空犬通信

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ブックファースト梅田、ブックスゴロー……新刊書店の開店・閉店いろいろです【更新】

2014年、最初の書店の開店・閉店関連情報のまとめです。前回、昨年末に、年末年始の件をまとめて紹介しましたので、今回は数はあまりなく、オープンが一件もなかったりするのですが、大きな閉店ニュースがありますので、それを中心にご紹介したいと思います。(店名の後ろのかっこ内の数字は坪数。)


●リニューアル


  • 2/21 ブックファーストルミネ大宮店(埼玉県さいたま市)

●閉店


  • 2/28 ブックファースト梅田店(530;大阪府大阪市)

今回は、ブックファーストが2件です。まずは、大宮店の移転から。公式サイトに案内が出ています。「ルミネ大宮店 フロア移転に伴う一時休業のご案内」


内容を引きます。《ブックファーストルミネ大宮店は、ルミネ大宮館内において店舗を移転することになりました。移転工事に伴う一時休業の日程は下記の通りです。移転先の詳細は、ルミネのリニューアル告知とあわせて発表させて頂きます》。


日程は、画像になっているので、そのまま引用できませんが、2/1〜2/20が一時休業、2/21がリニューアルオープンとあります。


大宮店は、JR大宮駅に隣接するルミネ大宮店内にあるお店。ごく簡単なものではありますが、以前、大宮の書店のレポートをまとめた際に、同店の様子についてもふれています。こちら。大宮では、昨年、ジュンク堂書店がLOFTから高島屋へ移転リニューアルしていますが、それに続く移転リニューアル。こちらは館内移動ということですが、店舗サイズがどうなるのかが気になるところですね。


続いて、こちらはちょっとショックなニュースです。「梅田店 閉店のお知らせ」


公式サイトの案内を引きます。《ブックファースト梅田店は、2014年2月28日(金)をもちまして営業を終了いたします。2004年4月の開業以来、多くの皆様にご愛顧いただき誠にありがとうございました。閉店に伴い、3F リビングカフェにつきましても、2014年2月28日(金)をもって営業を終了いたします》。


ブックファースト梅田店は、新阪急ビル1〜3階を占めるお店。超のつく大型店がひしめく大阪中心エリアにあっては、現在の感覚からするとサイズ的には控え目に見えてしまいますが、530坪もあります。


ブックファースト梅田店は、当方が大阪を離れてからできた店ですが、大阪では必ず顔を出すお店の1つで、ブックンロールの第1回で、同店発行の書店フリペを配布させてもらい、それがきっかけで同店の方と縁ができたりと、個人的な思い出もたくさんあるお店です。過去の記事で、お店の様子を紹介したこともあります。こちら。ちなみに、この記事、2010年に書いたものですが、ブックファーストはトーハン傘下になる前で、旭屋書店本店も健在のころでした。


御堂筋をはさんだ向かいあたりには、以前は、旭屋書店本店がありました。阪神百貨店の周辺、駅でいうと地下鉄東梅田駅の近くの大型書店2つが、2年強の間に続けて閉店ということになってしまいました。ほかにもいろいろ書店があるではないか、と思われる方もいるかもしれませんが、ブックファーストがあるあたりからは、紀伊國屋書店もジュンク堂書店もちょっと離れていますから、同店を日常的に利用していたお客さんはやはり不便な、そしてさびしい思いをすることになりそう。大型店ではありませんが、近くには、清風堂書店と旭屋書店梅田地下街店がありますから、ぜひそれらのお店を利用していただき、本を買うという行為自体から離れてしまったりがないことを祈るばかりです。



ブックファーストのルーツは、阪急電鉄の直営書店。関西で生まれた書店ですから、梅田店と言えば、そのチェーンの旗艦店の1つ、関西の顔とも言うべき存在だったはずです。そのような店が閉店になるというのは、大阪の本好き・関係者にとっては、たとえば、関東でいうと、渋谷店の閉店が報じられたときのような、それぐらいのインパクトなのではないかと想像します。


跡地がどうなるのか、は報じられていませんし(*追記あり)、梅田店に代わる大型店が関西、とくに梅田店を失う大阪にできるのかどうか、などについても報道がありませんので、くわしいことはわかりませんが、閉店後のことも気になるところです。


書店の閉店関連では、こんな気になる記事もありました。「アマゾン、売上高1兆円の衝撃〜疲弊するリアル書店に家電量販店、止まらない雑誌販売減…」(1/16 Business Journal)。


タイトルだけを見ると、またいつもの、かつ、よくある「出版不況が叫ばれるなか、新刊書店には厳しい状況が続いている云々」みたいな記事なのかなあ、と思って読み始めたら、こんなふうに始まっていました。冒頭部分を引きます。


《ぱっと見には、雑誌が売れないと嘆く出版界に朗報かと思える。1月13日付「日経MJ」(日本経済新聞社)の『サミット、雑誌売り場 品ぞろえ充実〜棚増やし200種類』という記事だ。雑誌が売れるから書店のスペースを増やすのだろうか? それともブックスゴローという名称の書店事業を行っている大手スーパー・サミットは、ブックスゴローを増やすのだろうか? と思いきや、そうではなかった。別の記事で「書店事業からは撤退」とも掲載されているように、サミットはブックスゴロー事業から撤退するのだ。》


《サミットはブックスゴローを展開し、独立店やスーパー併設店を運営してきた。しかし、書籍販売自体が振るわないうえ、スーパーとの買い回りも悪いこともあって、2014年内に書店事業から撤退することを決めた。》


サミットの公式サイトによれば、ブックスゴローは本稿執筆時点で9店舗あるようですが、年内に書店事業から撤退ということは、これら9店がすべて閉店になるということでしょうか。


立地的に縁の薄いエリアにあるため、仕事でも私用でもそれほど利用する機会のないチェーンだったんですが、西東京市にあるブックスゴロー向台町店は、近くに多摩湖自転車道があるため、たまに家族で散歩ならぬ散輪に出かけたついでに、買い物に寄る機会がありました。


スーパー内の書店ですので、客層は主婦層、ファミリー層。レイアウト、品ぞろえ、フェアなどに特筆すべきものがあるわけではないのですが、買い物ついでに家族で寄るにはちょうどいいサイズと品ぞろえのお店でした。親が買い物をするときに、子どもを1人で残しても大丈夫なお店というのはそんなにはないと思うのですが、その点、やはり書店は安心です。とくに、レジのすぐ前に、子ども用の読書テーブルのある同店は、防犯上の配慮も行き届いています。我が家でも、買い物の間待っててもらったり、一緒に本を読んだりしたもので、予定になかった本を買って帰ることになったことも一度二度ではありません。これって、まさに「町の本屋さん」ですよね、機能としては。


《代わりに、これまではレジ近くに女性誌など約40種類を置く程度だった雑誌売り場を拡大。会計も食品などと同じにして、買い回りしやすくできるうえ、人件費もカットできる。「新店や改装店では、漫画雑誌やファッション誌なども含めて200種類程度を販売する。消費者の来店動機につなげると同時にイートインスペースで、購入した雑誌を読みながら軽食を取るといった相乗効果を目指す」ことにしたのだ。》


《事実上、雑誌はコンビニでほかの商品のついでに買われるように、サミットにおいても「ついで買い」の対象商品となるのだ。なお、ブックスゴロー閉店後は、100円ショップなど集客力のあるテナントを誘致するという。》


先に、「特筆すべきものがあるわけではない」などと書きましたが、これは別に批判していっているわけではありません。立地や客層を考えれば、あちこちがでこぼこだったりとんがったりしていないのはむしろ当然のこと。ただ、こちらが勝手に思っていたよりは、考えた配置・品ぞろえの工夫がされていたようで、同チェーンのことを調べていたら、こんな記事を見つけました。「ブックスゴロー『南加瀬(みなみかせ)店』開店のお知らせ」


2005年に神奈川県川崎市にできたお店の開店告知ですが、そのなかに、サミットの書店事業にふれた、こんなくだりがありました。


《《書店事業の概要》
書店事業は、当社がスーパーマーケット経営で培ったシステムやノウハウを活かすことのできる新しい事業のひとつとして、1987年に1号店を開店いたしました。2004年度の売上高は約20億円となります。》


《《店舗の特徴》
1. これまで150坪タイプの単独店を中心に導入している、ブックスゴローの特長のひとつである『雑誌コーナーの壁面レイアウト(※1)』を50坪タイプの店内店へ初めて導入しました。同時に雑誌の品揃えを充実させ、見やすく、選びやすく、買いまわりしやすい売場を実現しています。
※1 通常の書店では、店内入口付近に雑誌コーナーを、店内奥に書籍売場を配置していますが、ブックスゴローでは、お客様の回遊性を高めるため、マグネットとなる雑誌を壁面に配置し、書籍売場を店内中心に配置しています。更に、その効果を高めるため、壁面に沿ってメイン通路を設けています。》


《通常の書店では》とするからには、新刊書店の店内配置や品ぞろえの関係をそれなりにきちんと調査したうえでの特徴出しだったんですね。チェーンのお店で、実際に利用したことがあるのは1店だけなので、このような方針が全店でどの程度徹底されたのかはよくわかりませんが、このようにきちんと考えて店舗運営されてきた「書店」なのであれば、なおのこと、今回の撤退は残念な気がします。


ところで。同チェーンのキャラクターとして、ペンギンのイラストが使われているのですが、この絵、見たことあるよなあ、と思って調べてみたら、描いたのは「あさりちゃん」の室山まゆみさんでした。



追記(1/20):ブックファースト梅田店の件について、文中で、今後のことは報じられていないとしましたが、再開発の関連であることを、記事を読んでくださっている複数の方から教えていただきましたので、補足します。昨年、このような新聞記事が出ていたようです。「阪神百貨店本店を建て替えへ 14年度にも着工」(2013/1/4 日本経済新聞)。


記事の一部を引きます。《阪急阪神ホールディングス(HD)は阪神百貨店梅田本店(大阪市)が入る大阪神ビルを建て替える方針を固めた。隣接する新阪急ビルと一体で再開発し、新たに高層ビルを建設する計画で、2014年度にも着工する》。


お店の単体の事情ではなく、エリアの再開発の事情によるものだったんですね。なるほど。旭屋書店のケースと似ていますね。再開発後の建物については、以下のようになっています。《新たなビルは最大190メートルの高層ビルとなり、阪神百貨店のほか、企業のオフィスなどが入る見通し。地下に位置する阪神電気鉄道の梅田駅も合わせて再整備する。完成までには10年程度の期間がかかる可能性がある》。


旭屋書店は、新ビル完成後に入る予定であることが報じられていますが、ブックファーストのほうは、その点についてはふれられていません。完成に10年ほどもかかるかもともありますから、既存の店舗がそのまま入居というのは考えにくい感じですね。


再開発については、こちらにも詳細があがっています。「「大阪神ビル&新阪急ビル」の建て替え 「梅田1丁目1番地計画ビル(仮称)」の詳細発表!」(2013/3/28 陽は西から昇る! 関西のプロジェクト探訪)。



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  • 2014/01/20(月) 10:02:32 |
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ブックファースト梅田店の件

ブックファースト梅田店の件、
情報、ありがとうございました。他の方から
いただいた情報と合わせ、本文に追記しました。

  • 2014/01/20(月) 22:32:56 |
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