空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

BOOKMARC、山陽堂……表参道の本屋さん

先日、仕事の打合せの場所が原宿だったので、BOOKMARC(ブックマーク)をのぞいてきました。


ブックマーク原宿 1ブックマーク原宿 3

BOOKMARCのオープンは昨年の10月。ファッションブランドが手がける書店で、しかもアジアでは第一号店ということで、メディアではオープン前から話題になっていましたね。いろいろな記事がありますが、たとえばこちら。「「マーク ジェイコブス」のブックストア「ブックマーク」、原宿に国内1号店」(2013/10/10 シブヤ経済新聞)。空犬通信でも取り上げています。


原宿という街自体にあまり用事がないところにもってきて、書店とはいっても、ファッションブランドが手がけるお店ですから、とりたててファッションに関心のない雑本好きの自分のようなおやじには縁がなさそうな感じが濃厚にして、なかなか足が向きませんでした。


先のシブヤ経済新聞の記事を見ても、《オープン時の蔵書数は約350タイトル》と本は非常に少ないようですし、中身のほうも《芸術・写真・ファッション・音楽・映画・詩集・芸術論・文学など、ブランドのインスピレーション源となるものや、ジェイコブスさんが興味を持っている分野の書籍》とあります、お店で販売される本の例としてあがっているのも、《ケイト・モスさんの写真集「Kate: The Kate Moss Book」の同店限定カバー(1万290円)などのほか、米アーティスト、リチャード・プリンスさんの作品集で、プリンスさんの直筆サイン入りの「Prince/Picasso」(2012年、4万7,000円ほど)や、米美術家ピーター・マックスさんがデザインしたレシピ本「ORGANIC VEGETARIAN COOKBOOK」(1971年、1万8,900円)など、貴重な書籍やビンテージ》という感じ。まあ、呼ばれてない感じがどうしてもしますよね(苦笑)。


さて、実際に見てみた印象ですが、ほぼ想像していた通りの感じでした。路面店で、20坪強(資料により、23坪だったり26坪だったりします)。売り場は、壁に棚が並び、売り場中央にも横向きに棚が少し並んでいます。スペースに比して在庫点数が少なめですから、余裕のあるぜいたくなディスプレイになっています。コンクリート打ちっ放しの造りに、大判の洋書が面陳多用で並べられた店内は、門外漢の当方が見てもなかなかかっこいい。手前に文具・雑貨が並ぶ平台もあります。



品ぞろえは、やはり洋書の写真集など、芸術書が目立ちます。小説・児童書・芸術書など、和書もありましたが、シブヤ経済新聞の記事によれば、洋書7、和書3のバランスだとか。こういうセレクトがお好きな方はもちろんいるでしょうし、ブランドのファンにはうれしいセレクトなのかもしれませんが、同店オープンの紹介記事にあった《本を愛する誰もを唸らせるようなディープで厳選されたセレクション》とまで言えるかどうかは、評価や好みがわかれそう。


ちなみに、先のシブヤ経済新聞の記事には、《書籍は本国の専門スタッフがセレクト》とありましたが、おそらく和書は《本国の専門スタッフ》の手になるわけではありませんよね。日本側のスタッフがどの程度関与しているのか、また選書や配置などに本の「プロ」の手がどの程度入っているのか、ちょっと気になりました。


というのも、和書で、同じ本が複数の場所に置かれていたりするのがいくつか目についたからです。もちろん、同じ本を複数の場所に展開するのは、陳列の方法として(ある程度の規模の)新刊書店ではふつうに行われていますし、効果的に行えばお客さんを、ふだんは手にとらないようなジャンルの本に導いたりもできますが、はたして、この広さ、この在庫点数で、そのようなディスプレイをすることにいったいどれだけの効果があるのかな、と。しかも、その複数箇所陳列の本が、町山智宏さんの『アメリカのめっちゃスゴい女性たち』とか、ポール・ギャリコの『ハリスおばさんモスクワへ行く』とか、意図的にそうしたのか、ミスでそのように置かれてしまったのか、判断のつきかねる書名と組み合わせとだったもので、ちょっと首をかしげてしまったのです。


ただ、セレクトが自分好みでないからダメだ、などというつもりはまったくありません。前述の和書の件をのぞけば、立地的にも客層的にも、よく考えられたセレクトで、大判の商品が多い割に圧迫感のないディスプレイのなっているので、居心地がいいと感じる人はきっと多いでしょう。実際、ぼくが訪問したときも、常に数人の女性が店内にいましたし、なかには、けっこう効果な大判の洋書を熱心に見ている人などもいました。


人気ファッションブランドという後ろ盾があるにしても、原宿の、表参道からすぐの、超のつく好立地に、こんなにもぜいたくにスペースを使った路面店の新刊書店ができるというのは、冷静に考えれば、すごいことですからね。しかも、平日の昼間でもちゃんとお客さんが入っているということは、街の客層的にもちゃんとニーズがあるということなのでしょう。ユニークなタイプの新刊書店として、また、異業種の手になる新刊書店の例として、続いてほしいものです。


BOOKMARCから表参道の交差点までは徒歩ですぐ。山陽堂書店にも寄ってきました。


140516山陽堂140516山陽堂だより

小さなお店で、オーソドックスな新刊書店というには、本の在庫点数は少なすぎる感じではあるのですが、でも、お店の入口から階段を少し上がった、ギャラリー状のスペースに整然と並ぶ、よく選びこまれた文庫の棚を眺めていると、ふつうの本好き、本屋好きとしては、それだけでなんだか落ち着きますね。


あと、山陽堂書店というと、店舗の側面に描かれた谷内六郎氏による壁画を思い浮かべる人も多いだろうと思いますが、正面からの外観(ファサード)がまさに「本屋さん」という感じで、雰囲気があっていいんですよね。BOOKMARCを訪ねてみようという本好き本屋好きは、ぜひこの山陽堂書店とセットで。近くには、クレヨンハウスもありますから、そちらも忘れずに。


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