空犬通信

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『離島の本屋』『那覇の市場で古本屋』……ユニークな本屋さん本が続けて出ました

『本屋図鑑』が発売となった7月に、本屋さんの本が続けて出ました。3点、いずれも、小さな出版社から。



130801 本屋さん本3点

↑並べてみたくなるのです。


『離島の本屋』は、「LOVE書店!」の連載を書籍にまとめたもの。版元の紹介には、《北は礼文島から南は与那国島まで。誰もが知る小笠原諸島から、地元民だけが知る家島まで――。22の島で「本屋」の灯りをともす人たちの物語。本屋大賞PR誌『LOVE書店!』の人気連載に未発表作と書き下ろし原稿を加えて待望の書籍化!》とあります。


『本屋図鑑』も、北から南まで、全国の本屋さんを、夏葉社の島田さんが実際に訪ねて取材したことが売りの1つである本なんですが、こちらも、22の島をすべて実際に訪問取材したもの。しかも、取材先が「離島」ですからね。行くだけで大変なところばかり。島田さんといい、朴さんといい、ここまでして、あちこちの本屋さんを紹介したいというその情熱には、ほんと、頭が下がります。


内容説明にもありますが、連載時から格段にボリュームアップされていて、内容・分量ともに読み応えのあるものになっています。連載で読んだ、という方も、ぜひあらためて手にとってください。


各章には、連載後の各店の様子を伝える文章が添えられています。閉店になってしまったお店もある、というか、けっこうたくさんあるのがさびしいところなんですが、そうしたフォロー取材も含め、丁寧にまとめられた本になっています。


続いて、『那覇の市場で古本屋』。著者の宇田智子さんは、かつてジュンク堂書店池袋本店にいた方。ジュンクの池袋と言えば、頻繁に出入りしている書店の1つです。店内ですれ違ったりしていてもおかしくはありません。お店の仲良しの1人がたしか同期で、何度もお名前が話に出てくるのです。この本が出ることも、Webなどで知る前に、その人に教えてもらったぐらいです。でも、面識はありません。


ないのに、ジュンクにいらっしゃったころから、あんまり何度もお名前を聞くものだから、いつのまにか脳内で勝手に知り合いに分類されてしまいました。知らないおやぢから勝手に知り合いにされても先方は困惑されるだけだろうと思うのですが、そんなわけで、出る前から、一方的な親近感を持っていた、そんな本なのです。


ジュンクの池袋で人文担当というのは、書店員人生としては王道といってもいいものだと思うのですが、それがなぜ那覇に行くことになり、さらには、日本最大の新刊書店の1つを辞して、日本最小の古書店を営むにいたったか。その経緯だけでもおもしろいし、古本屋さんを始めてからの話が、これまたおもしろい。


端正で優しい文章を書く方で、当方のようなだらだら書きの垂れ流し派は、それだけで尊敬したくなります。大きな本屋さんのことも、小さな本屋さんのことも、新刊書店のことも、古本屋さんのことも、1冊でいっぺんに読めてしまう、本屋さん好きにはたまらない1冊になっています。おすすめです。



ところで。本屋さんの本が、同じ時期に出ることを知った当初は、心の狭い当方は、こんなふうに思ったのでした。よりによって、本屋さんの本が、同じ時期に重なるなんてなあ、比べられて買い控えとかされないかなあ、ちょっとずれていればよかったのになあ。そんな自分勝手きわまりないことを思ったこともあったのですが、こうして実際に続けて本が出てみると、そして手にとって読んでみると、なんというか、自分でもよくわからない一方的な仲間意識のようなものを感じてしまったりしたのでした。ほんと、勝手きわまりないですね。


同じ時期に出た本屋さんの本たち。なんだか、世に出る子にいきなり仲間ができたようで、わけもなく心強い感じがする。そして、うれしい。


三省堂神保町  本屋さん本3点ジュンク吉祥寺 本屋さん本3点

↑だから、書店の店頭で、こういう光景に出会うと、ことのほかうれしいのです。左は三省堂書店神保町本店、右は、ジュンク堂書店吉祥寺店。


ちなみに、『離島の本屋』の朴順梨さんは、雑誌の仕事で、得地直美さんと組んだことがあるのだそうです。この3冊、『離島』『那覇』のお二人は初の単著で、『本屋図鑑』は単著ではないけれど、得地直美さんにとっても、「本屋図鑑編集部」にとっても、このようなかたちで名前が出るものとしては初の単行本。3冊すべてに沖縄の書店が登場するという共通点もあります。なんだか、いろいろ、一緒だったり、つながっていたりするのです。


ちなみに、「日本の古本屋メールマガジン」その138・7月25日号の予告によれば、次号で、『本屋図鑑』と『那覇の市場で古本屋』が取り上げられるようです。こんなところでも一緒することになりました。



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