空犬通信

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江戸川乱歩生誕120周年……乱歩本いろいろ

乱歩ニュースです。今年は、江戸川乱歩生誕120周年(乱歩は1894年生まれ)ということで、関連本がいくつか続きましたね。ごくごく簡単に紹介だけ。



江戸川乱歩とその時代 書影迷宮世界 乱歩書影江戸川乱歩 映像 書影
ミステリマガジン 乱歩 書影みんなの少年探偵団 書影

まずはPHPの『江戸川乱歩とその時代』。《妖しくもロマンあふれる乱歩の作品はいかにして誕生したのか。描き下ろしの挿画と時代背景でたどっていく、これまでにない乱歩案内》とあります。ざっと全体を見渡したかぎりでは、帯にある《これまで誰も書かなかった乱歩論》というほどの目新しさは感じませんが、昭和風のイラストを多用したユニークな乱歩本ではあるのかもしれません。


洋泉社からはムック2点。『迷宮世界』は《“探偵小説の鬼”江戸川乱歩の生誕120周年にあわせて、乱歩の人と作品を徹底解説。全小説114作品のマニアックレビューから、乱歩ファンの三上延氏や綾辻行人氏などの作家インタビュー、乱歩作品に登場する美女、探偵、怪人名鑑など、これまでの乱歩本とは違った視点から乱歩ワールドの魅力に迫る。陰獣、盲獣が跋扈し、蜥蜴や蠍と戯れる迷宮世界を、ご堪能あれ!》という内容。


『映像読本』のほうは、《浪漫・幻想・美女・怪奇! 映像化された乱歩の世界を徹底研究! 陣内孝則、夏木陽介、佐野史郎、嶋田久作、溝口舜亮、五十嵐めぐみ、黒沢 浩、星護、吉田秋生、丸尾末広、大槻ケンヂ各氏ほか貴重インタビュー&資料が詰まった、ミステリファン必携の書!》という内容で、おなじみ天知茂の「美女シリーズ」や映画作品など乱歩関連映像作品の情報が200頁超にぎっしり。今回紹介する5点のなかではいちばん読み応えのありそうな1冊になっています。


『ミステリマガジン』の特集は「幻想と怪奇 乱歩生誕120周年」。「短篇競作」として、乱歩の「目羅博士の不思議な犯罪」、エーヴェルス「蜘蛛」、エルクマン=シャトリアン「見えない眼 三人の首吊り人の部屋」、竹本健治「月の下の鏡のような犯罪」他を収録。


ポプラの『みんなの少年探偵団』は、《5人の人気作家が怪人二十面相に挑む! 傑作ぞろいのオマージュ・アンソロジー!》。


なにしろ、この装丁です。ポプラ社の少年探偵シリーズによって、本の森の深い深い世界に誘われた者としては、手にとらないわけにはいきません。発売前からとても楽しみにしていて、ものすごーく期待して読んだんですが……うーん、なんというか、これ、シリーズへの愛、というか、思いというか、そういうのをお持ちなのかなあ、などと感じられる作品があったりして、正直なところ、ちょっとがっかりしてしまいました。この企画に乗るならば、やはり、徹底的に乱歩してほしいし、少年探偵団してほしいのです。ファンとしては。


ただ、これはあくまで個人的な好みの範疇の話、単に昔をなつかしんで手にとったわけではなく、こちらは現役の、筋金入りの乱歩者なので、どうしても点も辛めになりがちです。ポプラ社の乱歩少年ものに親しんだ世代のみなさんは、ぜひ手にてとって、ご自分の目でどのようなものかをご判断いただくのがいいでしょう。「オマージュ第二弾」だという藤谷治さん『全員少年探偵団 』も出ていますが、最初の1冊が残念ながらそういう読後感のものだったので、こちらは手にとっていません。


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