空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

本屋さんの名前が消えてしまうということ

ツイッターに流れていた情報で、神楽坂にある文鳥堂書店本店が4/5に閉店することを知りました。


文鳥堂書店は、以前は飯田橋や四谷など、都内にいくつか店舗があったのですが、四谷はずいぶん前に、飯田橋も数年前に閉店してしまい、この神楽坂の本店が、唯一のお店だったようなのですが、その最後のお店が閉店になってしまうわけです。


文鳥堂書店は、飯田橋・神楽坂・四谷と、近接エリアにお店があったのですが、規模は小さいながら、それぞれに個性があり、大手のチェーンとは違った品ぞろえと存在感で、本好きや出版関係者にひいきの多いお店でした。ぼくは大学が四谷で、社会人になってからも四谷に少し縁があったものですから、四谷のしんみち通りにあったお店は、よく利用していました。好きだったお店の1つで、今でも印象に残っています。


文鳥堂書店本店は、神楽坂に用事がない身なもので、利用する機会こそ多くはなかったのですが、近くに行く機会があるときは必ず立ち寄るお店でした。ついこの前、2月にも神楽坂に用事があったので、ついでに訪問してきたばかり。そのときは、まもなく閉店という感じには見えなかったため、今回のニュースにはびっくりしてしまいました。飯田橋・神楽坂界隈は、新潮社など出版社が複数あり、取次のトーハンもありますし、大日本印刷も近くです。さらに、大学もあります。読者がいない街だとは思えません。このような街で、本屋さんがやっていけないとしたら、ほんと、さびしいことですね。
文鳥堂本店 1文鳥堂本店 2

↑2月に訪問したときの文鳥堂書店本店の様子。時間が遅かったので、写真がまっ暗ですが……。複数の出版社を抱える立地ということもあってか、店を入ってすぐの棚の一角に、校正必携やデザイン関連など、編集者向けっぽい本が集められていたりするのが目を引きました。このときは、文鳥堂書店、文悠の両方に寄り、ツイッターに《どちらも、久しぶりの訪問だが、けっこうお客さんが入っていて安心。町の本屋さんが町の本屋さんとして機能しているのを見ると、それだけでうれしくなる》などと書いていたのですが……。


書皮 文鳥堂

↑文鳥堂書店の書皮と言えば、実篤画のこれ。独特の味わいがあって、ファンも多いと聞きます。かけ方も、三方を折り込む独特のもの。写真で文庫の天地がはみ出て見えるのは、このとき購入した本がハヤカワ文庫だからです。もうこの書皮も目にすることがなくなるわけですね……。


先にもふれましたが、神楽坂には、文悠があります。まさに町の本屋さんというたたずまいのお店で、神楽坂関連本を売るお店としても知られています。同店にはぜひともがんばってほしいものです。


文悠 1書皮 文悠

↑2月に訪問したときの文悠。店頭に神楽坂関連本が、レジの周りには神楽坂のポストカードがずらりと並ぶ、まさに神楽坂の本屋さんという感じのお店です。書皮もいい感じですね。



昨年、多くの本好きに惜しまれながら閉店となった神戸の海文堂書店のように、単店の場合は、お店の閉店は、そのままお店の名前が本の世界から消えてしまうことになります。それはもちろんとてもさびしいことなのですが、この文鳥堂書店のように、かつては数店舗あったのが、だんだん数を減らし、とうとう最後のお店が閉店になってしまう、というパタンも、これまた本好き本屋好きにとっては、大変にさびしいことだったりします。


似たようなパタンで、最近だと栄松堂書店の件がありました。先月、3/23に、栄松堂書店蒲田東急プラザ店が閉店になりました。栄松堂書店も、かつては、東京駅構内など、都内に数店を展開するチェーンでしたが、いつのまにかその数を減らし、この蒲田のお店が、残っていた唯一のお店でした。ただ、この蒲田の栄松堂書店は、オークスブックセンターを展開する東京ブッククラブのお店でしたので、名前だけが残っていた、ということになります。


かつてはいくつものお店を展開していたのに、いつのまにかその数を減らしてしまった、ついにはお店自体がなくなってしまった、というケースは、ほかにもいろいろあります。たとえば、流水書房もそうですね。都内に、あれだけいくつもの、それもすてきなお店を展開していたのが、今では都内には1店もなく、残っているのは、名古屋のカインズモール名古屋みなと店だけでしょうか。


書店地図から、名前が消えてしまうこと……もちろん、チェーンの他のお店が残っていれば、減ってもいい、なくなってもいい、ということではありませんが、1つのチェーンが完全になくなってしまうというのは、やはり、なんとも言えず、さびしいことです。


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コメント

なんともはや

寂しいの一言。本屋の消える街か、栄松堂もねえ。

神楽坂の文鳥堂さん、行き付けの書店の一つでした。
店の規模の割に文庫や新書が充実していました。
文庫は、版元別ではなく、著者別に並べられていました。
本を買ってカバーを掛けてもらう時の店員さんの手際の良さが好きでした。
本当に残念です。

  • 2014/04/03(木) 18:12:49 |
  • URL |
  • 某版元営業 #-
  • [ 編集 ]

私は全国各地の書店を訪問していますが、
書店がなくなることも勿論さみしいのですが、
既存の店舗も書棚を削り、文具やらゲームやらCD売り場になったり、レンタルコーナーが大半を占めてしまったりなど、変わってしまう店舗を多々見てきました。

書店さん当事者にとっては死活問題ですから、仕方のないことなのかもしれませんが、存在している書店でも書棚が削られていくのもとてもさみしい気持ちになります。

  • 2014/04/03(木) 18:44:31 |
  • URL |
  • とある版元営業 #-
  • [ 編集 ]

お店の閉店

とある版元営業 さん>
某版元営業 さん>
雪珍亭雲痴 さん>
訪問&コメント、ありがとうございます。
本屋さんの閉店は、ブログで何度取り上げても
慣れっこになってしまうことはなくて、
やはり毎回さびしい思いをさせられます。

閉店にならないまでも、お店の中の様子が
変わっていってしまうことにさびしさを
感じてしまうのは、わかります。

ただ、いまの本の売上の数字を見ると
本以外の商材にもある程度力を入れなくては
ならないのでしょうね。

利用者としては、本の棚や売り場が減ってしまう
ことを嘆くよりも、お店を維持継続していく
ための工夫だということで、積極的に
応援するぐらいの気持ちでいたいなあ、と
個人的にはそのように思うようにしています
(などと言いながら、なじみの棚が
突然、文具や雑貨の売り場に変わっていたり
したら、さびしく感じたりしているのですが……。)

  • 2014/04/03(木) 21:42:18 |
  • URL |
  • 空犬 #-
  • [ 編集 ]

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