空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

留萌ブックセンターに行ってきました

6月に、町本会の取材で、留萌にいってきました。訪問先は、もちろん、留萌ブックセンターby三省堂書店しばらく前に書いた記事で旅の報告と、訪問記アップの予告だけしながら、取材をまとめるのと写真の整理とに時間がかかり、すっかり遅くなってしまいました。


今回の取材では、留萌ブックセンター店長の今拓己様、「三省堂書店を応援し隊」武良千春様、塚田亮二様、塚田裕子様にお話をうかがいました。取材1日目は、みなさん、お忙しいなか、長時間お付き合いくださり、じっくりと話をうかがうことができました。2日目は、店長さんのご好意で、出張販売を行っている場所など、お店に縁の深いスポットと街中を車でご案内いただきました。


140603留萌BC みなさん

↑今回、取材に応じてくださったみなさん。


留萌ブックセンターの件は、新刊書店の歴史のなかでも特異なケースだと思います。取材前に、メディアに取り上げられた記事など、関連の資料を読み込み、あらかたの事情は把握しているつもりでいましたが、単に資料で仕入れた知識と、当事者のみなさんから直接聞けるお話は、ぜんぜん違うものでした。既報の記事だけではわからなかったこと、知り得なかったことを、いろいろと見聞きすることができ、単なる取材にとどまらない、すばらしい体験となりました。


今回の取材結果はあらためて文章にまとめ、「町本会(町には本屋さんが必要です会議)」の活動の集大成として、今年の12月に夏葉社から刊行予定の『本屋会議』(仮)に掲載してもらう予定です。ですので、空犬通信では、写真を中心にした、ごくごく簡単な訪問記にとどめたいと思います。


(以下、店内写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。写真は6/2、6/3の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)


140603留萌BC 前の道路1140603留萌BC 前の道路2140603留萌BC ショッピングセンター1

↑お店のあるショッピングセンターの前の道路はこのような感じです。郊外型店舗やコンビニがぽつんぽつんとある感じ。


140603留萌BC 外観1140603留萌BC ショッピングセンター2

↑お店の外観。お店は、JR留萌駅と駅周辺の商店街からは少し離れた街のはずれにある、郊外型店舗。マックスバリュ、ホームセンターなどが集まるショッピングセンターの一角にあります。


140603留萌BC 店内全景

↑店内を見渡したところ。150坪と、想像していたよりも大きめのお店です。


140603留萌BC 募集チラシ140603留萌BC 紙芝居

↑「三省堂書店を応援し隊」が「三省堂書店を呼び隊」だったときに使った、隊員募集チラシ。現物ではなく、留萌ブックセンターができるまでの経緯をまとめた紙芝居「本やさんのおはなし」の絵より。これらがどういうもので、どういうふうに使われたのかについては、前述の通り、『本屋会議』掲載記事にまとめます。


140603留萌BC レジ140603留萌BC フロアガイド

↑レジ。レジ脇には、フロアガイドと、留萌の町内をイラストで描いたイラストマップ(後述)が貼ってありました。


留萌BC 児童書1留萌BC 児童書2留萌BC 児童書3
留萌BC 児童書POP1留萌BC 児童書POP2留萌BC 児童書POP3

↑居心地のいい、子どもの本コーナー。オープン当初は違うかたちだったそうなんですが、その後、店長さんが力を入れて改装、今のかたちにしたそうです。


留萌BC 文庫1留萌BC 文庫3留萌BC 文庫2
留萌BC コミック1留萌BC コミック2留萌BC コミック3

↑上は文庫の棚。下はコミックの棚。


留萌BC 学参1留萌BC 学参2留萌BC 学参3

↑「三省堂書店を応援し隊」のみなさんが書店誘致活動をおもいたったきっかけには、町の書店閉店により、子どもたちが新学期に参考書を買えなくなってしまうのではないか、という心配があったといいます。出発点が子どもたちの学習に必要な本を、という書店だけあって、学参関係はスペースも十分にとられ、充実の品揃えになっていました。




留萌BC 雑誌2留萌BC 雑誌3

↑種類が多く、にぎやかな雑誌棚。


留萌BC 郷土1留萌BC 実用趣味書留萌BC 企画

↑北海道本をまとめたワゴンがレジ前にありました。写真中央は、趣味・実用書などの棚、右はフェア棚で、訪問時は「春の野菜づくり」というフェアが展開中でした。


140603留萌BC 壁面上の工夫1140603留萌BC 壁面上の工夫2140603留萌BC 壁面上の工夫3
140603留萌BC 壁面上の工夫4140603留萌BC 壁面上の工夫5140603留萌BC 壁面上の工夫6

↑店内は天井が高めの造り。本棚の上の空いた壁面をうまく活用しています。


何百枚も撮影してきましたので、お見せしたい写真はほかにもたくさんあるのですが、これからお店に行かれる方の楽しみを奪ってもいけませんので、これぐらいにしておきます。


変わったフェアや、職人によるPOPや、玄人をうならせるような編集棚があるわけではありません。その意味ではふつうの本屋さんです。でも、その「ふつう」がほんとうにすばらしい。隅々まで、地元の利用客のことが考えられた品揃え・並べ方になっているのが、短時間店内を見て回っただけで、よく伝わってきました。いっときは、本屋さんのない町になりかけた、というか、なってしまった留萌。その町に、こんなすてきなお店ができたこと自体、あんまり簡単にそんなことばは使いたくないけれど、「奇跡」ですよね。留萌の人たちは、ほんとうにすばらしいお店を得たのだなあ、と、たっぷりお店を取材させてもらった後、しみじみ思わされました。


そして、その「奇跡」を実現したのが、店長の今さんであり、「三省堂書店を応援し隊」のみなさんであるわけです。留萌ブックセンターの取材は、ほんとに楽しく、そして充実したものになりました。「三省堂書店を応援し隊」のみなさんの活動は、まさに「町には本屋さんが必要です会議」を先取りしたかのようなものです。みなさんの行動力と熱意は、話を聞いていて、涙が出そうになるほどのもの(実際、取材をまとめるために、後日録音を聞き直して、一人涙を流したりしています)で、あらためて感銘を受けました。


一日目の夜、取材を終えて、関係者のみなさんと食事をして、宿に戻って、独りになってから考えました。なぜ留萌で、書店復活の奇跡が起こったのか。自分なりに納得できた一日でした。(問題は、このお店をを支えてきたみなさんの活動のすばらしさを、ぼくの筆力で十分に伝えられるかどうか、だったりします……。)



留萌イラストマップ

↑駅などで無料配布されている留萌市のイラストマップ。見やすいし、主要なスポットは全部カバーされているしで、留萌観光には必携の1枚です。2日目の、帰りのバスに乗る直前に入手したんですが、この日と前日と、どこをどう移動したのかが、お店が駅からどれぐらい離れているか、どこで食事をしたか、車で案内していただいた病院や図書館がどこにあるか、などが、実によくわかりました。


取材したお店では必ず買い物をします。今回買ってきた本はこちら。


留萌BC購入本 1留萌BC購入本 2

↑やっぱり北海道本を買いたくなりますよね。北海道は地方出版が盛んなのか、『北海道の出版文化史』なんて、500ページ超で6480円もする立派な本も出ているほど。選択肢が多くて悩みます。『思わず人に話したくなる北海道学』(洋泉社)は、札幌の書店でもよく見かけた新書。野鳥好きとしては、鳥の本も欲しい、というので、『北海道野鳥観察地ガイド』(北海道新聞社)。


留萌BC購入本 3留萌BC購入本 4

↑ご当地本以外の本も買います。文庫は『胸の火は消えず』(創元推理文庫)、コミックは『いちえふ』(講談社)。


最後に。留萌に行ってみたくなった、という方のために、今回のルートを参考に書いておきますね。今回は、費用をおさえたかったので、LCCを使いましたので、発着は成田空港。新千歳空港に着いたら、快速エアポートで札幌へ。札幌から留萌が長い。鉄道によるルートもあるようですが、乗り継ぎなどがあまりよくなくて、今店長に教えていただいたところ、高速を使う中央バスがいちばん便利で、地元の方も、札幌との往復はバスを使う人が多いとのことでした。たしかに、札幌から留萌まで乗換なしの1本なので、便利は便利なのですが、3時間も乗ることになります(留萌BCの最寄りバス停は、留萌駅の手前なので、そこで降りると2時間半ぐらい)


1日目の早朝に家を出ても、留萌に着くのは夕方で、乗り継ぎのせいもありますが、10時間以上かかりました。成田ではなく、羽田を利用する便ならば、少し短縮できるかもしれません。翌日は、順に逆のルートで帰ります。帰りは、駅周辺を今店長に案内いただきましたので、そのまま、留萌駅近くにあるバスターミナル(始発)から乗りました。なので、帰りは3時間。昼過ぎには出ないとその日のうちに家に帰れない、そんな強行軍でした。


宿ですが、留萌駅周辺にいくつかあるようですが、ぼくはこちらをすすめていただきました。ちなみに、この宿、目の前が、留萌ブックセンターができる前に、町に2軒あった書店の1つ、誠文堂書店本店の跡地でした。


140603誠文堂跡地

というわけで、留萌に行かれる方は、旅程に余裕を持って、必ずバスの時刻を調べてから行くようにしてください。また、先にも書きましたが、留萌BCは町のはずれにあり、留萌駅や宿からはかなり離れています。歩けない距離ではないですが、季節や荷物によっては歩きは厳しいでしょう。現地に着いてからの足をどうするかも考えておくといいでしょう(その点がすっかり頭から抜けていたため、1日目も2日目も、みなさんに車を出していただくことになってしまいました)。簡単に行ける町、お店ではありませんが、あなたが本屋さんの未来について真剣に考えている人ならば、わざわざ行く価値があると思いますよ。


スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://sorainutsushin.blog60.fc2.com/tb.php/2284-e9929e93
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad