空犬通信

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『ニューヨーカー』のカバーアートを一挙収録……サンペのイラスト作品集が出ました

「カバーアート」の作品集で気になるものが立て続けに刊行されました。2冊、紹介したいと思います。



サンペ作品集 カバーサンペ作品集 カバー開き


版元の内容紹介を引きます。《名門誌「ニューヨーカー」の顔を30年飾り続けてきたジャン=ジャック・サンペの作品、約100点を一挙掲載!》《あたたかくてユーモラスでどこか懐かしいニューヨークの風景を、絵本『プチ・ニコラ』でお馴染みのフランスを代表する漫画家、ジャン=ジャック・サンペのイラストとともに旅してみませんか? フランスの国民的漫画家サンペの日本で初めての作品集です》。


サンペのロングインタビューのほかは、ひたすら作品を見せていく、シンプルな構成で、作品も、「ニューヨーカー」の表紙とイラストエッセイの「PAR AVION」のみと、サンペのカバーアートを存分に楽しめる作品集になっています。300ページ近い本で、図版はすべてオールカラーですから、3000円超の値付けも決して高いものではないでしょう。


「ニューヨーカー」のカバーアートを紹介するページは、見開きで、奇数ページの全面にイラストが掲載され、対向の偶数ページには、そのイラストが使われた号の書影が載っています。「ニューヨーカー」の表紙(表1)は全面にイラストが使われていて、雑誌のロゴや号数が入るだけのシンプルなデザイン。ほぼ同じといっていい絵が、見開きに並んでいるわけですが(書影のほうはサイズが小さめ)、実際の紙面を見てみると、並べて見せる意図が伝わってきます。


誌名ロゴが入ることをきちんと考えて描かれたイラストであることがよくわかりますし、誌名ロゴが入ると、つまり雑誌の表紙としてデザインされると、元のイラストの印象がどんなふうに変わるのか(または、変わらないか)も、原画とレイアウト後の表紙とが並べられると一目瞭然で、それぞれを単独で見るよりもおもしろいからです。


その意味で、サンペのイラストが好きな方はもちろんですが、エディトリアルデザイン、とくに雑誌のそれに関心のある方にも、楽しめそうな作品集になっています。



サンペと言えば、版元の紹介文にも出てきますが、やはり『プチ・ニコラ』。ぼくが昔読んだときは、『わんぱくニコラ』という邦題で出ていました。サンペについては、過去にこんな文章(サンペに関係のない話も多いのですが)を書いたことがあり、昔読んだ本のことなどにふれていますので、よろしければこちらもご覧ください。


版元のDU BOOKSは、音盤好きにはおなじみのCD・レコードショップのチェーン、ディスクユニオンの出版部門。ラインナップの中心は、音楽関連ですが、今回紹介したサンペの作品集のように、直接音楽に関連のない本も多く、広くカルチャーやアートなどにも幅を広げているようです。リアル店舗のディスクユニオン自体も、書籍のショップインショップ、ブックユニオンや、「「本のある生活」を楽しむためのブランド」、BIBLIOPHILICを展開するなど、音楽の枠にとらわれないものになっていますね。


音楽をベースに出版活動の幅を広げ、興味深い本を次々に出しているという点では、スペースシャワーネットワークや、次の記事で紹介する和田誠さんの作品集を刊行したアルテスパブリッシングといった出版社とも通じるものを感じます。今後の出版活動が楽しみな版元です。


もう1点、和田誠さんの作品集については、稿をあらためて。


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