空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

書店レポートがこんなに!……そして池袋の天狼院書店を見てきましたよ

「本屋はやっぱりおもしろい!」……そのことを少しでも伝えられたら、という思いで、あちこちの書店を訪問しては、へたくそな訪問記をブログにアップするというのをこれまでなんとなく続けてきたわけですが、誰にどう届いているのかもわかりませんし、それはただの自己満足ではないかと言われればまさにその通りなので、ならば、自分で記録をとったり写真を管理したりして楽しめばいいのではないか、何もこんなに時間をかけてblogにアップする必要はないのではないか、などという気もして、ため息をついたりすることも多い空犬です。


さて、そんな軟弱な書店レポの書き手にとって、大変に気になる書店レポの連載が、最近いくつか続けて目につきました。取材にかける情熱も文章力も当方のそれとは比べものにならないぐらいに力の入った書店レポートなので、まとめてご紹介します。



「本屋探訪記」は、《BOOKSHOP LOVER=本屋好きがお届けする詳細な本屋レポ。本屋が好きならここに行け!》という書店訪問レポート。第1回目は京都の三月書房、第2回目は大阪のスタンダードブックストア、第3回目は、東京・渋谷のSPBSが取り上げられています。


著者のwakkyhrさんは、《本屋開業を目指す本屋好きサラリーマン。ブログ「BOOKSHOP LOVER」を中心に活動。このほか、電子雑誌「トルタル」や本と本屋とつながるWebラジオ「最初のブックエンド」、本を贈る文化をつくる活動「贈本計画」に参加。「Cannes Lions 2013 Book Project」ではプロデューサーを務める。理想の本屋さんを開くべく本の世界で縦横無尽に活動中。好きな作家はクラフト・エヴィング商会。一番好きな本屋は秘密。ネット書店を近日中に開店予定》という方。


「週末の旅は本屋さん」は、《新幹線や飛行機に乗らなくても、いとも簡単に未知のワンダーランドへと飛んでいける場所がある。それは書店。そこでは、素晴らしい知的興奮に満ちた体験があなたを待つ。さすらいの書店マニア・小寺律さんが、百花繚乱の個性を放つ注目の本屋さんへとナビゲートします!》というもの。連載媒体が、女性誌CREAのサイトというのが書店ものとして異色な感じです。


著者の小寺さんは、《本と本屋さんと、お茶とお菓子(時々手作り)を愛する東京在住の会社員。天気がいい週末には自転車で本屋さん巡りをするのが趣味といえば趣味。読書は雑読派、好きな作家は、小川洋子さん、宮下奈都さん》という方。


wakkyhrさんも小寺律さんも、当方の主催イベントに参加してくださったことがあるなど、何度かお会いしたことのある方です。お二人とも大変な書店好きで、書店にかける情熱は半端なものではありません。


ぼくは、年に数回の出張や地方ブックイベントへの参加をのぞけば、ふだんの書店回りは首都圏および近郊の、ごく限られたエリア内のものでしかありません。その点お二人は、ほんとにあちこちに足をのばしています。とくに小寺さんは、行き先を聞いただけでこちらの足がつりそうな、信じられない距離を自転車でカバーしたりしていますから、その書店愛にはほんと、頭が下がります。


遠くまで足をのばしている、といえば、さらにものすごいのが次のナカムラクニオさん。連載のタイトルが「世界の果ての本屋さん」で、文字通り、ちょっと書店が好きぐらいではなかなか足を運ぶことができそうにない、世界の果て的なエリアを取材しています。なにしろ、初回がパプアニューギニアですから。本気度が違います(笑)。


ナカムラクニオさんのプロフィールはこちら。《1971年東京生まれ。荻窪にあるブックカフェ「6次元」店主。フリーランスで美術や旅番組などのディレクターとして番組制作に携わり、これまでに訪れた国は40ヶ国以上。趣味は世界の本屋とカフェ巡り、うつわの金継ぎ。+DESIGNING「デザインガール図鑑」、朝日小学生新聞「世界の本屋さん」mille「世界の古道具屋」連載。著書に『人が集まる「つなぎ場」のつくり方〜都市型茶室「6次元」の発想とは』(阪急コミュニケーションズ)がある》。


中村さんも、先のお二人同様、縁のある方で、つい先日も、ブックオカのイベントで一緒になりましたし、12月には6次元でのこんなイベントに出演させてもらうことになっています。


こういう力の入ったレポート群を目にすると、もう自分が駄文をさらす必要はまったくないなあ、もうよけいなことは書かなくてもいいなあ、という気にさせられますね。なんちゃって書店レポートは、いつ引退しても大丈夫そうで、なんだか安心です(笑)。


と、気が楽になったところで、先日見てきた書店のレポートを簡単に。(なお、wakkyhrさんや小寺さんのレポートと違い、お店に断って取材をしたものではありませんので、写真は外からのみ。文章も、お店の方の確認をとっていいない、単なる個人の印象です。)


先日、池袋で書店回りをした際に、気になっていた天狼院書店を見てきました。オープンは今年の9月。場所は、ジュンク堂書店池袋本店の右脇の道、東通り沿いで、ジュンクから徒歩で数分のところにあります。こちらにくわしい案内があります。



東京天狼院書店1東京天狼院書店2東京天狼院書店3

↑お店の外観と看板。1階はおそばやさん。看板が目を引きます。


東京天狼院書店4

↑入り口。


店内は15坪ほどでしょうか。三方に窓がある、明るいお店です。マンションの一室を改装したようで、バルコニーには瓶飲料のケースなどが置いてあるのが見えますし、トイレの前には流しが残っています。こういう生活感を感じさせるものは、あえて残したというか隠さないようにしているでしょうか。書店のタイプとしてはセレクト系ですが、インテリアにしろ品ぞろえにしろ、ハードルが高すぎないというか、おしゃれに走り過ぎないというか、そんな印象を受けました。


什器は、全体に手作りっぽい感じです。店内中央にあるメインの平台は、「黒船来航」と名づけられているそうで、サイトには《大工さんにオーダーメイドで作ってもらった天狼院のメインステージ》とあります。はやりのアクリル什器などは使われていなくて、全体に「木」で作った、という感じが前面に出ています。


右奥にの小部屋のようなスペースは文庫のコーナーになっていて、そちらの棚は、本来、文庫用のものではないのでしょうか、左右幅が広めのせいか、棚板がたわんでいて、真ん中あたりに木をかませてあったります。全体は黒い棚なのに、その木は端の面(前面)の処理がされていないので、合板がむき出しです。ただ、それがダメとかそういうことではなくて、お店の人が手を使って工夫した、という感じが伝わります。


気になる品ぞろえですが、Webの紹介記事・報道記事などにあった通り、ビジネス書、自己啓発系が中心の品ぞろえになっているようでした。数は多くはありませんが、文芸書・文庫(意外にも岩波が多め)・新書などもあり、女性誌も面陳中心で、たくさん並んでいました。


窓際に「天狼院ボックス」という棚があります。背板のない、ブロック状の棚になっているため、外からも見えます。「○○の棚」と、セレクトをした方のお名前が手書きで貼り付けてあり、『本屋さんで本当にあった心温まる物語』の川上徹也さんの棚もありました。


「天狼院ボックス」、じっくり見てみたかったんですが、前がソファ席になっていて、ぼくが訪問したときは、打合せなのか取材なのか、話をしている方がいらっしゃったので、あまりゆっくり見ることができませんでした。残念。


東京天狼院書店5

↑天狼院ボックスの側の窓を外から見るとこんな感じ。


店内中央の「黒船来航」には、スリップをまとめて、鰐口クリップでとめ、立てられるようにしたものがいくつか置いてありました。スリップには本の売上数と「1位」「2位」などのランク表示が手書きで記されています。ランキング表示としては、なかなかユニークなもので、初めて見ました。ぼくが訪問したときは、『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』が1位になっていましたよ。


東京天狼院書店6東京天狼院書店7

↑入り口入ってすぐ左側はカウンターになっていて、コーヒーのサーバーなどが置いてあるほか、ショップカードとお店のスタッフの方々の名刺が並べてありました。


店内の様子は、サイトに写真やレイアウト図が載っていますので、そちらをご覧になるといいでしょう。


ビジネス書・自己啓発書に縁がないというか、ほぼまったく読まないものですから、個人的に、ふだん利用したくなる品ぞろえかというと、そこは正直微妙な感じなのですが、品ぞろえの傾向・好みがあう方で、小さくて落ち着いたスペースでコーヒーを読みながらゆっくり本を楽しみたい、そんな方にはぴったりなお店と言えるかもしれません。


それにしても、歩いてみると、ジュンク堂書店池袋本店から(ということは、同時にリブロ池袋本店からも)は、ほんとに徒歩でわずかの場所でした。このような立地に非チェーンの書店ができた、ということ自体が驚きです。このお店が、どういう客層に、どのように受け入れられるのか、日本でも有数の超大型書店のお膝元といっていい場所でどんな展開をしていくのか、個人的に興味がありますので、ジュンク訪問時にはまたたまにのぞいてみようと思います。


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コメント

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  • 2013/11/29(金) 00:45:26 |
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  • [ 編集 ]

ありがとうございました

気分的にとても助けられました。

  • 2013/11/30(土) 21:20:19 |
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