空犬通信

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「ほんまに」15号……特集は1冊まるごと街の本屋さんと海文堂書店

昨年、刊行が告知されてからずっと楽しみにしていた本が、年末に届きました。



ほんまに15 書影

特集は「新刊書店と本の話[街の本屋]海文堂書店閉店に思う」。1冊丸ごと海文堂書店と街の本屋さんの記事です。一日も早く読みたくてしかたがなかったので、年末に本が届いたときは、送ってくださった「くとうてん」さんへのお礼のメールも、ツイッターでの受領報告も後回しにして、一気に読んでしまいました。これ、今後、「街の本屋」さんのことを考えるときには、必ず思い浮かべる1冊になるだろうなあ、などと思いながら。


今回の特集には、同店を長く利用してきた方、同店にフェアなどで縁のあった方、同店の姿を絵や写真で記録にとどめた方、本で取り上げた方、とにかく、同店に関わりのあったたくさんの方が文章を寄せています。どの方の文章も、海文堂書店、それに街の本屋さん自体への思いに満ちた印象的なものばかりで、流し読みを許しません。


どのような方が寄稿されているかは、サイトに目次が出ていますので、そちらをご覧ください。実は、私もそうした寄稿者の末席に名を連ねているのですが、周りの方の文章がすばらしいだけに、自分の駄文が、ほんと、はずかしいかぎりです……。嗚呼……。ところで、この錚々たるメンバーのなかで、なぜトップバッターが「夏葉社 島田潤一郎×空犬太郎」の[『本屋図鑑』編集部と海文堂書店]なんでしょうね。なんだか、図々しいような、申し訳ないような気も……(厳密にいうと、本のなかほどでふたたび登場する、編集者・石井伸介さんが巻頭言を寄せていますが、本文としては本屋図鑑編集部2人のものが最初、ということです)


いずれも読ませる文章、考えさせられる文章ですが、なかでも、高田郁さんの一篇が個人的にとても印象に残りました。半年ほど前に、惜しまれつつ閉店したばかりのお店についての文章を集めた1冊です。湿っぽくなりがちな、そんな閉店書店の特集号に、ユーモアあふれる、すてきな文章を寄せていらっしゃいます。



高田郁さんといえば、「非カリスマ書店員座談会2─希望の書店員論」が掲載された「ほんまに」vol.12に「特集◎髙田郁さん特別寄稿「〜どんだけ○○○が好きやねん〜」」を寄せた方です(こちらも、大変におもしろい)。同店との関わりも、同店への思いも、ぼくのように遠くから気にしていただけの書店好きとはぜんぜん違うわけです。さすがだなあと、うならされました。


海文堂書店は神戸の本屋さんですから、寄稿者には地元の方、関西の方が多いのですが、そのなかに、なんと4人も吉祥寺関係者が混じっています。吉祥寺の出版社、夏葉社の島田さん、吉祥寺の書店、BOOKSルーエの花本さん、そして吉祥寺(武蔵野)在住の編集者、石井伸介さん(神戸に地縁のない、東京在住の出版関係者で、こんなにも神戸と海文堂書店とに思いの強い人をぼくはほかに知りません)とわたくし、空犬。ほかにも、吉祥寺ではないものの、同じ中央線沿線にお住まいで、吉祥寺書店員の会「吉っ読」にも縁の深い作家、碧野圭さんも寄稿されています。神戸の書店の特集号に、こんなにたくさんの吉祥寺周辺の書き手が参加していることを、ぼくはとても、うれしく、そしてちょっとだけ、誇りに思ったりするのです。


「ほんまに」15号には、BOOKSルーエ花本氏が作成したフリーペーパー「海文堂の伝言」が全ページ掲載されているほか、夏葉社の写真集『海文堂書店の8月7日と8月17日』の写真を担当された、キッチンミノルさんの写真も掲載されています。フリーペーパーはルーエでしか手に入りませんし、写真集は完売です。そんな入手しづらい海文堂の記録、それもすばらしい記録を両方見ることができる(キッチンミノルさんの写真はモノクロ数点ですが)チャンスでもあります。フリペと写真集を見逃している方は、ぜひ「ほんまに」を手にされるといいと思います。


「ほんまに」15号を読むと、本屋さん、それも、地元の本屋さんにすぐにも駆けつけたくなります。本屋さんが好きな人、本屋さんに関心のある人に、広く読まれるといいなと、心から思います。


どこでも売っているという雑誌ではありませんので、本書の取り扱い店については、、サイトでご確認ください。ツイッター、海会カイエ(@cahier_books)1/6付ツイートによれば、取扱店は以下のようになっていました。《「ほんまに」は・ジュンク堂三宮店 トンカ書店 ワールドエンズ・ガーデン ブックスカルボ ・ 紀伊國屋書店梅田本店 丸善&ジュンク堂書店梅田店 長谷川書店 ・善行堂・岐阜 徒然舎・名古屋 ちくさ正文館 七五書店 ・東京 NR出版会事務局 リブロ池袋本店 ・トマソン社販売中です。》


その後のツイートでは、《往来堂書店さん、京都・恵文社一乗寺店さんとともに、静岡の水曜文庫さんが『ほんまに』を取り扱ってくださることになりました》と報告されています。街の本屋さんを考えるうえで、今後、重要な1冊になると思われる本です。取扱店が増えるといいですね。サイトでは通販も対応しているようですので、取扱店が近くにない場合は、そちらをどうぞ。


というわけで、『ほんまに』15号、書店に関心のある方は、ぜひ手にとってみてください。


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