空犬通信

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パルコブックセンター吉祥寺店、リニューアルオープン 後編

リブロ吉祥寺店あらためパルコブックセンター吉祥寺店。改装の様子をご紹介する記事の続きです。ここからは、各ジャンルの売場を見ていきます。


(前回同様、店内の様子は9/13の夜時点のもので、写真はお店の方に断って撮影したものです。店内の混雑する夕方から夜にかけての取材で、お客さんの写り込みを避けるため、不自然なアングルやトリミングになっている写真があります。店内混雑のため、写真が撮れなかった棚もありますので、すべてのジャンルを網羅するものではありません。)


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↑児童書。家の形が目を引く楽しい柱は、もとの柱に飾りを貼り付けて作ったものだとか。売場の位置は同じですが、仕切りの什器が1つなくなったため、以前よりもスペースが広くなり、座り読み用のテーブルとイスの周りを、ベビーカーで回れるようになりました。


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↑コミック売場は、レジの脇に新刊・アメコミなどをまとめた一画があり、フロア奥のトイレに続く通路をはさんで、レギュラーの棚の一画があります。壁面を使ったギャラリーが設けられ、展示店数は少なめですが、(複製)原画・イラストなどの展示に使われるようです。レギュラーの棚の奥、壁面には、写真右下のような、面陳でずらりと見せる棚もありました。


130913PBC ビジネス130913PBC 趣味実用130913PBC 洋書

↑左から、ビジネス、趣味・実用、洋書(いずれも部分です)。洋書は、以前は渋谷同様、LOGOSの名称が使われていましたが、今回は、洋書・洋雑誌もレギュラーの棚の扱いで、LOGOSの名称は棚には表示されておらず、什器のデザインなども同じでした。


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↑文庫棚。扱いレーベルや在庫点数は少し減ってしまった感じですが、単に売れ筋に絞ったということではないのは、全体に占める岩波・ちくまなどの割合が高めであることにも見てとれます。講談社文芸文庫もしっかり置いてありました。


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↑雑誌棚。棚前から人が絶えないため、全体の感じを伝える写真が撮れず、右は苦肉の策。こんな感じで並んでいる、という雰囲気ぐらいはわかるかと思います。


特筆すべきは、文具を含む雑貨の比重が高くなっていること。少し写真も多めに使って、その様子をお伝えしたいと思います。メインは、もとレジのあった、エスカレーター脇の細長いスペース。ここに文具のレギュラーの棚と、雑貨などを取り混ぜたフェアとが並んでいます。


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フェアのほうは、案内に「きのことこけしとマトリョーシカフェア」とある通り、雑貨と書籍類が混じり合ったものになっています。もともと、吉祥寺店は、そういうフェアがパルコの客層、地元の客層に受けるのか、キッチンウェアやバードウォッチンググッズのフェアなど、書籍よりも「モノ」が主体になったフェアを多く手がけてきましたが、その路線をさらにパワーアップしたような印象を受けました。


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↑おもしろいのは、雑貨と書籍の意図的な混在が、フェアスペースだけにとどまらないことで、上の写真にあるように、レギュラーの棚に雑貨が置かれていたり、写真にはありませんが、書籍の棚の一段だけが雑貨になっていたりなど、ジャンルの棚に関連する雑貨を組み合わせて見せる工夫があちこちに見られました。


フェアと言えば。昨日の前編でご紹介した「『本屋図鑑』たった一度のTシャツ展」、夏葉社島田さんのツイートによれば、9/16の14時ごろの時点で、半分ほどになっていたそうです。ご興味のある方は急いだほうがいいかもしれません。


以上、撮影ができなかった棚もありますので、網羅的なものではありませんが、店内の様子をざっとご紹介してみました。


今回の改装は、前編の記事の最初のほうでもふれましたが、パルコブックセンターのテーマカラーであるオレンジを活かした、明るいお店造りが徹底され、雑貨などの混在路線を強化しつつも書籍の品ぞろえもおろそかにせず、リブロ時代には取り立てて目立たなかった「吉祥寺」へのこだわりを前面に出すなど、渋谷の例をなぞるだけには終わらない、吉祥寺独自のお店造りがきちんとなされている、そんな印象を受けました。取材と、その後の買い物を併せるとけっこう長時間店内をうろうろしていたのですが、それでも、まだ十分には見ることができなかった感じがするほどでした。


吉祥寺には、同じく、今年改装したBOOKSルーエも、超大型のジュンク堂書店も、駅ビル内でアクセスの点では最高のブックファーストもあります。また、啓文堂書店も、今は移転・改装のため一時閉店中ですが、京王の駅ビルに入ることが言われています。規模も個性も異なるたくさんの新刊書店が、そんなに広くはない商圏のなかで競合しているのが吉祥寺です。新刊書店にとっては、厳しい環境ですが、そのようななかにあって、パルコブックセンター吉祥寺店は、リブロ吉祥寺店時代よりもさらに、他店との差別化をきちんとはかった、地元密着型のお店、商業施設の客層にきちんと合わせたお店にうまく生まれ変われたのではないかと、今回取材してみて、そんなふうに思いました。


長々と書いてきましたが、とにかく、とてもわかりやすいお店造りがなされていますから、こまごました説明を読んだり、小さな写真を見たりするよりも、実際の様子を見ていただくほうが話はずっと早いです。沿線・近隣の方、リブロ時代からの常連の方はもちろんですが、これまで利用していなかった方にも、ぜひ見てみていただきたいお店です。


新しく生まれ変わったパルコブックセンター吉祥寺店、(関係者でもなんでもないぼくが言うのもなんですが)どうぞ、よろしくお願いします。



最後に、お店の品ぞろえや改装の内容のこととは直接関係ありませんが、ちょっとだけ気になったことを記しておきます。お店の開店・改装を取り上げる際に、必ずチェックしていることがあります。それは、開店・改装が周囲にどの程度認知されているか、認知されやすいよう配慮されているか、という点です。新しいお店ができても、お店が新しく生まれ変わっても、それが地元の利用者に知られなければ、お客さんを集めることはできませんし、「改装」の意味も薄れてしまいます。


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↑パルコ吉祥寺店、オープン当日の正面入り口付近。右は、館内、上下のエスカレータの乗り口、手前あたりにあった看板。


上の建物の外観写真を見ると、PBCオープンを伝える看板やポスターが入り口付近には出ていないことがわかります。


正面の街路樹の左右、建物の2階あたりから、PBCのオレンジを基調にした「本」の一字の目立つ、オープン告知の垂れ幕がいくつも並んでいるのが見えます。これは、駅側から、バス通りを歩いてくるときには目に入るかもしれませんが、通りを歩く人のかなり上にあるため、アトレを抜けてきて、アトレ脇の出口を出てパルコに入るお客さんの目にはつきにくいことになります。実際、ぼくもそのルートでお店に入ったので、撮影はしたものの、そのときは上の垂れ幕には気づかず、後で、写真をチェックして、ここに出ていたのか、と気づいたぐらいです。「本」の看板や案内に人一倍敏感なぼくが気づかなかったぐらいですから、告知効果の点で万全と言えるやり方なのかどうかには、やや疑問が残ります。


写真で、入り口右脇には「INFORMATION」が見えますが、ここにもPBCの件は(少なくとも大きくは)出ていませんでした。そのさらに右には、同日、同フロアにオープンしたスマホのアクセサリショップの案内は、たしか大きく出ていたと思うのですが、PBCの案内はありませんでした。


入り口付近では、PBCのチラシ(写真下)を配っている方がいましたが、駅の出口付近ならともかく、パルコの入り口前だと、入り口近くまで来た人にしかわかりません。駅直結のアトレをのぞけば、吉祥寺駅にもっとも近い人気商業施設のフロア1つが丸ごと大きく変わったわけですから、もう少し、道行く人にそのことを訴える工夫がされていてもいいのではないかなあと、そんなことを思ってしまいました。


130913PBC チラシ

もちろん、これは書店単独ではどうしようもない問題であることはわかっていて書いているわけですが、お店のリニューアルが成功しているように思えただけに、ちょっと残念に思った次第です。


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