空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

写真集、書斎、昭和の出版、書店特集雑誌……本の本、本屋本のいろいろ

(広義の)本の本、本屋さんの本の紹介、続きです。



on readingポストカード

『読む時間』は、本好きの間で長く愛されている写真集"On Reading"の日本版。今回の版、谷川俊太郎さんが書き下ろした「読むこと」という詩が巻頭に掲載されているとのこと。ちなみに、『On Reading』は、以前、マガジンハウスから『オン・リーディング』の書名で、日本版が出ていましたね。『On Reading』はぼくも大好きな写真集で、この本(原書)については、もうずいぶん前ですが、こんな紹介文を書いたこともあります。


写真は、先日参加した人文会でお会いした創元社の方からいただいた『読む時間 ON READING』のすてきなポストカード。


副題が気になる『日本語に生まれて』は《すみません,本屋さんはどこですか.世界中どこにいっても,必ず訪れるのは本屋さん.南太平洋諸島からロンドン,エストニア,オーストラリア,どこへ行ってもそう訊きながらめぐり歩く旅の中で,見えてきた「日本語」の姿とは? ユーモア溢れる文章にのせて,世界の中の「私たちが今いる場所」へと,深い問いを投げかける》というもの。書店がメインテーマの本ではないのかもしれませんが、読んでみたくなる1冊です。


『街を変える小さな店』は京都の書店・恵文社一乗寺店の店長、堀部篤史さんの著書。《京都の人気書店「恵文社一乗寺店」の店主が、自身にとって「地元になくてはならない」「京都らしい」と感じる個人店の現場を見直し、街の本屋が生き延びるヒントを探る》という1冊。



『ミニ書斎をつくろう』は書名の通りの内容で、《書斎がほしいが、家には空いている部屋がない。それなら、自分で「ミニ書斎」をつくってみてはいかがだろうか。独立した書斎を持つことができなくても、廊下やリビングの一角を利用すれば、書斎は手に入る。ただの通路でも机・椅子・書棚さえ置けばそこは自分だけの空間になるのだ。数々の狭小住宅を手がけ、ミニ書斎づくりに詳しい建築家が、たった1畳・1万円の予算から、押入れや階段下、寝室の一部などの空きスペースを書斎化するアイデアを紹介》という1冊。著者は狭小住宅を得意とする建築家。


『昭和の出版が歩んだ道』は、《激動の時代を”昭和の出版が歩んだ道”で学ぶユニークな出版史》という内容で、目次には「昭和出版史探訪」「昭和の出版今昔物語」「出版流通と技術革新」「取次盛衰記」「出版社盛衰記」といった見出しが並び、そのなかには、書店派には気になる「書店盛衰記」といった章もあります。目次を見ると、「新文化」掲載の「消えた書店」も収録されているようですが、能勢さんの単著『本の世界に生きて50年』との重なりはないのでしょうか。


『本ってなんだっけ? 紙の本に未来はあるか』は、なんともストレートな書名ですが、《不振が続く出版界に展望はあるのか。電子書籍対紙の本の行方は。直面しているさまざまな問題を現場を取材して鋭く突いた話題の書》なのだとか。


『「いいね!」が社会を破壊する』は書名だけではわかりませんし、《すべてのモノと情報が、ネットのプラットフォーマーに呑み込まれていく。「いいね!」をクリックするたびに、われわれは知らず知らず、自分の首を絞めているのではないか? より快適な、より便利な生活を追い求め、「無駄」の排除を続けた果てに生まれるのは、皮肉にも人間そのものが「無駄」になる社会……。ネットの進化が実社会にもたらすインパクトを、「ビジネスモデル小説」の第一人者が冷徹に見据える》という内容紹介を見てもそれとはわからないし、「素早く動き、破壊せよ!」という章題を見てもよくわからなかったりするのですが、この第2章では日米の書店事情、オンライン書店とリアル書店の問題などについてふれられています。


内沼さんの『本の逆襲』は、《出版業界の未来は暗いかもしれないが、本の未来は明るい。本はインターネットもスマホもSNSもイベントも、すべてのコンテンツとコミュニケーションを飲み込んで、その形を拡張していく。「本と人との出会い」を作る型破りなプロジェクトを次々と立ち上げ、話題の新刊書店、下北沢「B&B」でメディアとしての本屋を実験する若きブック・コーディネーターが、新しい本の可能性を指し示す。形が見えないからこそ、明日の本も本屋も面白い》という内容。


numabooksの情報によれば、すでに浜松と新潟でトークイベントが決まっているようです。さらに、《全国の書店さんをまわってトークイベントをしたいと考えています。開催にご興味を持っていただいた方は、hello[ATMARK]numabooks.com まで、お気軽にご連絡ください》とありますから、ご興味のある書店さんはコンタクトを取られるといいでしょう。


『ツール・ド・本屋さん』は《全国書店巡りコミック第2巻》。《今回のメイン企画は、「大泉洋さんに夢中編」! 大泉洋さんのエッセイ集「大泉エッセイ」のカバーイラストをあだち充先生が執筆することになった経緯から〈あだち充×大泉洋〉夢の対談の様子まで完全収録! さらには何故か横山裕二が北海道一周をして「探偵はBARにいる2」を観続けることになる過酷企画に発展》という内容だそうです。第1巻は、楽しく読みましたが、書店本好きが書店レポ的なものを期待して読むとちょっと物足りなく感じるかもしれないノリでしたが、今回はどうでしょうか。


『本を愛しすぎた男 本泥棒と古書店探偵と愛書狂』は、「本」が2回、「書」が2回、「愛」が2回も入っていて、字面のインパクトがすごい書名ですね。内容は、《稀少古書のみ数百冊を巧妙な手口で盗み続けた「本を愛しすぎた男」と、彼を追う古書店主にして熱血素人探偵のデッドヒート! 古今東西の本泥棒たちの驚きのエピソードも交えて描く、古書をめぐる手に汗握るノンフィクション》。「本泥棒」の話を心穏やかに楽しめるかどうかはちょっと微妙な感じもしますが、とても引かれる内容ではありますね。


角田光代さんの『私たちには物語がある』は《本好きの作家がつづる、心躍る読書エッセー》。《この本は、まるごと物語にのみこまれることの至福に満ちた、すべての本とすべての本を必要とする人へのラブレターだ》という内容。


雑誌の書店関連特集もいくつかあります。



町から本屋が 書影

『本の雑誌』、特集は「町から本屋が消えていく!?」。《神戸海文堂書店の最後の1日を追う密着ルポから、東京の本屋地図の変遷、永江朗の町の本屋論に札幌と新潟の町の本屋からの報告、本屋さんを応援する座談会に1日書店員体験記、そして読者の徹底討論アンケートまで、書店と本屋のありかたを問い直す28ページの総力特集》。青山ゆみこさんによる「海文堂書店の長い一日。」は必読。座談会は、『本屋図鑑』の島田潤一郎さん、『名物「本屋さん」をゆく』の井上理津子さんと『離島の本屋』の朴順梨さんと、本屋さん本の書き手3人によるもの。


『ほんまに』、復刊第一号となる第15号。特集は「新刊書店と本の話 [街の本屋]海文堂書店閉店に思う」。海文堂の平野さんが、「ほんまに日記」の「ほんまに 第15号」で、こんなふうに紹介しています。《売れっ子美女作家複数参加。難解学者に切れ者編集者、女子の古本屋、現役男前&美人で才女書店員に、ポンコツ元書店員……、特選ミソと少しだけク○がごった煮、「ほんまに」でしか、「ほんまに」だからこそ、のラインナップ。詳細続報》。《なかよしの本屋さん、古本屋さんに置いてもらえるようお願いをします》。


《予約受付は今のところ「くとうてん」サイトのみです》とのことです。サイトはこちら。ちなみに、わたくし空犬も寄稿させていただきました。


『スケープス』は、サイトの案内によれば、《「まだ見ぬ風景に出会いたい」そうした気持ちは、人生の時間を積み、さまざまな風景を得て、さらに強くなってゆくようです。いわば、旅は人生の好奇心そのものなのかもしれません。そんな好奇心に応える雑誌、それが 'Scapesです》という、旅の雑誌です。隔月刊で、現在は12月号が発売中ですが、来年1/4発売の次号、第6号の国内特集が、書店がらみのものになっています。《国内特集は岡山。本屋さんやギャラリー、カフェなどを巡り、本にかかわる人々と出会います。"本を通して楽しむ旅"の提案です》。この特集記事のテキストを担当しました。くわしくは、稿をあらためて紹介します。


次の『ROOST』は、賃貸住宅情報CHINTAIが発行するライフスタイル誌。雑誌は季刊で、次の1月発売の号が、書店特集のようです。関連記事はこちら、「CHINTAI情報局:CHINTAIがライフスタイル雑誌「Roost」を発売!」。こちらは、発売になりましたら、あらためて取り上げます。


小説にも本・書店関連のものがいつくかあります。フィクションまでは正直追いきれないのですが、目についたのを少しだけ。紹介も、版元の内容紹介を引くだけにします。



『最近、空を見上げていない』は、《ひとりの出版社営業マンが出逢う、4つの優しい物語》。《その書店員は、なぜ涙を流していたのだろう―。ときにうつむきがちになる日常から一歩ふみ出す勇気をくれる。本を愛する人へ贈る、珠玉の連作短編集》。


『書店員の恋』は、《お金と愛、どっちが大事?」―自分の店を持つという夢に向かってアルバイト中の恋人とベストセラー作家。2人の男性の狭間で揺れ動く女性のピュアな恋の物語を描いた、ベストセラー『愛人の掟』著者による話題作》。


『書楼弔堂 破暁』は、《書店を舞台に月岡芳年、泉鏡花、井上圓了、勝海舟ら、江戸の面影が残る明治を生きた人々を描く新シリーズ!》。


以上、新旧硬軟、既刊近刊とりまぜて、ざっと紹介してきましたが、こうして見ると、広義の本の本、そして本屋さんの本は、ほんとにたくさん出ていますね。網羅的にチェックしているわけではありませんから、専門書なども含めてこまかく探せば、まだあるでしょう。近刊のうち、うちのいくつかについては、刊行されましたら、またあらためて取り上げたいと思います。


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