空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

田村書店、長谷川書店、三月書房……大阪&京都で書店回り

しばらく前になりますが、隆祥館書店での『本屋図鑑』の刊行記念トークイベントに出演するために、大阪に行ってきたときに、少しだけ書店を回ってきましたので、レポートします。今回は、休みを取っていったので、仕事の用事こそなかったんですが、自由になる時間自体が少なくて、わずか数店しか回れませんでした。取材らしいこともしていませんので、今回はごくごく簡単に。(写真は7/19、20ごろの様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)


130719田村書店 駅側から130719田村書店 側面130719田村書店 入り口から奥

↑田村書店千里中央店。地下鉄御堂筋線・北大阪急行千里中央駅に直結の商業施設、せんちゅうパル3番街内にあります。正確な時期はわかりませんが、しばらく前に改装、3階・4階の2フロアになり、広さも約500坪に拡大。


同店は『本屋図鑑』にも登場するお店。『本屋図鑑』に《坪数のある四階では、奥がかすんで見えるほどである》という記述がありますが、4階は、まさにそんな感じ(上の写真、右を入ると、ちょうどその描写にあるような感じに見えます)。外から見た感じよりも、店内は広くて、回遊が楽しくなる造りでした。


130719田村書店 4階入り口130719田村書店 3階入り口

↑左が4階の入り口、右が3階の入り口。


田村書店書皮

↑オーソドックスなデザインのブックカバー。


高校卒業までを万博記念公園のすぐそば、吹田市千里丘で過ごした身には、千里中央は(駅自体は、吹田市ではありませんし(豊中市)、最寄り駅でもないのですが)、遊びに買い物にデートにと何度も出かけたことのあるなつかしい駅。何年ぶりかなあ。駅周辺の様子は、記憶の中のそれとはあちこち変わっているけど、セルシーとかそのままで、ちょっとうれしくなりました。


田村書店を見た後は、モノレールに乗りました。梅田に出るには、遠回りなんですが、でも、どうしても乗りたかったのです。というのも、モノレール自体は、ぼくが大阪を離れてからできたもので、思い出深いとかそういうことはないんですが、このモノレールに乗ると、母校(高校)や、万博記念公園、昔住んでた家の近くなど、なつかしい場所を、モノレール車内からいろいろ見られるのです。


130719太陽の塔

↑大阪モノレールに乗ると、車窓からはこんな光景も。近くを通るので、スケール感がすごくて、怪獣っぽいです。


結局、あんまりなつかしくて楽しくて、途中まで行って、もう一度引き返して、往復で車窓の景色を楽しんでしまいました。時間がないというのに、何やってんだか。


さて、次は、梅田に移動して、紀伊國屋書店グランフロント大阪店へ。しばらく前に、オープン直後の様子をレポートこちらこちらしていますが、そのときから2か月半。お店も少し落ち着いたころだろうということで、どんなふうになったか、見てきました。


店長の星さんを訪ね、しばしおしゃべり。今回は時間が短かったので、撮影はなしで、見て歩くのに徹しました。店内、あちこちに気になる小フェアがあって、足を止めたくなり、短時間ではとても見た気がしませんが、開店からしばらく経ったお店の様子を見ることができただけでも、そして、たくさんのお客さんでにぎわっている店内の雰囲気を確認できただけでも満足です。


堂島に移動、ジュンク堂書店大阪本店を少しだけのぞいてから、「本おや」さんこと「本は人生のおやつです!」へ。


130719本は人生のおやつ

店主さんとしばしおしゃべり。『本屋図鑑』の営業もしてきました。ここで初日は時間切れ。お店をゆっくり見ることも、買い物をすることもかなわず。


本おや通信1本おや通信24

↑同店で発行しているフリーペーパー「本おや通信」。記念すべき第1号(左)には、なんと、時の人といっていい作家、藤野可織さんが登場しています。しかも、「可織ちゃん」などとされています。なんでも、店主のSさんは、藤野さんの大学時代からのお友だちなんだとか。24号(右)には、『「本屋」は死なない』の石橋毅史さんが登場しています。


堂島には、地下街に、旭屋書店堂島地下街店があります。2012年の春にリニューアル、真っ白な内装が目を引く美しいお店です。ジュンク堂書店という超巨大店のすぐそばで、品ぞろえに工夫しながらがんばっているお店の1つですが、閉店の噂も聞こえていますが、どうなんでしょうか。梅田本店がないいま、梅田・JR大阪界隈の旭屋書店は、この堂島地下街店と梅田地下街店の2店。本店復活まで、ぜひがんばってほしいところです。


130720長谷川書店1130720長谷川書店2

↑長谷川書店。翌日、京都に移動する途中に寄りました。2店のうち島本店が閉店、駅前の水無瀬店の1店体制になってから、初めての訪問です。やっぱり、ここは、なんというか、いいんですよねえ。


コミックの棚の陰に海外文学の棚がある。日本の文芸の棚は、それとは離れたところに位置しています。「エッセイ他」と手書きの案内のついた棚がありますが、よく見ると、あっちにもこっちにも、エッセイの類がささっています。しばらく眺めてみても、これは何の棚、とジャンルを特定しづらい棚が複数ある。いい意味で、とっちらかっているのです。


130720長谷川書店3

↑何の棚と特定しづらい棚の代表。


同店については、『本屋図鑑』にこんなふうにあります。《何のジャンルかよくわからない本は、何のジャンルかよくわからない棚に、ちゃんとそれらしい顔をしておさまっている》《宝探しをしているような気持ちになる》。ほんとにその通りだと思います。


長谷川書店は、やっぱり長谷川書店でした。なんだか、とても安心して、そして、うれしくなりました。


ハセガワしんぶん130529

↑同店で発行しているフリーペーパー「ハセガワしんぶん」。全編手描き・手書きの、ゆるめのノリが楽しい、お店の雰囲気にぴったりのフリペです。


1308Meetsミュージックブレス

7/19のイベントには『Meets Regional』の方も駆けつけてくださいました。その日いただいた8月号の書評欄「Meets Book Mania!」では、長谷川書店が写真入りで紹介されています。とてもすてきな感じに紹介されていますので、ぜひ雑誌で確認してみてください。


右は、お店で買った数冊のうちの1つ、津村記久子さんの『ミュージック・ブレス・ユー!!』。イベントのレポートにも書きましたが、津村さんは、7/19のイベントに参加くださった方。売れっ子芥川賞作家なので、本を置いてあること自体は別にめずらしいことでもなんでもないですし、実際、長谷川書店の文庫棚にもコーナーがあるんですが、この本は、音楽本の棚で、唯一面陳になっていた本だったのです。それが前日のイベントに来てくださった方の、音楽本ではなく、音楽がらみの小説だったりするわけです。こういう出会い方をしてしまった本は手にとらないわけにはいきませんよね。(末尾に余談あり。)


続いて、京都、河原町へ。



130720ジュンク1130720ジュンク2

↑ジュンク堂書店京都朝日会館店。京都BAL店の閉店後、近くにできたお店で、初めての訪問です。この日の京都は快晴、猛烈な夏日で、河原町の交差点からは大した距離ではないのに、お店まで歩くだけで、死にそうになりました……。


お店は2フロア。専門書中心の品ぞろえ、のお店だと聞いていたので、文庫や雑誌などの一般向けの本は扱いがないか、極端に少ないのかと思っていたら、ふつうに(もとのBAL店の在庫店数からすれば、「極端に少ない」ということになるのですが)ありました。


街中はとうていふつうに歩けないので、地下街のゼスト御池に避難。もちろん、書店があることがわかっていての寄り道です。


130720ふたば御池1130720ふたば御池2

↑ふたば書房ゼスト御池店。地下街のワンフロア店ですが、売場がいくつか分かれていて、ジャンルごとの独立性の高い造りになっています。ちょうど児童書コーナーでは、お話キャラバンの読み聞かせが行われているところでした。子どもたちが、立ち上がって、読み聞かせの方が抱えている絵本の前に集まっています。あまりにもかわいい、幸せな光景にしばらく動けませんでした。


文芸の棚で、「一棚物語」という、すてきなネーミングを発見。ふだんづかいに良さそうな、幅広い年齢層のお客さんにきちんと対応した棚作りがなされているお店ですが、あちこちに、こうした独自のしかけや工夫が目につき、うれしくなります。


130720三月書房

↑三月書房。御池ゼストから徒歩でわずかですが、その「わずか」がしんどい……。かなりがんばってたどりつきました。


同店を訪問するのは、とても久しぶりです。独特、としか言いようのない棚。京都にはたくさんの本屋さんがありますが、こちらと似た感じのお店というのは、いや、京都にかぎらずとも、思い当たりません。『本屋図鑑』にも登場するお店です。


三月書房で買った本

↑こんな本を買いました。


以上のお店は、それぞれ徒歩で数分、地図上で見ると大したことない距離なんですが、書店をのぞきながらの街歩きを楽しむには、この日はちょっと暑すぎました。京阪の駅まで歩き、一乗寺に移動。


130720恵文社 看板130720恵文社 外観1130720恵文社 外観2

↑恵文社一乗寺店。とても久しぶりの訪問です。すっかり長居してしまいました。こちらも、『本屋図鑑』に登場するお店の1つです。


恵文社 書皮

↑恵文社のブックカバー。


恵文社近くのツバメの巣

↑駅から恵文社一乗寺店への道々、この季節にしてはツバメの姿が多いなあと思ったら、まだ巣立っていないひながいる巣を発見! うれしいなあ。


ここで時間切れ。ガケ書房にも寄り、さらに京都駅周辺の書店も見てから帰るつもりだったんですが、時間・体力ともに使い果たし、かないませんでした。


ふだん、大阪・京都に来るのは、仕事のついでがほとんど。どうしても大店中心になってしまいます。今回は、仕事の用事がゼロだったので、店の数こそ少なかったのですが、長谷川書店や、なかなか訪問の機会を作れなかった三月書房、恵文社一乗寺店に時間を割くことができただけでも収穫でした。



以下、余談です。長谷川書店で購入した、津村記久子さん『ミュージック・ブレス・ユー!!』。バンドをやっている女子高生が出てくる話なんですが、京都へ向かう阪急電車の中で読み始めたら、途中駅で、ESPのギターケースとベースケースを抱えた女子高生(楽器なしの子を含む3人組)が乗りこんできて、目の前の席に! あまりにもできすぎな展開に、びっくりしてしまいました。


その子たちは、河原町の手前で降りていったんですが、降りていくときに聞こえてきた会話がこれまたすてき。3人組のうち、楽器を持っていない子が、「うちらって、はたからみたら、ギターとベースとボーカルの3人に見えるわなあ」「そうやろなあ」「なんかそれって……」。楽器なしの女の子が、「それって」なんだと思ったのか、そこが聞こえなかったのが残念だけど、なんだか、読みかけの小説世界とのシンクロといい、すごく想像力を刺激される、楽しいシチュエーションで、たいそう幸せな気分にさせられました。


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