空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

やっぱり大阪の本屋さんはいいなあ……『西加奈子と地元の本屋』が発売になります

大阪の書店員さんたちと取次の営業マンが集まって、何やら、本を作ったらしい……そんなことを、ツイッターのTLで見かけ、それはおもしろそうだなあ、読みたいなあ、東京でも入手できるかなあ、などと思っていたら、いったいどんなふうに感知されたのか、ある方が魔法のようなタイミングで、その大阪発の本を届けてくれました。


  • 大阪の本屋発行委員会『西加奈子と地元の本屋』(140B)

西加奈子と地元の本屋書影

この『西加奈子と地元の本屋』、企画・編集・執筆を手がけたのは「大阪の本屋発行委員会」(@osaka_honya)、発行は「編集集団140B」(@maido140b)。その「大阪の本屋発行委員会」のツイッターによれば、このような本だそうです。


《大阪の本屋で働く書店員と、取次(問屋)の営業マンが集まって、1冊の「本」をつくりました》《西加奈子さん原作の映画『円卓 〜こっこ、ひと夏のイマジン』が、まもなく6月21日に公開されます。西さんの原作小説はもちろんのこと、映画も、主演の芦田愛菜ちゃんもすばらしくて、この映画公開をきっかけに何かおもしろいことをやりたい! と集まったのが、「大阪の本屋発行委員会」です》。


《『西加奈子と地元の本屋』は、本文たった32ページのささやかな本ですが、地元出身の作家さんをもっと応援したい、大阪の書店の魅力をもっと伝えたい、そんな気持ちをぎっしり詰めこみました。これでたったの380円(税込)! 本は薄いけど、なかみは濃い。お買い得の1冊です》。《『西加奈子と地元の本屋』は、大阪の本屋で働く書店員と取次(問屋)の社員が企画、編集、執筆に携わって完成しました。編集協力と発行は、ディープな大阪を代表する「編集集団140B」さんにお願いしました》。


目次を見ると、記事は4本。冒頭に掲載されているのは、西加奈子さんと津村記久子さんの対談「「大阪を書くことは、ほんまはしんどい」か?」。4/18にスタンダードブックストアで開催された「「書店員ナイト リターンズ」@スタンダードブックストア心斎橋」の特別企画として行われた対談だそうです。


個人的には西加奈子さんの良い読者とは決して言えないんですが(すみません……)、それでも、この津村さんとの対談はおもしろく読めましたから、ファンの方なら、楽しめることも間違いなしでしょう。この対談を読んで、隆祥館書店で開催した『本屋図鑑』のトークイベントに、津村記久子さんが仲良しの書店員さんと一緒に来てくださったのを思い出しました。ぼくはそのとき、わずかにことばを交わしただけで、別に親しいわけでもなんでもありませんが、そのときのことを思い出しながら、津村さんは、本屋さんが好きで、書店員さんとの距離も近い人なのだなあ、などとあらためて思ったのでした。


2本目は大阪の書店員さんたちによるアンケート「なんでこの本、ウチでは売れるんでしょ?」。3本めは、同じく大阪の書店員さんたちによる座談会「本に“大阪らしさ”ななんかいらん?」。最後は、昨年夏に東京堂書店で開催された『本屋図鑑』刊行記念のトークイベントにも駆けつけてくれた紀伊國屋書店の百々典孝さんによる「いつかは跨ぐぞ! 西加奈子宅の敷居」。全32ページと分量こそ決して多くはないものの、なかなかに盛りだくさんで、読みどころの多い中身になっています。


『西加奈子と地元の本屋』は、6/13発売予定だそうです。税込380円。くわしくは「大阪の本屋発行委員会」のツイッターをご覧ください。



それにしても。いいなあ、大阪の本屋さん。こんなふうに本が作れるなんて、単に距離が近いとか、仲良しがいるとか、そういうことだけではできませんからね。大阪の本屋さんと言えば、《大阪の問屋と本屋が力を併せて、ほんまに読んで欲しい1冊を選びました》というOsakaBookOneProjectもあります(そういえばこれも、百々さんが出演してくれた『本屋図鑑』の刊行記念トークイベントで情報開示されたのでした)。そのような輪から遠いところにいるのが(一応、元大阪人の本屋さん好きとしては)ちょっとさびしくなったりもし、ちょっとうらやましくなったりもします。


ぼくは、今でこそ、1年に1、2度大阪に行く機会があるかないか、というふうになってしまいましたが、これでも高校卒業までは大阪にいたので、かなり濃度は薄まってしまったに違いはありませんが、それでも一部はまだ大阪人なのだろうと思っています。好きな本屋さんは全国にいくつもありますが、やはり大阪の本屋さんは、そういう自称ちょっとだけ大阪人の自分にとって、今も特別な存在なのです。


小学生時代に通った、記憶にある最初の本屋さん、M書店
中学生のころに通い、ギターやFMの雑誌をせっせと買い、そして初めてブラッドベリの文庫本に出会ったN書店。
本と本屋さんのことを教えてもらった紀伊國屋書店梅田本店と旭屋書店本店……。


紀伊國屋書店梅田本店以外は、どれも今はありませんし、紀伊國屋書店梅田本店も、2010年のリニューアルで、ぼくが熱心に通っていたころとは、すっかり様子が変わってしまいました。でも、その後、ジュンクやスタンダードブックストア他、ぼくが大阪にいたころにはなかった、すてきなお店がいくつもできていますし、清風堂書店や隆祥館書店や長谷川書店のように、新たにご縁のできたお店もありますから、大阪にいたころよりも大阪の本屋さんとの距離は近くなっているような、そんな気もしています。


脱線し過ぎていったいなんの話をしているんだかわからなくなってきましたが、とにかく、『西加奈子と地元の本屋』を読んだら、やっぱり大阪の本屋さんはいいなあ、と、今では自分にとって「地元の本屋」とは呼べない本屋さんのことが、とても気になってしまって、すぐにも大阪の本屋さん回りに出かけたくなってしまったのでした。大阪の本屋さんに縁のある人はもちろんですが、よく知らない、行ったことがないという本屋さん好きにも、大阪の本屋さんの雰囲気を知るのにぴったりな1冊としておすすめしておきます。


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