空犬通信

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ウルトラセブンが「音楽」(のほかにもたくさんのこと)を教えてくれた

特撮関連、とくに『ウルトラセブン』関連の本が昨年からいくつも続いていますが、数ある特撮関連本のなかでも、過去に類書のあまりなさそうな、ユニークな本が出ました。



ウルトラセブン 音楽を

↑ウルトラ警備隊のマークをあしらったしおりもついてます。


特撮好き、とくに『ウルトラセブン』好きなら、書名だけでぐっときますよね。発売前からずっと楽しみにしていた1冊なんですが、アルテスパブリッシングの鈴木さんからいただいてしまいました。


表紙は最終話のあの場面(説明不要ですが、一応補足しておくと、「待って、ダン、行かないで!」とすがるアンヌを振り切って、ダンが変身する場面です。そのときのダンのセリフ、「アマギ隊員がピンチなんだよ!」も最高です。こうして書き写しているだけで落涙寸前です)で、写真のセレクトも(モノクロを4色分解で出したのかな)色味もgood。(4色+シルバーの5色だと教えていただきました。)


版元の内容紹介を引きます。《1967〜68年に一世を風靡したテレビ番組「ウルトラセブン」。その衝撃の最終回、モロボシ・ダンの告白シーンに流れたのが、カラヤン指揮、リパッティ独奏によるシューマンのピアノ協奏曲だった》。


《「セブン」の音楽監督は作曲家・冬木透氏。ホルンとトロンボーンによるイントロが印象的な主題歌をはじめ、冬木氏による独創的なオリジナル・ナンバーが数多く流れた「ウルトラセブン」の最終回、それもクライマックスのシーンで、なぜシューマンが使われたのか。そしてそれはなぜカラヤン/リパッティ盤でなければならなかったのか──》。


《当時7歳だった著者は、当時の子どもがアクセスできる限られた情報のなかで、「あの音楽」を探し始める。そしてそれは彼を、「クラシック音楽とは何か」という遠大なテーマへと導く旅ともなったのだった──》。


早速読んでみました。いやはや、著者の方のセブン愛は本物で、全編に作品と、作品を彩った音楽への思いが溢れまくっています。音楽は大好きなんですが、正直なところ、クラシックは、ときどき聞く、程度のリスナーなもので、音楽の話にはわからないところ、のれないところもそれなりにあるんですが(というか、“けっこう”あります)、そういうことが気にならずに、最後まで読めてしまいました。読むと、本の中で言及されているエピソードを、音楽に注目しながら観返したくなる、そんな1冊になっています。


音源の権利関係や、また商品としてのコストの観点から難しいとは思いますが、これがCDブックか何かだったら、さらにすばらしい1冊になったろうになあと、そんなことを思わずにはいられませんでした。やはり、音楽の話は、音源にすぐにアクセスできるかどうかでずいぶん違ってきますからね。


まあ、この本で興味を喚起された方は、音源を入手すればいいわけですから、あまりぜいたくを言ってはいけませんし、何より、いろいろ探してやっと聴ける、ぐらいのほうが楽しみがあっていいものですからね。


というわけで、ウルトラセブンファン、特撮ファンで、好きなテーマ曲やサントラがある方、音楽が印象に残っている方、そういう方にはぴったりの1冊だと思います。ぜひ読んでみてください。


この本に関連して、こんなイベントもあるようです。「『ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた』(アルテスパブリッシング)刊行記念 冬木 透(作曲家、「ウルトラセブン」音楽監督)×青山 通(本書著者)トークショー」。5/25、ビブリオテックにて。予約制です。


もう1冊、ウルトラセブン関連で、こんな本が出ました。



ウルトラセブン 超兵器

内容紹介には、《円谷プロダクション50周年を記念し発行する本書では、不朽の名作『ウルトラセブン』に登場したウルトラ警備隊のオールメカニックを、ファンが渇望する撮影用ミニチュアや未発表メイキング写真など今まで公開の機会がなかった貴重なスチールとともに徹底解説》とあります。


わずか64ページということで、発売前に書誌情報を見たときは、薄口の本なのかなあ(すみません)などと思ってしまい、それほど期待していなかったんですが、実際に手にしてみたら、たしかに薄手の本ですが、全編、作品とメカへの愛に満ちていて、予想外の充実ぶり。単に、メカ類を図鑑的に解説するだけでなく、撮影の裏話を混ぜたり、プロップの差異を解説したりといったテキストもいいし、図版も豊富。マニアが読んでも楽しめそうな1冊になっていますよ。


ウルトラセブン 超兵器2

↑副題に「本当に飛ぶ!ウルトラホーク1号付き」とありますが、こんな付録がついています。PPシート製のモデルで、紙飛行機のように飛ばせるそうです。こういう、学年誌なら紙でやりそうな、昔ながらの付録。いいなあ、こういうの。


というわけで、最近続けて出たウルトラセブン関連本2点は、どちらも大満足でした。


それにしても、昨年からセブン(にかぎらないものも含め、特撮)関連の本が続いていますね。ざっとあげてみただけで、こんな感じ。


ウルトラセブン 研究読本ウルトラヒロインズ

↑キャスト・スタッフへのインタビューが充実しまくりの『別冊映画秘宝ウルトラセブン研究読本』(洋泉社)。ウルトラシリーズの制服ヒロインにのみ焦点をあてた『ウルトラヒロインズ』(角川書店)。


オールオブアンヌオールオブアンヌ2

↑『ウルトラヒロインズ』に登場する女性隊員のなかでは、やはりアンヌ隊員の人気は突出、別格、という感じですね。元版が切れて以来、けっこうな古書価がついていたのが、別冊ミニ写真集付きで復刊となった『ひし美ゆり子写真集 All of Anne : plus』(復刊ドットコム)。書泉ブックマートにサイン本があったのを買ってしまいました。(元版持ってるくせに、なんで復刊のほうまで買ってるんだ、という突っ込みは無用です。)



円谷プロ全怪獣図鑑 書影円谷プロ全怪獣図鑑 チラシ

↑圧倒的ボリュームで全怪獣ファンが驚喜した『円谷プロ全怪獣図鑑』(小学館)。もちろん、セブン関連の怪獣・星人も網羅。



本の紹介が終わったところで、最後にちょっとだけ、また音楽の話を。


セブンは、作品の内容はもちろん、音楽もほんとにすばらしいんですよね。『ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた』を読み終えると、最終話で使われたシューマンのピアノ協奏曲(もちろん、カラヤン指揮、リパッティのピアノのバージョンで)だけでなく、セブンの作中音楽をきちんと聴き直したくなります。


もちろん(というのも変ですが)ウルトラシリーズの主題歌を集めたコンピレーションは持っていますし、ウルトラセブンも、アナログではサントラを持っています。こちら。


ウルトラセブン LP2点

↑ぼくが持ってるアナログ盤。あまりにもかっこいいジャケのアートワークは、開田裕治先生。


ジャケも中身も大満足の盤なんですが、でも、CDで、できればコンプリートコレクションかそれに近いもので聞きたい。調べると、何やらいろいろ出ています。


  • 『ウルトラセブン ミュージックファイル』
  • 『ウルトラセブン45周年 ウルトラセブン音楽大全集』
  • 『ウルトラセブン45周年 ウルトラセブン音楽大全集 限定復刻フィギュアつき 45周年記念セット』
  • 『ウルトラセブン メモリアル・ベスト』
  • 『ウルトラセブン コンプリート・コレクション』
  • 『ウルトラマン生誕40周年記念 ウルトラサウンド殿堂シリーズ(3) ウルトラセブン』

ファイルにコンプリートに大全集に……どこがどう違って、どれがいいのか、よくわからん……。しかも、新しい45周年が決定版かというと、ユーザレビューを見るかぎり、微妙な感じもするし……。


『ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた』では、シューマンのピアノ協奏曲の演奏家・指揮者による違いを、あれだけこまかく分析しているのだから、作中音楽についても、最初に聞くならどれ、とか、決定版はどれ、みたいな感じで、解説をつけてくれたら良かったのになあ。将来、増補改訂版が出るときは、ぜひお願いします。


オリジナルサントラ以外にも気になるものがあります。ウルトラセブンの音楽を手がけたのは、冬木透さん。その冬木透さんが指揮をとって、セブンの音楽を演奏するというコンサートが数年前にあり、ちょっと話題になりましたね(いま調べたら、2009年3月に「一夜限り」のコンサートとして行われたようです)。そのときの演奏が、CDとDVDで出ています。


  • 『冬木透CONDUCTウルトラセブン』

レビューを見るとほぼ絶賛の声、涙が出たという声も複数あり、今さらながら、生で聞かなかった、聞けなかったことを後悔する羽目に。これは、ファンとしてはせめて、CDかDVDで聞いておかないといけませんね。


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