空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

吉祥寺のひとり出版社、夏葉社の島田さんの本がおもしろい

これまでにも、あちこちに書いている文章を読んできたし、何より、一緒に本作りに関わったりもしましたから、その文章力も、内容のおもしろさも、よく知っているつもりだったけど、でも、あらためて、こうしてまとまった分量を読むと、この人の書くものは、ほんと、おもしろいなあ。


なんの話かというと、この本のゲラを読ませてもらったのです。



サイトの内容紹介を引きます。《吉祥寺のひとり出版社 夏葉社 の 5年間の歩み!! 設立から約5年――。一冊一冊こだわりぬいた本づくりで多くの読書人に支持されるひとり出版社は、どのように生まれ、歩んできたのか。編集未経験からの単身起業、ドタバタの本の編集と営業活動、忘れがたい人たちとの出会い……。いまに至るまでのエピソードと発見を、心地よい筆致でユーモラスにつづる。》


ブックンロールまであとひと月だし、他にもイベントが入っちゃってるし、空犬名義で関わっている本の作業も予想以上に大変だしで、とても時間がとれないかもなあ、と思いつつ、ゲラ読みを引き受けたのが、つい先日、町本会関連の打合せをしていたときのこと。深夜に帰宅して、どんな感じか冒頭だけ、ちょっと斜めに読んでみようと、ページを開いたのが運の尽き。おもしろくて、数ページでやめるなんてことがかなわず、結局、半分ほどを一気読み、大いに睡眠時間を削ることになってしまったのでした。


翌日、すぐに読了。いつもながら島田さんの文章は、やわらかで、ユニークで、なんとも言えないとぼけた(←ほめことばです)味があって、とにかく、いいのですよ。島田さん本人を知る人には、島田さんの人柄がそのまま出た文章だ、と言えば、どのような雰囲気のものかよくわかるでしょう。内容のほうは、知り合ってからのことはもちろん、知り合う前のことも、本人から打合せや飲み会などの場で直接聞いている話も多くて、おそらく内容の新鮮さを楽しむには不利な立場にある読者のはずなのに、それでも一気に読んでしまいましたからね。島田さんのエピソードの数々に初めて接する方ならば、ぼくの何倍も楽しめるのではないかと思います。うらやましい。


個人的には大変に楽しく読んだのですが、ちょっとだけ読者として、また、出版仲間として、心配になったところも。ここまで開示して大丈夫なんだろうかと心配になるぐらい恋バナ全開なんですよね(笑)。こういうのが許されるあたり、というか、ふつうに楽しく読ませてしまうあたりが、島田さんの人柄なのかなあ。とにかく、この本を読むと、島田さんが、何故こうもたくさんの人から愛されているのかが、実によくわかります。


「本屋図鑑編集部」の1人として、島田さんとは一緒に本を作ったりもしているんですが、ぼくには、こういう文章は書けないなあ。島田さんと空犬の組み合わせで、よく『本屋図鑑』が1冊の本として成立したものだと、あらためて不思議に思えるほどです。それぐらい、島田ワールドはユニークで、確立されていて、ぼくの書くような駄文とは別世界のものです。持ち上げるわけではなく、本気でそう思うのです。



『あしたから出版社』は、夏葉社の本が好きな方にはもちろんのこと、独りで出版社を営むというのがどういうことなのか、という出版社・出版活動の話に興味のある方にも、そして、「島田さんってどんな人?」と純粋にご本人に興味を感じている方にも大変おもしろく読めそうな1冊になっていますよ。


まだサイトに書影があがっていませんので、どのような見た目の本になるのかはわからないのですが、装丁は、同じ晶文社から、同じ〈就職しないで生きるには21〉シリーズの1冊として『偶然の装丁家』を上梓したばかりの矢萩多聞さんで、装画はもちろんミロコマチコさん。『偶然の装丁家』『荒野の古本屋』のようなすてきな本になるのは間違いありません。楽しみですね。


ところで、この『あしたから出版社』、ただ事前に読むというだけでなく、内容のチェックもぜひ、などと頼まれていたのに(一応、編集者ですので)、一気読みしちゃったものだから、ぜんぜん内容・表記などのチェックができませんでした(苦笑)。今度は編集者モード、スイッチオンで再読しようと思いますが、続けての再読がぜんぜん苦にならない内容と文章です。ぜひたくさんの本好き本屋さん好きに読んでほしいと思います。


もうオープンにしてもいいかな、1つ宣伝も。この『あしたから出版社』、発売は(何もトラブルなどなければ)ブックンロールと同じ日になるようです。そこで、『あしたから出版社』をブックンロール当日、会場の阿佐ヶ谷ロフトAで、販売する予定です。島田さんも来場します、というか、おそらくは、売り子をしていると思いますので、ぜひご本人から直接買って、ご本人をつかまえて、その場でサインをもらってください。


『本屋図鑑』も会場で販売することになるかもしれません。ブックンロールに来てくださる方にはすでにお持ちの方も多いかと思いますが、まだの方はぜひ、『本屋図鑑』もお願いします。なお、島田さんは『本屋図鑑』の著者でもありますから、ぜひそちらも、合わせてサイン本にしてもらうのをお忘れなく。(ちなみに、島田さんは、ここ数回、ライヴの部に連続出場してくれていましたが、今年はライヴ・トークとも出演はありません。あしからず。)



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