空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

三省堂書店神保町本店で「NDL所蔵古書POD」を買ってみました

先日、三省堂書店神保町本店でこんな本を買いました。



デパート女店員になる近道

NDL所蔵古書POD、第1弾20点のなかの1冊で、1935年、昭和10年の本です。「NDL所蔵古書POD」については、以下のプレスリリースおよび「マガジン航」の記事をご覧ください。



プレスリリースの一部を引きます。《店頭でのプリントオンデマンド事業を手がける株式会社三省堂書店(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:亀井 忠雄)は、インプレスR&Dの提供する、国立国会図書館(NDL)のパブリックドメイン古書コンテンツを「三省堂書店オンデマンドサービス」を通じたPOD書籍として販売開始しました》。


《これを記念して、三省堂書店神保町本店では2014年4月26日(土)より20タイトルを実際に印刷製本し、読者に試し読み、購読いただけるイベントを開始いたします》。


ぼくが見てきたのはこれで、三省堂書店神保町本店のエスプレッソブックマシーンのコーナーに、今回の「NDL所蔵古書POD」がずらりと並んでいて、実際に手にとって中を見ることができるようになっています。


NDLPOD チラシ1NDLPOD チラシ2

↑三省堂書店神保町本店で配布されているチラシ。


本の造り、というか装丁というか、についてはこのように説明されています。《制作にあたっては、当時の著者、発行社やその関係者に敬意を表し、できる限りそのままの内容で整形するように心がけました。装丁は原作とは異なりますが、内容に関してはスキャニングデータと同じです》。


オンデマンド印刷本というのは、「本」というよりは「小冊子」というような造りになってしまうことが多く、その点に不満を感じる本好きは多いことでしょう。ぼくもこれまでのオンデマンド本にはやはり同じような印象を持っていて、今回のものも、本の造りだけみると、これでこの値段なのか!と思ってしまうものもありますが、中身と、何より手元で冊子状で気楽に読めるになるメリットとを考えると、これはこれで「あり」かなあ、と思いました。


記事中にもリンクがありますが、「第一弾 作品リスト」として、20点があがっていて、硬軟とりまぜたなかなかに興味深いタイトルがいくつも並んでいます。作者の名前でぴんとくるのは、小川未明と宮武外骨、岡本一平ぐらいかな、あとは、知らない名前が多いんですが、『吾輩ハ鼠デアル : 滑稽写生』『宇宙開拓史講話』『都会で流行の家庭美容美顔術』など、書名を見るだけでどんなものなのか中身が気になるものがいくつもありますね。



さて、今回買った本ですが、『デパート女店員になる近道』。別に今からデパート店員になりたいわけでも、そのような方々お近づきになりたいわけでももちろんないのですが、書名に惹かれて手にしてみました。昭和初期の職業ガイド、それも女性向けのものがどんなものであったか、すごく気になりますよね。ちなみに、本の本好きとしては、今回のリストのなかには、(広義の)本の本、メディア関係の本として、『最新活版印刷業案内』『意匠文案満載必ず利くチラシの拵らへ方』『新漫画の描き方』などもあったのですが、それらをおさえてのセレクトです。


表1には、元版の表紙が中央に印刷されています。書名のフォントや元版の書影を囲む部分のデザインは共通のもの。背には書名のみが印刷され、表4には「NDL所蔵古書POD」と中央にあり、下のほうに「株式会社インプレスR&D」とあります。右下に白枠があいているのは、値段などを入れるためのものでしょうか。ぼくが買ったものはブランクで、本体にはどこにも値段の表示がなく、本が入っていたビニールにたしかシールで値段が記されていました。


装丁に興味のある身としては、表1だけでなく、背や表4のデザイン、また綴じがどうなっていたのか、本の厚さは(当時の用紙で)どれぐらいだったのか、なども気になるところなんですが、オンデマンドだとそういった点がわからないのがちょっと残念ですね。そういう、本の雰囲気を伝える写真を口絵として入れたりしてはどうかと思ったりしますが、そんなことをしたら、また値段が上がってしまいますし、読めればいいんだ、という読者の方にはよけいなものになってしまいかねませんね。


さて、早速中を見てみます。扉には、「職業指導叢書」とシリーズ名が大きく記されていて、巻末広告を見ると、鉄道関係者・軍人・小学校教員なども出ているようです。巻頭には、《大海に船出するには羅針盤が必要である》と始まる、「編者」によるなかなかに意気軒昂な文章が置かれているのですが、その編者・著者が誰なのか、名前が書かれていなくて、奥付にも記載がありません。


中身については、見るだけなら、国立国会図書館のサイトでも見られますから、ここではふれませんが、拾い読みしてみたところ、意外におもしろくて、同じもので、出版社とか書店とか、本の関係の仕事案内があったら読んでみたいものだなあ、などと思わされました。


というわけで、思いがけず楽しませてもらった「NDL所蔵古書POD」。第一弾とありますが、今後については、《現在、近代デジタルライブラリーには、約35万点のパブリックドメイン古書が登録されています。三省堂書店はインプレスR&Dと協力し、今後も順次POD書籍の点数を増やしていくことで、歴史的に貴重なコンテンツがより多くの方々の目に触れることを目指します》とあります。今後、どんなものが出てくるか、楽しみですね。



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