空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

本屋さんで本を買うこと

先日、BOOKSルーエを訪ねたときのこと。この空犬通信には何度も書いていることですが、同店は、ぼくがもっとも頻繁に利用する本屋さんの1つです。2階で文庫他を担当している花本氏とは、吉祥寺書店員の会「吉っ読」や、ブックンロール他のイベントなどで付き合いが長いこともあり、こちらの本の趣味も「割れて」いたりするものですから、「空犬さんが好きそうな本が入りましたよ」などと教えてくれたり、すすめてくれたりすることがしばしばあります。



「好きそうな本が出ましたよ」はわかるけど、先日は、「買わないだろうけど、空犬さん的にはチェックしておいたほうがいい本がありますよ」などと、それはお店にとってプラスなのかなんなのか、よくわからないことまで教えてくれたりする。で、案内された本を見てみると、たしかに「買わないだろうけどチェックしておいたほうがいい本」に該当するものでした(笑)。さらに、しばらく前には、「この本、(空犬の分を)プラス1で注文出しておきますけど、いいですか?」などと聞かれたことも。注文書を見せてもらうと、たしかに、ぼくが書名買いしそうなタイトルの本だったりします。常連相手にこんなふうにピンポイントで営業できるってすごいですよね。


ここまでの関係ができると、こちらもらくちんです。以前にも書いたことがありますが、たまに、文庫の新刊なんかで、買ったかどうか忘れてしまうことがあります。そんなとき、「これ、買ったっけ?」と聞くと、「まだです」とか、「この前買ってました」と教えてくれますから(笑)。これで何度重ね買いを未然に防いでもらったかわかりません。


今度は、オリオン書房でのこと。お店をたずねると、新刊台のところに、ちょうど買おうと思っていた米国版『PLAYBOY』創刊号の復刻版が並んでいます。その直後に、知り合いの書店員さんにばったり。すると、「『PLAYBOY』創刊号、空犬さん、きっと買うよね、って話してたんですよ!」って。新文化の記事で知って買おうと思っていたことも、こちらが新刊台で目にしたことも、何も話していないのに、です。


その後、数軒の店でなかなか見つけられずにいた本のことを相談してみたんですが、正確な書名すら伝えていないのに、どの本のことかをすぐに理解して、店に何冊ぐらい入ったはずだ、どこどこにあるはずだ、と、まあ、その反応の速いこと、的確なこと。


ぼくは、本屋さんで本を探すこと自体が好きで、どこにあるんだかわからない本を探すのっておもしろいよね、ぐらいに思っているもので、多少迷うことになろうが、時間がかかろうが、まったく気になりません。その過程で、思わぬ本に出会えたりしますし、ふだん目にしないジャンルの棚を見ることになったりすることもありますしね。だから、よほどのことがないかぎり、書店員さんにたずねることはふだんはあんまりしないのです。でも、今回のようなプロの対応、プロの技が見られるのならば、たまには相談してみるのも、それこそ、そんなに探すのに困っているわけではないときでもあえて聞いてみるのもいいかもなあ、などと思いました。(もちろん、繁忙の時間帯に書店員さんの手間を増やすようなことをするつもりはありませんので、そのようなことをお願いしても大丈夫な状況だったり、頼んでも大丈夫な書店員さんがいたりする場合にかぎり、ということですが……。)


大きな書店や、知り合いのいないお店で、無名の1人の客としてふつうに買い物をするのももちろん楽しいのですが、こういう人たちがいるお店で、ある種のコミュニケーションをしながら本を買うことには、また別種の楽しさがあるように思います。


さて。「本屋さんで本を買うこと」に関連して、こんなツイートが続けて目につきました。まずは、作家の柳美里さん(@yu_miri_0622)。4/2付のツイートで、こんなふうにうったえています。


《本は、できたら、書店で買ってほしい。店頭に無い本は、注文して取り寄せられます。書店を潰さないために、お願いいたします。》


3月に高知でオープンした書店「うずまき舎」(‏@uzumaki_sya)さんは4/5付のツイートに、こんなことを書いています。


《本屋さんという場所が好きでした。単純に本が手に入ればいい、という訳ではなくて、本と出会うことを楽しみたいし、感触とか匂いとかその店のムードとか、そういうものが好きだから、店で買いたいのです。その店が来年も再来年もその場所にあって欲しいから、そこで買うのです。》


ぼくが本屋さんで本を買うのは、単に、本が買いたいから、それも、その場で手にとって見て買いたいから、です。気になる本、目に付いた本、買いたい本、読みたい本、欲しい本がたくさんあるので、それらを店頭で見たいし手に取りたい。となると、オンラインではそのような欲求が十全には満たされないので、結局毎日のように本屋さんに行くことになります。そして、経済のゆるすかぎり、気になったものは買ってしまう。それだけのことで、何も、本を買うときに、本屋さんをつぶさないように、などと考えているわけではありません。


ただ、自分がせっせと本屋さんに足を運び、買い物をすることでで、自分が利用している本屋さんが維持継続していけるのだとしたら、全力でそうしようと思いますよね。ネットで気になる本の情報を見つけても、ポチらない。次に、なじみの本屋さん、最寄りの本屋さんに行くときまで、その情報をとっておく、覚えておく、メモしておく。そんなふうにしていると、忘れちゃったり買い逃したりすることもあるわけですが、でも、逆に、店頭で新たな本に出会えたりもしているわけですから、何の問題もありません。


というわけで、これからも、昼休みには神保町の本屋さんに毎日顔を出そうと思うのです。会社帰りには、新宿や吉祥寺の本屋さんに寄って帰ろうと思うのです。ときおりは、通勤経路にない街、千駄木や国立や立川や池袋や、とにかくあちこちの街の本屋さんにも寄ろうと思うのです。


本屋さんは、実際に行くのも楽しいけど、さあ行くぞ、と考えるだけでも楽しい気分になりますよね。


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