空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

丸の内にできたセレクトショップ「マルノウチリーディングスタイル」を見てきました

先週の金曜日は半日を(本業の用事の)書店回りに費やし、あちこちの書店を回ってきました。丸善丸の内本店に用事があったので、丸の内にできた話題の商業施設「KITTE」に寄り、4階に入ったセレクト系書店マルノウチリーディングスタイルをのぞいてきましたよ。


130322KITTE全景130322KITTE入り口

↑KITTEの外観、建物全体と入り口あたり。平日午後ですが、春休み期間ということもあるんでしょうか、休日かと見紛う人出で、建物の周りではたくさんの人が、東京駅をバックに写真を撮ったり、KITTEの建物自体をパシャパシャやったりしていました。


館内も、大変な混雑ぶり。行列ができているなあ、と思ったら、なんとエスカレータに乗るためのものでした。何十分待ちなどという大げさなものではなく、ふつうに人は流れてはいましたが、館内を自由に行き来できないほどの混雑になっているのはびっくりしました。


130322KITTEホール130322マルノウチリーディングスタイルホール見下ろし

↑吹き抜けになったホールの様子。人の波を入れずに撮ったので、混雑具合がわかりにくくなりました。右は、4階から見下ろした様子。ホールが広いので、このアングルだと、人がぱらぱらに見えますが、実際には、もっと人でいっぱいの感じになっていました。


130322KITTE4階

↑マルノウチリーディングスタイルは、4階にいくつか入っているお店のなかで、もっとも大きなスペースを占めています。


「マルノウチリーディングスタイル」……書店事情にくわしい人にも聞き慣れない名前だと思いますが、これは、取次の大阪屋が100%出資で設立した「リーディングスタイル」という会社が初めて出店する複合型店舗。お店のコンセプトについては、サイトにこんな説明があがっています。


《大人の知的好奇心を刺激する書籍と遊び心を刺激する雑貨を揃え、スタッフが一点一点こだわってセレクトした商品を取り揃えてお客様にご提供いたします。カフェでは、体に良い有機野菜などの食材を提供し、購入前の書籍もカフェでコーヒーを飲みながら試し読みいただけます。日々の生活の雑貨と雑貨に関する書籍を買う、カフェで買う前の本を読む等の、様々な読書スタイルのご提案を行います。》


説明にある通り、カフェと書店と雑貨・文具店が合わさったようなお店で、広さは店舗全体で150坪。うち、書店部分の専有面積がどれぐらいなのかはわかりませんが、ざっと見た印象では、カフェ部分が全体の半分ほどを占めている感じでした。関連記事はこちら。「リーディングスタイル、丸の内KITTEに初の店舗」(3/19 文化通信)。


130322マルノウチリーディングスタイルロゴ1130322マルノウチリーディングスタイル書店入り口1130322マルノウチリーディングスタイル書店入り口2

↑こちらが、書店側の入り口付近。入り口正面には、写真のような棚が。この写真で、お店の雰囲気や品ぞろえがなんとなく想像がつくという方もいるかもしれません。


お店には知り合いもいないし、お願いして取材させてもらったわけでもないので、店内の写真はなしです。


130322マルノウチリーディングスタイルカフェ入り口130322マルノウチリーディングスタイルロゴ2

↑こちらは、カフェ側の入り口付近。先の書店入り口の左のほうにあります。入り口は別ですが、中でつながっています。カフェスペースにも書棚があるのが見えます。


できてまもないということもあるのでしょうが、ぼくが訪問したときは、店内は、お客さんでいっぱいでした。人の合間を縫うように、店内をざっと一周してみました。もちろん、本業関連の本の品ぞろえも忘れずにチェック。


おしゃれな什器に、セレクトされた品ぞろえの本。オーガニックフォーク系のよく言えば心地よい、悪く言えば当たり障りのないBGM。取り扱い商品に占める雑貨のバランス。おしゃれ文具。広いカフェスペース。何が悪いわけではなまったくないのですが、どうも「既視感」が……。正直なところ、こういうタイプのお店については、「書店」としての品ぞろえやお店の感じについて、感想を述べにくいです。ぼくのような、同店のターゲット客からは大きくはずれた趣味嗜好の持ち主である本好き書店好きが、自分の好みで品ぞろえを云々してもしかたないし、そのようなことが意味のあるお店でもないと思うからです。


あとで誤報だとわかりましたが、同店を紹介したある記事で、大阪のスタンダードブックストアが姉妹店だとなっているのを見ました。どういう経緯で、そんな書き方になってしまったのか、知りませんが、比べたくなるのはわかります。ただ、カバーしている取り扱い商品や購入前商品のカフェ持ち込み可などが共通しているというだけで、品ぞろえはけっこう違うように感じました。広義のセレクト系ショップとは言え、おしゃれ一辺倒ではなく、出版関連テーマのイベントなどにも熱心で、コアな本好きにも支持率の高いスタンダードブックストア比べると、(ここはあえて酷な書き方をしますが)やはりちょっと薄口に感じられてしまうのです。


ただ、だからといって、マルノウチリーディングスタイルが、ダメなお店だなどというつもりはまったくありません。取次主導の運営ならば、もっと品ぞろえを大きく「本」に振っても良かったろうし、実際、そのようにすることは可能だったはずです。それを、あえてそうせず、このようなセレクトにしたというのは、当然、立地と客層を考え、ねらった結果なのでしょう。それが、(今後、継続的にお客さんを引きつけられるかどうかはともかく)成功しているからこそ、お店がお客さんでいっぱいになっているのでしょう。この雰囲気が好きな方にはとても居心地のいいお店に感じられるでしょうし、ざっと施設内を歩いてみた感じでいうと、施設全体の客層にもマッチしているように思いました。


丸の内には、徒歩ですぐのところに、丸善丸の内本店があるわけですし、東京駅構内には、BOOK EXPRESSの店舗が複数あります。駅の出口的にはそれぞれちょっと離れますが、東京駅周辺にまで範囲を広げれば、三省堂書店も、八重洲側には八重洲ブックセンターもあります。だから、ふつうの新刊書店を求める人にとっては、すでに買い物をする場所はあるわけですからね。後発のお店が、差異化を図ろうとすれば、当然、他店とは違う雰囲気にする必要があるわけです。


丸の内側に「書店」ができるというニュースを知ったとき、書店好きとしていちばん気になったのは、丸善丸の内本店への影響です。マルノウチリーディングスタイルの様子を実際に見てみた印象からすると、丸善への影響はほとんどなさそうだと感じました。マルノウチリーディングスタイルを目的買いのお客さんがどれぐらい利用することになるかわかりませんが、同店でお目当ての本が見つからなかったり、本が少ないと感じたりするような人は、丸善にも寄ることになるでしょう。でも、逆はあまりなさそうで、少なくとも従来の本好きを、2店が取り合うような格好にはならないように思いました。


文化通信の記事には、「初の複合店」とありますが、今後、リーディングスタイルが、このタイプのお店を、他のエリアでも展開していくことになるのか、「……リーディングスタイル」というお店があちこちにできることになるのか、気になりますね。それも1号店の成否にかかっているのでしょう。今後が気になるお店ではあります。



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