空犬通信

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『荒野の古本屋』がおもしろい

古本や古本屋さんについて書かれた本はつい手にとってしまいますし、古本屋さんが書いた本というのも気になります。古本屋さんが書いたこんな本を、しばらく前に読了しました。



荒野の古本屋 書影

晶文社のシリーズ〈就職しないで生きるには21〉の第2弾として刊行されたもので、版元の内容紹介によれば、このような本です。


《東京・茅場町。およそ古本とは無縁と思える街の古いビルの一室。写真・美術の古書を専門に扱う「森岡書店」。国内外の写真集・美術書マニアから熱く支持され、併設のギャラリーは若いアーティストたちの発表の場としても注目されている。写真家や作家、ファッション関係者など、幅広い人々の新しい交流のスペースとして、これからの小商いのあり方として関心を集める“古本屋”はどのように誕生したのか!? 散歩と読書に明け暮れた頃、老舗古書店での修業時代、起業のウラ話、店舗運営の実際……。趣味と実益を兼ねてはじめた仕事だからこそ味わえるきびしくも充実の日々を、エピソード満載に描く》。


これ、ほんとにおもしろかったなあ。書き手の森岡督行さんは、内容紹介の文中にもある通り、森岡書店の店主。「写真・美術の古書を専門に扱う」お店の店主さんが書かれた本ですから、写真とか美術の話がもっといっぱいで、そちらにうとい身にはわからない話が多いのではないか、などと想像していたのですが、ページを開いてみたら、(もちろん、写真・美術の話はたくさん出てきはするのですが)こちらの想像とはぜんぜん違う内容で、写真・美術の門外漢が読んでも楽しいものになっていました。


ちょうどこの本を読んでいるときに、知り合いの書店員さんに会ったら、その方もこの本をたまたま読んでいる途中で、二人して、これおもしろいね!と、大いに盛り上がったりしたことがありました。ちなみに、その方も、とくに美術本・写真集寄りの方ではありませんでした。


カバー装画は、ミロコマチコさん。絵のタッチといい、色使いといい、なんというか「力」がありますね。帯(カバー?)の天地が微妙なサイズで表紙本体が少し見えているのも効いていて、店頭で目を引く装丁になっているように思います。本の本、古本の本をたくさん手がけてきた晶文社らしい感じが、中身だけでなく、外見からもあふれている、「本の本」です。


荻窪のブックカフェ6次元の店主、ナカムラクニオさんがこの本を紹介している文章が目にとまりました。「ブックカフェ6次元が選ぶ一冊:古書店主・森岡督行に学ぶ 就職しないで生きる術『荒野の古本屋』」(3/4 ガジェット通信)。


ナカムラさんは、同書をこんなふうに紹介しています。《古書店の修業時代、起業のウラ話が書かれています。経営のノウハウではなく、荒野のような古書店業界で生きているドキュメンタリーです。これから古本屋さんを始めたい人や、時代に流されない生き方、働き方に興味がある方は、ぜひ読んでみてください》。


また、こちらでは著者のインタビューが読めます。「荒野の古本屋」森岡督行氏(4/2 日刊ゲンダイ)。


「本の本」「本屋さんの本」が好きな方にはおすすめの1冊です。


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