空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

往来堂書店の「D坂文庫 2014・夏」を見てきました

東京・千駄木の往来堂書店で開催中の「D坂文庫 2014・夏」。「D坂文庫」は同店の名物文庫フェアで、この空犬通信でも、フェアの様子を何度か紹介しています。個人的に大好きな書店独自フェアの1つで、ここ数回は選書で参加もさせてもらっています。


そんなお気に入りのフェアがしばらく前から始まっているというのに、忙しくてなかなか顔を出せずにいたのですが、先日、やっと見てきましたので、店頭の様子を紹介します。(店内写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。写真は8/23の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)


140823 D坂文庫 1140823 D坂文庫 2

場所は、いつものように、入口を入ってすぐのフェアコーナー。ミロコマチコさんの手になるワニが目を引きますね。フェアの文庫には、おなじみの手作り帯が全点にかかっています。書名と帯のコメントを見て、誰が選んだのかなあ、などと想像しながら、ずらりと並んだ本を片端から眺めていくのが楽しくて、それほど規模の大きなフェアではないのに、あっというまに時間がたってしまいます。


何度か参加していると、知り合いの選書はもちろんですが、面識のない方でも常連さんは名前を覚えてしまったりしますし、選書の傾向も、なんとなくわかってきたりします。すると、フェアに参加する楽しみや、店頭で本を眺める楽しみがますます大きくなるんですよね。この人はいつもおもしろい本を選ぶなあ、とか、この人とは趣味が合いそうだなあ、など、自分が選びそうな本を選んでいる人がいるとうれしいし、逆に、絶対に自分では選んだり出会ったりできなさそうな本を誰かが取り上げてくれるのもうれしいもの。ときどき、やられた!、自分で選びたかった!という本に出会えるのも、こういうフェアならではの楽しみですよね。


140823 D坂文庫 購入本

↑「D坂文庫」での買い物は、毎回とても悩みます。趣味がかぶる人がけっこういるようで、所有本・既読本の率が高いこともありますし、そうでない本も、推薦コメントがいいので、どれもこれも欲しくなってしまうからです。で、今回、買ってきたのは、こちら。湯川秀樹『旅人』(角川ソフィア文庫)。いい本選ぶ人がいるなあ、と思ったら、新潮社の足立真穂さんのセレクト。ぼくはもう読んでいる本ですが、たしか我が家の棚にはなかったはず、ならば再読するもいいし、家に置いておいたら、うちの本好きっ子が手にとってくれるかもしれないから、それもいい。ということで、購入。こういう本は、どんなにいい本でも、定番でも、名作でも、再読に値する本でも、棚にささっているだけだとなかなか手にとる機会がありませんが、こうしてフェアに選ばれることで、「顔の見える本」になるんですよね。


140823 D坂文庫 冊子

↑「D坂文庫」の冊子。選者のコメントがまとめて読めるんですが、再訪してもう少し買い足す予定なので、店頭での出会いの楽しみをとっておくため、しばらくは読まないことにしています。右は3冊買うともらえるメモ帳。カバーのついた並製本のスタイルになっていて、かわいいですよ。


140823 D坂文庫 往来っ子

↑「往来っ子新聞」、最近の3号。最新の123号はもちろん「D坂文庫」特集。「D坂文庫」のあれこれがまとまっているほか、裏面には8/17時点での、「D坂文庫」の売上ランキングも載っています。「D坂文庫」を見に行ったら、もらってくるのを忘れずに。


今回のフェアについて、店長の笈入さんはこんなふうに書いています。《夏らしい本が揃いました。そして、歌は世につれ世は歌につれ、ではありませんが近頃の世相を反映している本もいつもより多い気がします。このフェアが2014年の夏を記憶する一つのきっかけになればうれしくおもいます》。「2014年の夏を記憶する」きっかけになる本に出会えるといいですね。往来堂書店の「D坂文庫 2014・夏」は、9/18まで。



モンスターズ

↑往来堂書店では「D坂文庫」以外の本も買ってきましたよ。『モンスターズ』(白水社)。「現代アメリカ傑作短篇集」と副題にある通り、テーマはモンスター、怪物・怪獣たち。新刊案内で見かけて以来、楽しみに待っていた、怪獣好きにはうれしい1冊。ポップなカバーもいい感じだし、知らない作家、初めての作家が多いのもうれしいところ。


「D坂文庫」をチェックした後、いつものように、棚を端から眺めていたら、戦争関連本を集めたフェアのそばに沖縄本がいくつか並んでいます。沖縄本と一緒に「沖縄県産本目録 2013年版」という、初めて目にするB5判の冊子が置いてあったので、もらってきました。


140823 D坂文庫 沖縄県産

↑「沖縄県産本目録 2013年版」。


沖縄は郷土出版がさかんな土地であることは知識としては知っていましたが、こんな総合目録まで作られているとは知りませんでした。すごいなあ。沖縄の出版社の沖縄本がずらり。全部ではありませんが、書影も載っているのがうれしい。


巻末には付録として「沖縄県産本年表(1994〜2013年)」が載っていて、本の刊行、フェア、イベントなどが写真入りで記録されています。あまりの充実ぶりに、驚きました。この目録、資料としても貴重だし、何より、眺めているだけで楽しい。それにしても、千駄木の本屋さんで沖縄本の目録を入手できるとは。目録を作った人たちもすごいが、それを東京で並べてる往来堂書店もすごいなあ、と、そんなことを思ったのでした。


編集を離れて書店回りをすることもなくなったので、当然のことながら、平日に書店に行く機会が激減してしまいました。職場のある神保町と最寄り駅の吉祥寺・三鷹以外の書店に立ち寄る時間も機会もなかなか作れません。今回は、休日出勤で、仕事が予定より早めに片付いての帰り道だったので、職場から家とは逆方向になる往来堂書店にも行けましたし、ゆっくり時間をかけてお店を見ることもできました。前みたいに来られなくなっちゃって……なんて話をしたら店長の笈入さんは、「じゃあ、空犬さんが来たくなるような店にしますよ」と。「来ないではいられない店」だったかな。どっちにしても、かっこいいなあ。こんなことを言われたら、そのお店にはまた行きたくなりますよね。


スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://sorainutsushin.blog60.fc2.com/tb.php/2323-93340d09
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad