空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

デパート古本市はやっぱり楽しいなあ

先日、2/20まで開催されていた「リブロ池袋本店 春の古本まつり」に行ってきました。


リブロ古本まつり2014


会場は、いつもと同じく、西武池袋本店別館2階、西武ギャラリー。会場をうろうろしていたら、この古本まつりを担当しているという、リブロのTさんにばったり会った(というか、見つかってしまった(笑))ので、いろいろ話をうかがいました。Tさんによれば、この古本まつり、なかなか好調・好評のようで、売上も上がっているのだそうです。本の売れ方の話というと、必ず売れない、厳しいという形容になるこのご時世に、すごいことですよね。


Tさんによれば、「黒っぽい」本がけっこう売れるのだとか。当然、客単価も高めになっているようです。古本市が好調な理由として、Tさんは、古くからある従来型の古本屋さんと若い方が始めた最近のお店がバランスよく混ざっていて、品ぞろえに幅が出ていることがあるようです。(その点については、この古本市の中心的な存在のお店、古本うさぎ書林さんの采配によるところが大きいようです。)


会場をひと回りして、会場内の棚の様子を見ると、Tさんの話、なるほどなあ、とうなずけます。出店各店の棚に個性があって、続けて見ていてもあきません。それに、黒っぽい、古本らしい古本が多いのも、古本好きにはうれしいところ。もちろん、それなりにいい値段のついたものが多いのですが、いかにも古そうな、それなりの値段がついていそうな見かけの本にも思いがけず安いものがけっこうあったりするので、あちこちから本を引っ張り出して、中身と値段とを確かめるのが、とにかく楽しい。


この古本まつり、デパート古本市の仲間に入れていいと思うんですが、現在、都内のデパートで、この規模の古本市を継続しているのは、この西武のほかには、東急渋谷と新宿京王ぐらいしかありませんからね。前者は、前回から、少し規模が縮小になってしまったのは、以前にツイッターでもふれた通り。あと、銀座松屋もありますが、規模的は小さめですね。


この西武の古本まつり、幸い、好調とのことですから、すぐになくなってしまうようなことはないでしょう。ぜひ今後もがんばって続けてほしいものです。会期終了後の紹介なので、ぜひ見に行ってくださいとは書けないのですが、西武の古本まつりは年に2回開催されていますので、古本好きで見逃していた方がいらっしゃたら、次(いつも通りだとすると、夏)の開催時はぜひ足を運んでみてください。


ここで、今回の収穫を少し。(いろいろ買ってきたんですが、以下は、その一部です。)



書かれない報告 書影書かれない報告 サイン

↑電子書籍版の刊行が進む後藤明生。大好きな作家の1人で、主要単行本はほぼ全部そろえちゃったんですが、サイン本を見つけると、買ってしまいます(その場合、手元の非サイン本は手放します)。後藤明生は古書価の高い作家で、サイン本も、タイトルによってはけっこうな値段になっていることが多いんですが、本書は、写真にある通り、宛名が削られているせいか、非サイン本とあまり変わらない値付けでした。


加藤直之画集

↑『加藤直之画集』『加藤直之画集II』。ラピュータから画集も出ていますが、この朝日ソノラマのが欲しかったんですよねえ。SFアート好きにはうれしい買い物。1つだけ残念なのは、この画集、第3巻も出ているんですが、1巻と2巻のみのセットだったこと。


倫敦巴里

↑まもなくLPジャケットアートワークを集めた作品集が刊行される和田誠さんの『倫敦巴里』。別にめずらしい本ではなく、割によく見かけるし、古書価も低めなんですが、これ、誰かが、「探してるんですよ」と言ってたので、棚で見かけると毎回気になっちゃんうんですよねえ(もちろん、自分用の本は大昔に入手済)。ただ、困ったことに、探しているのが誰だったのか、思い出せない……。どなたか、空犬に、この本、欲しいんだ、探してるんだ、なんて話をした方、いらっしゃいませんか……。


迷ったり、値段的に手が届かなかったりで買えなかった本もたくさんありました。成田亨の本とか、野呂邦暢のサイン本とか。にわとり文庫の棚に並んでいた昔の児童書には心ときめくものがたくさんありました。ハーフノートブックスの棚は、今回に限ったことではありませんが、いつ見てもため息の出るものばかり。水谷準の『獣人の獄』とか、ふつうに棚に並んでいたけど、46,000円だったかな。さすがに、ページを開く手が、ちょっと緊張で震えますよね(笑)。


まあ、古い探偵小説には10万を超える高額本だってごろごろあるので、そんなにものすごい額の本ではないけれど、4万円もする本が、2000円ぐらいの本と隣合ったりしているのを見ると、なんだかおかしくて、これが古本のおもしろいところだよなあ、などと当たり前のことを思ったりします。で、古本屋さんや古本市の棚を見るのがまずます楽しくなる、というわけなんです。


(追記)古本の話題ついでに、ちょっとふれておきます。昨秋、《業績不振に伴い、ブックオフの既存店20店舗の閉鎖も決めた》などと苦戦が報じられたブックオフ(関連記事は、「ブックオフ、今期純利益が半減に 既存店不振で下方修正」(2013/10/25 日経新聞))。そういえば、たしかに、Webやツイッターであちこちの閉店セールの話題を見かけるなあ、などと思っていたら、我が街、武蔵野でも、武蔵野緑町店が2月末に閉店となるそうです。


2月の初めごろからずっと閉店セールをやっていたようなんですが、セールは一度ものぞいたことがありませんでした。今日、店の前を通りかかったので、ちょっとのぞいてみたら、なんと、本は105円の商品も含めて全品70%オフ、500円以上の単行本はすべて150円などと、なんだかすさまじいものになっていて、びっくりしました。


棚はがらがらだし、おそらくめぼしいものは目利きに抜かれてしまっているでしょう。でも、まだ本はけっこうたくさん残っています。だから、見る人が見れば、楽しめるかもしれませんし、いい買い物もできるかもしれません。実際、店内はけっこうな人でにぎわっていました。でも、ぼくは、なんというか、棚を見ていて、すごくさびしい気分になってしまい、楽しい気分になるどころか(ぼくは、ふだん、本が並んでいるところを目にするだけでうれしくなるタイプの人間です)、気落ちして店を出ることになりました。つい先日、とても楽しい楽しい時間を過ごせた古本市の会場と、同じ古本を扱う空間とは思えないぐらい、雰囲気が異なるものだったからです。あまり感情的・感傷的な書き方はしたくないのですが、並んでいる本たちが、なんともあわれに見えてしまったのです……。


スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://sorainutsushin.blog60.fc2.com/tb.php/2220-a126e3c4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad