪問したお店で、年内にアップしておきたかった訪問レポートをせっせと上げていますが、少し前までは、町本会と『本屋会議』を理由に書店レポートを長らくさぼっていたので、ごくたまに「最近、blogに本屋さんのネタがあんまり出ませんね」などという主旨のことを言われたりすることがありました。


たしかに、blogの更新という点ではそうなんですが、この空犬通信「以外」のところで、本屋さんのことはいろいろ調べたり書いたりしていたりしていたものですから(それがムック『本屋はおもしろい!!』であったり、単行本『本屋会議』だったりしたわけです)、本人の意識のうえでは、書店に関する文章から離れたわけでもなんでもなかったんですが、たしかに、この半年ほどを振り返ると、書店に関する文章はずいぶん少なかったなあと我ながら思わざるを得ません。


さて、この数日で、少しは取り戻した感じなんですが、残念ながら、訪問自体ができなかったり、まとめることができなかったりしたお店もあります。なかには調査をしたり下書きを書いたりと準備をしていたものもあるので、それらについて、書店記事の落ち穂拾いの最後にちょっとだけふれておきたいと思います。まずは、超のつく大型店の東京エリア初進出ということで業界内外で話題を呼んだこちら。「リライアブル、コーチャンフォー若葉台店の初日は文具好調」(10/10 文化通信)。


記事の一部を引きます。《リライアブルは10月8日、初の首都圏店舗として1フロアでは本州最大級の複合店舗となるコーチャンフォー若葉台店を2013坪でオープンした》。


コーチャンフォー若葉台店は、京王相模原線の若葉台駅から徒歩5分。駅名を言われても東京西部エリア在住の方以外にはわかりにくいかもしれませんが、新宿から快速で40分ほどの駅で、住所でいうと稲城市になります。


若葉台 全面

↑全国紙にこんな全面広告も出ました。


早速同店を訪問した知り合い書店員や出版営業マン数人から、感想は聞いているのですが、伝聞をここで披露しても意味がありませんので、やはり実際に訪問してから、あらためて機会があれば取り上げたいと思います。


もう1つ、紹介しておきたいのは、こちら。「本の街・神保町にある大型書店「書泉ブックマート」が10月4日に大幅リニューアル! BLなどに特化した女性向け店舗に」(9/2 アキバ総研)。


記事の一部を引きます。《"本の街"として知られる神保町のなかでも一際目立つ大型店である書泉ブックマート。2012年9月に"神保町最大級のコミック/ラノベ館"としてリニューアルしたが、2014年10月4日に女子向け店舗に生まれ変わるという》。


神保町で女子(女性)向けに特化した例としては、東京堂書店の支店、シェ・モアの例がありました。途中リニューアルもはさみながら、神保町にはそれまでなかったユニークな品揃え・雰囲気のお店としてしばらくがんばっていましたが、結局2013年に閉店。ターゲットを絞ったお店の難しさが露呈した例となってしまいました。今回も同じ神保町・すずらん通り沿いで、女性向けではありますが、シェ・モアとは方向性がかなり異なるようです。



《具体的には、少年・青年コミックをはじめ、少女コミック、BL作品、TL作品など女性向けタイトルの品揃えに特化。関連グッズやドラマCDなど書籍以外のアイテムも備える。また、4Fには新たにイベントスペースを設置。複製原画展示やサイン会などのイベントを行うほか、平常時は休憩スペースとして開放する》。


記事によれば、このようなフロア構成になっているのだそうです:
1F:新刊(コミック・ライトノベル)・雑誌(コミック雑誌中心)・ライトノベル・メディア化作品コーナー
2F:少女コミック・コミック(少年・青年)・ティーンズラブ(TL)作品
3F:ボーイズラブ(BL)作品(コミック・小説・同人誌・ドラマCD)・少女小説・その他大判コミック
4F:イベントスペース ※イベント開催時以外は休憩スペースとして開放。コミック文庫・スタジオジブリ関連書籍コーナー


神保町で仕事をしているくせに、「だそうです」などと書いているのは、別に女性向けだからといって男子禁制というわけではないことはわかってはいても、やっぱりこの路線のお店には中年男性は入りにくいんですよね……。というわけで、リニューアル後は、ブックマートには一度も足を踏み入れていないのです。


関連記事も少しあげておきます。「神保町に女子の聖地 書泉ブックマートが少女マンガからBLまで“女子向け”全館リニューアル」(9/1 アニメアニメ)、「「書泉ブックマート」が女子向け店舗にリニューアル 「夢のような品ぞろえ」で全力サポート」(9/2 ITmedia eBook USER)。


路線を特定のジャンルなりターゲットユーザなりに絞り込むのは、確実な層を見込める可能性が高まる一方、はなから客層を狭めることにもなるわけで、なかなかむずかしいところ。児童書やコミック・アニメなど、本の世界にはいくつも専門店かそれに近い業態の店はありますが、経済的に成立させ、維持していくのはなかなか大変なようです。そこに今回の書泉のチャレンジ。これは、今年、この件よりも少し前に福家書店がとった、こちらの戦略にもちょっと通じるものがあるような気がして、今後が気になります。「福家書店「毎日タレントに会える書店」へ」(8/12 nikkansports.com)。


なお、余談になりますが、『本屋会議』に寄稿した文章の調査で、1960年代、70年代の『日販通信』を調べていたときのこと。1967年8月号に、開店直前の書泉ブックマートが、日本で初めて1500種もの雑誌をそろえた店として紹介されているのを偶然見つけました。


記事では、酒井正敏社長(当時)が《専門書を中心とした総合書店》にするとお店の構想を語っていました。約40年後の2014年には、女子向け(「腐女子」向けとしたほうが実際のイメージに近いかな)に特化した書店に様変わりすることになるとは、当時の同店関係者のみなさんは夢にも思わなかったでしょう。(腐)女子向け書店のスタートは、専門書に力を入れた、神保町の書店群のなかでもとくに硬派な書店だったわけです。時の流れを感じさせ、同時に、書店の専門性・方向性・得意分野のあり方についても考えさせられる一件ですよね。


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