これおもしろいなあ。まだ読み終わってないけれど、紹介してしまおう。
- クリス松村『「誰にも書けない」アイドル論』(小学館新書)

《2万枚にも及ぶレコードやCDの蒐集と、アイドルに関する知見では誰にも引けをとらないクリス松村さんが、自ら集めた膨大な資料と、実際に行ったコンサートなどの体験をもとに、アイドルとその時代背景について、データに基づきディープに分析。70年代のアイドル草創期、80年代前半の黄金期、80年代後半以降の冬の時代について、自らの人生とともに書き下ろしました》というこの本、70、80年代アイドルへの愛情と情報量がとにかく半端でなくて、ザ・ベストテン世代としては、読んでいてうれしくなります。
70年代アイドル関連では、少し前に出た雑誌特集で、これもありました。
- 『レコード・コレクターズ』9月号(ミュージック・マガジン)

特集は「女性アイドル・ソング・ベスト・ベスト100 1970-1979」。《シングル・リリースされ、なおかつトップ30位以内に入ったA面曲から30曲ずつ、25名の筆者の方々に選んでいただき、その結果を元にランキングを作成しました》という内容です。
昭和のレコ好き・歌謡曲好きには、併せておすすめです。ちなみに、この特集には、クリス松村さんのインタビュー「アイドルの一瞬の輝きは、70年代が一番すごい」も収録されていて、70年代アイドルへの愛情がこちらでも炸裂していますよ。『レコード・コレクターズ』の特集、続編があるのかどうかわありませんが、「1980-1989」編もぜひ読みたいものです。
こういう本を読んでいると、やっぱり実際の曲が聴きたくなりますよね。デジタル音源でもCDでもいいんでしょうが、やはり往年の歌謡曲は、ジャケ込みで楽しみたいもの。取り上げられている曲のシングル盤のジャケ写がすべてカラー収録されている『レコード・コレクターズ』9月号はとくにそうですが、両書とも、ポータブルレコードプレイヤーを目の前に置き、取り上げられている曲のシングル盤(ドーナツ盤)を用意して、音源聞きながら読みたくなりますね。
両書のキーワード、「70年代アイドル」「80年代アイドル」「シングル盤(ドーナツ盤)」に反応してしまった昭和のお父さんには、ぜひこれもおすすめしたいです。『ゴールデン☆アイドル』シリーズ。
《時代を彩った70年〜80年代のトップアイドルのアナログ17cmシングル盤のAB面を完全収録し、当時のシングルジャケットは、ほぼ原寸大のサイズのブックレットで復刻。手に取ると懐かしい想い出が蘇ってくる紙ジャケット。2014年デジタルリマスタリング&通常プレイヤーで再生できる高品質CDでのリリース》というシリーズ。榊原郁恵、河合奈保子、天地真理、南沙織、斉藤由貴、岡田有希子、堀ちえみ、岩崎良美、石川ひとみ、本田美奈子、早見優、麻丘めぐみ、石野真子(名前を列記しているだけでくらくらします(笑))が発売されています。
(はずかしいので、どれを買ったかは伏せておきますが)実際に買ってみましたが、想像していた以上のクオリティでしたよ。やっぱりこのサイズのジャケットはいいものです。曲は同じでも、これが目の前にあるのとないのとでは曲の印象まで違いますから。ドーナツ盤でアイドル歌謡曲に親しんだ昭和のお父さんは、自分の歌姫がラインナップにあったら迷わず買うといいのではないかと思います。これなら、レコードプレイヤーがなくても、当時のアナログレコードの雰囲気をなんとなく楽しめますからね。
「次世代紙ジャケ」、というんでしたっけ、アナログ・シングル・サイズの紙ジャケCDは、BBAの『ライヴ・イン・ジャパン』40周年記念盤など、ほかにも出ていますが、個人的にはどうもそのサイズに必然性が感じられなくて、あまり惹かれませんでした。でも、今回の『ゴールデン☆アイドル』シリーズは、まさに、このサイズであることに意味がある商品ですからね。第二弾があるのかどうかわかりませんが、あるといいなあ。