空犬通信

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東京堂書店ソヨカふじみ野店に行ってきました

埼玉県ふじみ野市に、東京堂書店の支店、それも、本店のイメージとはまったく異なる、ショッピングモール内のお店ができたというので、本好き・書店好き・東京堂書店利用者の間で話題になったのは、昨年の6月のこと。ぜひお店を見てみたいなあ、と思ってはいたのですが、ふらりと行くには遠いし、何より、ついでの用事もなかなかない、作りにくいエリアです。


というような話を、東京堂書店のKさんやYさんと一杯やっているときに話したら、お店に行くときに合わせられれば、お店を案内するから、と言っていただき、これはいい機会だということで、先日お店を訪問してきましたので、お店の様子を紹介したいと思います。(店内写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。写真は4/19の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。)


東京堂書店ソヨカふじみ野店は、東武東上線のふじみ野駅から徒歩数分のところにあるショッピングモール「ソヨカふじみ野」内にあります。サイズは(カフェ20坪を除くと)150坪です。


130419東京堂ソヨカふじみ野 アーチ130419東京堂ソヨカふじみ野 ソヨカ案内

↑モールの入り口。これが正面かと思ったら、後で聞いたら、こちらは裏側で、反対側が正面入り口なんだそうです。


130419東京堂ソヨカふじみ野 外観1130419東京堂ソヨカふじみ野 外観2

↑東京堂書店は、2階の角にあります。場所的には、目につきやすい、いい位置に見えます。残念ながら、この日は曇り空でしたが、天気がいい日なら、陽当たりも良さそう、店内窓側もずいぶん明るいことでしょう。


130419東京堂ソヨカふじみ野 入り口130419東京堂ソヨカふじみ野 新刊台130419東京堂ソヨカふじみ野 入り口2

↑お店の入り口あたり。入り口を入ると、本店で言うとところの「軍艦」に相当する新刊平台があります。壁際にも、フェア棚があり、それを外側から見たのが左の写真。


130419東京堂ソヨカふじみ野 文庫平台1130419東京堂ソヨカふじみ野 文庫平台2

↑レジ脇の文庫新刊平台。コミックの新刊台は、奥に別にあるのですが、こちらの新刊台にも一部のコミック新刊が同居しているのがわかります。プレートの裏側の部分も活用されています。


店内をざっと一周してみると、コミック・学参・児童書など、本店では扱いがないか少ないジャンルに力を入れているのが目につきます。あちこちに東京堂書店らしさはあるものの、本店とはまたひと味もふた味も違った感じのお店造りがなされているのがわかります。


130419東京堂ソヨカふじみ野 コミック1130419東京堂ソヨカふじみ野 コミック2130419東京堂ソヨカふじみ野 コミック3

↑店内、いちばん奥にあるコミックコーナー。このあたりだけ、店内の他のエリアとは、照明の感じが違っています。後で話をうかがうと、店舗全体を、アーリーアメリカン調の雰囲気でとまとめたそうなんですが、手前の店舗部分が、住居だとすると、この一画は、ガレージのような感じのイメージにしたんだそうです。住居部分よりも、照明はやや抑えめで、みると、什器、とくに、天井寄りの部分の感じも、スチールっぽい感じにするなど、他の部分とは変えてあるのがわかります。


130419東京堂ソヨカふじみ野 学参1130419東京堂ソヨカふじみ野 学参2130419東京堂ソヨカふじみ野 学参3

↑学参の棚。このコーナーの写真だけを見せられたら、東京堂書店本店を長く利用している人でも、というか、そういう人こそ、これが東京堂の支店の店内だとは、わからないかもしれません。学参は、本店でも、また東中野店でも扱いのないジャンルですが、ソヨカふじみ野店では、対象別にエリアを分け、本数もしっかりととった棚作りがされていました。


130419東京堂ソヨカふじみ野 学参POP1130419東京堂ソヨカふじみ野 学参POP2

↑学参の定番のいくつかには、写真のように、内容の説明を記したPOPまで立っていました。


130419東京堂ソヨカふじみ野 児童書1130419東京堂ソヨカふじみ野 児童書2130419東京堂ソヨカふじみ野 児童書3

↑児童書コーナー。この日は、平日の昼間、それも天気があまり良くないこともあり、お客さん自体が少なめでしたが、週末には家族連れも多いのでしょう、ゆったりとスペースがとられています。


130419東京堂ソヨカふじみ野 児童書4

↑中央には、キッズ用のかわいいテーブル&チェアも用意され、居心地の良さそうな作りのエリアになっています。


130419東京堂ソヨカふじみ野 文芸130419東京堂ソヨカふじみ野 文芸平台

↑文芸棚。本店に比べると、やはり文芸や人文・社会など、かための本は少なめですが、それは、立地や客層を考えれば、当然というべき選択&集中の結果でしょう。ただ、眺めていると、単に数をおさえたというわけでもないようで、こんなおもしろい(というか、へんてこな)平(写真右)があったりもします。なんだか、妙な並び(ほめ言葉です(笑))で、思わず足をとめてしまいました。


東京堂書店は、本店利用者の方には説明するまでもありませんが、POPや貼り紙・チラシ類など、宣伝のための拡材が非常に控え目で、とくに、手描きのもの、手作りっぽいものは、ほとんど使われていません。


このソヨカふじみ野では、全部が手描きというわけではありませんが、あちこちにPOPが立っています。こういう見せ方も、東京堂っぽくないと、従来の本店利用客には映るかもしれません。また、POPだけではなく、お店のあちこちに、手作りの装飾が見られます。いくつか例を見てみましょう。


130419東京堂ソヨカふじみ野 装飾1130419東京堂ソヨカふじみ野 装飾2130419東京堂ソヨカふじみ野 装飾3
130419東京堂ソヨカふじみ野 装飾4130419東京堂ソヨカふじみ野 装飾6130419東京堂ソヨカふじみ野 装飾7

↑棚の上、棚の横、フェア台の上や周りなどに見られる、東京堂らしからぬ手作り装飾の数々。ドラえもんがいたり、チューリップが咲いていたり、草や山を模したペーパークラフトがあったりなど、フェアの中身やジャンルに合わせた案内の工夫があちこちにされています。


店内中央には、ブロック状の棚を組み合わせたような、多角形の、おもしろい形状のコーナーがあります。「Books Tokyodo Selection」と題された、このコーナーは、棚が2重になっていて、棚は、外側と内側から本を並べられるようになっています。


130419東京堂ソヨカふじみ野 セレクション1130419東京堂ソヨカふじみ野 セレクション2

このコーナーでは、複数のフェアが同時に展開中です。暮らしの手帖フェアや、別冊文藝VSユリイカのような、本店や他の書店でも見かけるような定番っぽいのもあれば、こちらのお店独自のもあります。



130419東京堂ソヨカふじみ野 セレクション7130419東京堂ソヨカふじみ野 セレクション8130419東京堂ソヨカふじみ野 セレクション9

ソヨカふじみ野店は、お店全体としては、親子づれやファミリー層などが買い物をしやすい、やわらかめの品ぞろえで、変にとがったところや、コアな本好きを意識するあまりとっつきが悪くなってしまっているようなところは、まったく見られません。


ただ、この一画だけは、ちょっと東京堂らしさを出そう、ここは遊び心を出してもいいだろう、そんなふうなお店の思いが感じられる、他から少しだけはみ出した感じのおもしろいコーナーになっています。東中野店の上りエスカレータ左脇のコーナーを、小部屋状にまとめたようなイメージでしょうか。オリオン書房のペーパーウォール(とくに品川のそれ)や、以前に紹介したリブロ福岡天神店のカルトグラフィアの棚をイメージされる書店好きもいるかもしれません。


130419東京堂ソヨカふじみ野 セレクション3130419東京堂ソヨカふじみ野 セレクション5130419東京堂ソヨカふじみ野 セレクション6

↑これらは、いずれも、このコーナーの、フェア案内や、フェア内の分類表示。手作り感あふれるもので、表現もユニークなものになっていました。


130419東京堂ソヨカふじみ野 セレクション中1130419東京堂ソヨカふじみ野 セレクション中2130419東京堂ソヨカふじみ野 セレクション中3

↑中央の小部屋、メインは、「本の本」棚。かための単行本から文庫で読めるもの、コミックまで幅広く集められています。左右では、白水社uブックスのフェアと、内田樹さんのフェアが展開中。


130419東京堂ソヨカふじみ野 セレクション レール

↑天井には、棚の形状に合わせたピクチャーレールが。上から棚に沿って絵などを並べて使えるようにしたものだそうです。


ただ、ここが、コアな本好き向けだけの濃いものだけになっていると、やはりお店のなかでは浮いてしまいそうですが、そこはきちんとバランスがとられていて、外側では、辞書フェアやドラえもん本フェアが展開中でしたし、入り口の脇のいちばん目立つところでは、日経大人のOFFバックナンバーフェアのような、幅広いお客さんに受けそうなものが展開中でした。


このように、立地と客層に合わせたジャンルのバランスや、配置もよく考えられていて、店内をうろうろしていて、まったくストレスがありません。150坪というサイズも、ショッピングモール内のお店としては、ちょうどいい規模に思えます。


お店としては、とても使いやすい、いいお店との印象を受けました。それだけに、いくつか気になることがありました。まず、なんといっても、モール自体に、人が少ないこと。いろいろ原因はあるのでしょうが、どの程度認知されているのかな、というのが気になってしまいました。できてまもないショッピングモールだし、当然、駅を降りたら、大きく案内が出ているだろうと、地図も印刷せずに行ったんですが、駅には、目立つ案内がまったく出ていません。それでも、近いし、道も難しくないので、迷わずにいけましたが、先に書いた通り、どっちが正面なのかを間違える(というか、わからなかった)ぐらいです。全体に、案内が不親切で、駅からの客を取りこもう、どんどん来てもらおう、というのが薄い感じがしました。


ソヨカふじみ野は、施設全体を覆う屋根のないオープンなモールです。天気がいい日、気候のいい季節ならばいいと思うのですが、ぼくが訪問したときのように、曇り空で肌寒い日などは、モール内の移動ですらおっくうな感じになってしまいます。この日、もっとも多く見かけたのは、親子連れ、それも未就学児と思われる子どもたちを連れたお母さんですが、ベビーカーやだっこ紐の親にとって、この造りは、天気がいまいちのときに行きたくなるものではないだろうなあ、と、そんなことを思わずにはいられませんでした。


疲れた足を休めるためのカフェは、東京堂書店内のそれ以外にもあるのですが、親子連れやファミリーがゆっくりできそうな、ファミレスタイプの飲食店がないのも気になりました。客に長時間滞在してもらおうと思ったら、そのタイプの飲食店は必須のはずで、この造りで、なぜそういう飲食店がないのか、素人目にもとても不思議で、東京堂書店のみなさんに話をうかがったときも、その点を、いちばん残念がっていらっしゃいました。


ただ、まあ、こうした問題は、施設全体のことで、東京堂書店に何か問題があるわけではありませんから、お店のみなさんにとってはちょっと気の毒というか、もったいない感じがしてしまいました。


施設自体に、そのような問題はありますが、東京堂書店ソヨカふじみ野店は、このタイプの商業施設内のお店としては、とても使いやすいお店になっていると思います。モールの客層に向けた品ぞろえや雰囲気作りは万全、かつ、コアな本好きが喜びそうな「遊び」もあちこちに散りばめ、ただし、それもやり過ぎない程度にすることで、とてもバランスのいいお店になっています。


近隣の本好きの方は、ぜひこのすてきなお店を訪問してみてください。居心地のいい時間を過ごせることになると思いますよ。


130419東京堂ふじみ野購入本

↑同店で買ってきた本。『鳥と花の贈り物』(暮らしの手帖社)は串田孫一さんの野鳥随想集。右は、あちこちで、おもしろいよという話だけは聞きながら、手に取る機会のなかった『mur mur magazine』。写真は9号で、「本であたらしい自分を見つける旅」と、本関連の特集で、本屋さんの紹介記事なども。いずれも、「Books Tokyodo Selection」で見つけました。


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コメント

たしかに東京堂らしくないお店ですね。私も3月に行ってきたばかりです。でも、けっこう好きなお店で、あそこならけっこうな時間を過ごせそうに思いました。
あの商業施設は以前リズムという名前で、たぶん日本で最初のアウトレット・モールでした。創業当時はずいぶんと人手で賑わいましたが、いかんせんスペース的な広がりがなく、さらに様々な諸事情により一時はゴーストタウンになっていたところです。それが最近、別資本により再生し、ああいう形になったという次第のようです。
ちなみに私は5年ほど前までふじみ野に住んでいました。東京堂のあった場所は当時はナイキのショップがあり、あの商業施設で一番賑わっていた場所です。なので東京堂の店舗をあそこで見つけた時は、おお、ここか、みたいなちょっとした感慨もありました。

  • 2013/04/22(月) 00:32:11 |
  • URL |
  • トムジィ #-
  • [ 編集 ]

東京堂書店ソヨカふじみ野店

トムジィさん>
訪問&コメント、ありがとうございます。

ふじみ野にお住まいだったんですね。そういう方から
「けっこう好きなお店」だという感想が聞けるのは
書店好きとしては、うれしいことです。ぜひ、もう少し
地元の方に利用してもらえるといいですね。

モールが、てこ入れであの形になったというのは、私も
お店の方から、できたときの経緯などをいろいろ教えて
もらいました。ゼロから立ち上げたのならばともかく、
手を入れたのだとしたら、もう少し、工夫できるところは
あったのではないか、そんな感じも、どうしてもして
しまいますね。

でも、記事にも書いた通り、いいお店だと思いますし、
以前の人気ショップの跡地に入ったというのは、
デベロッパーの期待のあらわれだとも思えますから、
ぜひがんばってほしいものです。

  • 2013/04/22(月) 22:21:03 |
  • URL |
  • 空犬 #-
  • [ 編集 ]

消費税の値上げと同時に便乗値上げをしてしまい、とっても残念な店になりました。いつもならにぎわっている時間も閑古鳥状態で私にとっては広くていいけど、いつまでもつんだろう・・・

アイスコーヒー 180円から280円に便乗値上げでした

  • 2014/04/05(土) 17:29:36 |
  • URL |
  • 一般市民 #-
  • [ 編集 ]

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