空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

紀伊國屋書店新宿南店6階に、巨大洋書売り場Books Kinokuniya Tokyoオープン

先日、5/29に、紀伊國屋書店新宿南店6階にオープンしたBooks Kinokuniya Tokyo。オープン前にも一度記事で紹介しましたが、オープン当日の夕方、お店を訪問してきましたので、簡単に報告します(取材を頼めるような知り合いがいなかったので、今回は店内の写真はなしです)


140529紀伊國屋新宿南リニューアル 3140529紀伊國屋新宿南リニューアル 2

↑左は3階のウインドーに出ている大きな案内。右は、オープニング記念イベントなどの告知です。


同店の6階は約300坪と、駅ビルなどの商業施設に入っているワンフロア型の中規模書店並の広さがあります。それが、ワンフロアまるごと全部洋書・洋雑誌にあてられるのですから、さすがに壮観です。


同じく、大きな洋書売り場のある丸善丸の内本店や、大阪のMARUZEN&ジュンク堂書店梅田店の洋書売り場に比べると、(いい意味で)売り場にぎっしり感がなく、通路は広めにとられ、棚の高さもおさえめになっているなど、全体にゆったりした空間の使い方になっています。そのため、開放感のある、居心地のいい売り場になっているように思いました。


140529紀伊國屋新宿南リニューアル 9140529紀伊國屋新宿南リニューアル 10
140529紀伊國屋新宿南リニューアル 11140529紀伊國屋新宿南リニューアル 12

↑オープニングのチラシとセールの案内。いずれも両面で、バイリンガルになっています。


140529紀伊國屋新宿南リニューアル 6

↑フロアレイアウト。


ふだんはリーディングスペースになっていて、イベントなどにも使われる「COMMUNITY GARDEN」は、タカシマヤ方面へのエスカレータの斜め前あたり。新刊台はレジの斜め前あたりで変わらずです。文学書や専門書が並んでいたエリアは、おおむねそのままですが、子どもの本やYAが別のエリア、元芸術書・楽譜などがあった側に移りましたので、一部入れ替えなどがあります。雑誌は、元語学書の棚があったあたりに並んでいます。


140529紀伊國屋新宿南リニューアル 7140529紀伊國屋新宿南リニューアル 8

↑「世界をつなぐ、紀伊國屋書店。」と題された、海外の支店を紹介するパンフレット。





今回の改装で、6階から移動になったジャンルがありますので、他のフロアでもレイアウト変更が行われています。ぼくは、あの本はどこにいったかな、などと、うろうろ探して回るのも楽しいと感じるほうなので問題ありませんが、一刻も早く目当てのジャンル・本を見つけないといらいらするというタイプの方もいらっしゃるかもしれませんので、短時間に本を探したい方は、店内で配布されているフロア案内を入手しておくといいでしょう。


140529紀伊國屋新宿南リニューアル 4140529紀伊國屋新宿南リニューアル 5140529紀伊國屋新宿南リニューアル 1

↑フロア案内。6階で配布されているものは英文表記のもので、他のフロアにはちゃんと日本語のものが置いてありました。右は、3階のウインドーに掲示されていた、取扱の場所が移動になったり、中止になったりしたジャンルの案内。


実際にお店を見てみると、とにかく広い。以前からよく知っているお店、よく知っているフロアですが、こうしてフロア全体が、以前のような複数ジャンルの組み合わせから洋書・洋雑誌のみになると、あらためてその広さがよくわかります。洋書・洋雑誌で、これだけのサイズと在庫点数を維持していくのは、お店のみなさんにとってはかなり大変なことだろうと思います。大変、といえば、店内の様子を見ていて、少し気になったことがありました。


店内をうろうろしていると、決して少なくない数のお客さんがスマホを片手に本を見ているのです。スマホ片手の客の存在は、別に書店内であろうとどこであろうと、今ではめずらしくもなんでもない光景ですが、気になったのは、どうやらそのうちの少なくない人が洋書の値段をチェックしていたらしいことでした。別に、それらのお客さんのスマホを全部のぞいてみたわけではありませんが、裏の値段ラベルと見比べている人がいましたし、さらに大胆に、店頭商品のバーコードをスキャンしている人もいました。新古書店でこれをやっている人を見るといらっとしますが、新刊書店内ではさすがにこれは反則ですよねえ……。


和書では値段差がありませんから(とはいえ、アマゾンのマーケットプレイスがありますから、安価な新古商品が出ていないかどうかの確認をする人はいるでしょう)、いちいち店頭で値段のチェックなどしないでしょうが、洋書の場合、リアル書店間でも、リアル書店とオンライン書店間でも、値段差が、それも商品によってはかなり大きな値段差があることがあります。


ぼくは、基本的には、和書についてはアマゾンは使いませんが、洋書を買うときにはよく利用します。やはり、値段が安いからです。本来なら、洋書もやはり店頭で実物を見て買いたいし、値段差があるといっても、わずかな差ならば、やはりそれを最初に見つけたお店、その本の存在を教えてくれたお店で買いたい。でも、ペーパーバックならともかく、ハードカバーのちょっと値の張るのだと、都内の洋書店の店頭価格と、通販のそれが、1000円以上も違ったりすることがあります。となると、なかなか、本屋さんへの義理とか感情的なものだけでは、そちらを選択するのが難しい。だって、それで浮いた1000円で、和書をこの店で買えばいいんだし、などとも思ってしまいますしね。


Books Kinokuniya Tokyoのオープン初日に駆けつけるような人は、やはり本が好きな人、洋書が好きな人、実物を店頭で手にしたい人たちでしょう。そういう人たちが集まるお店でも結局は、こうして値段比較が行われ、買い控えやショールーミングが行われてしまうという現実。


Books Kinokuniya Tokyoは、現在の日本の書店では、紀伊國屋書店にしかできない試みだろうと思います。だから、がんばってほしい。続けてほしい。それには、面積的にも在庫点数的にも大規模な売り場をきちんと維持していくことだけでなく、こうした値段のこと、アマゾン他通販洋書店との競合のこと、(値段比較アプリ、バーコードスキャンアプリ他を平気で店頭で使用する)お客さんのモラルのことなど、いろいろな問題の対処を考えていかなければならないはずで、それはなまなかなことではないでしょう。


だからこそ、ぜひ同店のみなさんにはぜひがんばってほしいと思います。ぼくも、先に、洋書はついAで……などと書きましたが、でも、このお店で出会った本は、できるだけこのお店で買うようにしたいと思います。だって、通販の封筒が届くよりも、店頭で手にした本をそのまま下のカフェに持っていったり、そのまま帰りの電車で読んだりできるほうが、「本を買った!」という実感をずっと強く得られて、本の買い物をより楽しめますからね。


オープン当日はやはり何か買い物をしたいところ。新刊台の文芸のところに並んでいたLydia Davisの新刊『Can't and Won't』とか、映画本の平台のところに並んでいた『Star Wars Storyboards: The Original Trilogy』とか、あちこちに心引かれる本が目についたので、さんざん迷ったあげく、結局、新刊台から選んだのが、こちら。『The Collected Works of A.J. Fikry』。


140529紀伊國屋新宿南リニューアル 13

知らない作家の作品ですが、表紙には、ご覧の通り書棚がずらりと並んでいて、どうやら、書店が舞台の話らしい。これは、書店ブログの書き手にはぴったりの1冊だろうというので、どんな話なのか、中もろくに確かめずに買ってきました。


ちなみに、この本は2000円を超えているんですが、2000円以上の買い物でもらえるというトートがもらえなかったところをみると、配布予定枚数を、この時点ですでに越えていたということなのでしょうか。チラシを見ると、書棚をあしらった、本好き本屋好きとしては惹かれるデザインのものだったので、なんとなく残念ではありますが、でも、それだけ出足が好調だった、ということですから、それはそれでうれしい話ですね。


というわけで。Books Kinokuniya Tokyoは、洋書好きなら心躍らされること間違いなしの空間になっています。洋書好きのみなさんは、ぜひ訪問してみるといいでしょう。とにかく広い売り場なので、時間に余裕を持って訪問されることをおすすめします。




スポンサーサイト

コメント

私も先日訪問いたしましたが、かなりのリニューアルっぷりに驚きました。
6Fにあった書籍が他の階に移動し凝縮されている感じでしたね。
5Fがそのあおりを受けてか、若干ジャンル過多で窮屈な感じを受けました。
でも南店は外国のお客さんが多いのでいいかもしれませんね。

  • 2014/06/05(木) 09:24:35 |
  • URL |
  • とある版元営業 #-
  • [ 編集 ]

紀伊國屋新宿南

とある版元営業さん>
訪問&コメント、ありがとうございます。
> 5Fがそのあおりを受けてか、若干ジャンル過多で窮屈な感じを受けました。
たしかに、6Fのゆったりぶりを目にした後だと、
よけいに窮屈に感じるかもしれませんね。
ただ、専門書なども多いフロアですから、
ある程度、ぎゅっと詰まっているのは
ジャンル特性や客層を考えると、あんまり
問題にならないか、むしろ歓迎されるかも
しれません。

  • 2014/06/05(木) 21:20:37 |
  • URL |
  • 空犬 #-
  • [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://sorainutsushin.blog60.fc2.com/tb.php/2274-1bf2f763
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad