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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

空間亀裂、スペイン文学、渡りの足跡……風邪っぴきの読書と今日買った本たち。

風邪でダウン、数日を寝て過ごし、今日、久しぶりに出社するも、まだ完全復調はならず、なんとなくふらふらの空犬です。


ふだんも、土日は書店に行けないことが多いから2日ぐらい空くのは当たり前なんですが、平日も入れて、4日も空いてしまうと、しかも、気になる新刊が複数あったりすると、書店に行きたくて、家で寝ていてもなんだか落ち着きません。昼休みは、東京堂書店、三省堂書店他、神保町の新刊書店・古書店をたっぷりとうろうろしてきましたよ。それにしても、お店の平台って、たった数日、間があいただけでも新鮮に見えるものですねえ。


今回の風邪はちょっとひどくて、丸4日、何もできず、食事(それも、薬を飲むための軽いもの)前後のわずかな時間をのぞいて、ほとんどずっと寝てました。これで元気なら、読書が大いに進むところですが、風邪で頭がぼーっとしてるときは、なかなか中身が頭に入ってきませんね。


風邪で伏せっているときは、児童文学を読むと書いていたのは、松浦寿輝さんだったか、金井美恵子さんだったか、お二人両方だったか。ぼくも以前からそうで、調子が悪いときの床での読書は、児童文学かコミックにしています。今回手にしたのは、ドリトル先生のシリーズ数冊(シリーズのなかでも非日常感のとりわけ強い「月へゆく」「月から帰る」)と、『とりぱん』(我が家では親子共通のお気に入りマンガです)、それに『第七女子会彷徨』(これ、最近のお気に入りマンガの1つ)。へんてこな組み合わせですが、少なくともこれらを手にしている時間だけは、楽しく過ごすことができましたよ。本好きのみなさんは、病気でダウンしてるときは、どんな本を読んでるのか、気になります。


さて。今日は体調も悪いので、仕事は早々に切り上げたんですが、帰りにBOOKSルーエに寄るのは忘れません。こんな本たちを買ってきましたよ。



『スペイン文学案内』、スペイン文学史・文学ガイドがコンパクトにまとめられたのって、文庫クセジュ『スペイン文学史』がありますが(こちらは、お世辞にも読みやすいとは言えないのですが……)、それ以来でしょうか。翻訳文学読みにはうれしい1冊ですね。ラテンアメリカ文学好きもおさえておくといいかもしれませんよ。


ディックの新刊……「テ−1−20」ということは、20冊目ですね。この通し番号になる前は「六九六」でした。創元ディック、最初の1冊は、『去年を待ちながら』で、1989年刊、20年以上前ですよ。いやはや。創元ディックについては、ふれたいこともあるので、別にまとめます。


『渡りの足跡』は、《一万キロを無着陸で羽ばたき続ける――。渡り鳥たちを訪ねて知床、カムチャツカへ。奇跡を見つめた旅の記録》という内容の1冊で、読売文学賞随筆・紀行賞を受賞しています。


野鳥好きとしては読まずにはいられない内容で、単行本のときから気になってはいたんですが、なんとなく読み逃していたので、うれしい文庫化です。


梨木香歩さんで鳥関係と言えば、3月末にこんな本も出るようです。




《薬草袋というのは、いい匂いの薬草のブーケや旅のメモなど、愛着のあるものが入っている袋で、旅の鞄に忍ばせて行く。流れる雲や鳥を眺め、心惹かれる地名を持つ土地を辿り、その来歴と人々の暮しを思う……時を超えて記憶を共有する、滋養に充ちた葉篇随筆》と、野鳥だけを扱った本ではなさそうだけど、ちょっと気になる中身です。


鳥にまつわる文芸書で、これから出る本だと、これも楽しみ。



純文学畑の作家ながら、梨木さんと同じく、ネイチャーライティング系の著作も多い作家の、全5巻の作品集。テーマ別のセレクトになっているようで、「週刊読書人」に載っていたサンヤツによれば、第三巻が「鳥を題材」にしたものとあります。作品集の刊行を取り上げた読売新聞の記事にも、《鳥類を愛し自然保護活動に熱心なことでも知られる》とあるぐらいですから、鳥関係で1冊できちゃうんですね。


加藤幸子集 サンヤツ

この作品集、このご時世に、函入り上製本。函も、ぺらぺらのじゃなくて、しっかりしたもので、本体は布クロス装。立派な全集というと、どうしても単価が高くなりがちですが、この造本で、値段が3,675円というのは、とてもリーズナルですよね。手元に置いておきたくなる本です。


ところで。作風こそ違いますが、ほぼ同世代で、同じ女性の芥川賞作家で、ここ数年新作がなかったり、入手しやすい新刊文庫がなかったりなど、加藤幸子さんといろいろ共通点のある作家、吉田知子さんも、同じく作品集の刊行が始まっています。



全3巻。版元は新しいところのようで、サイトも情報が非常に少ないんですが、選集刊行開始を取り上げた新聞記事がありますので、そちらを紹介しておきます。「『吉田知子選集I 脳天壊了(のうてんふぁいら)』 吉田知子さん(作家)」(1/15 東京新聞)、「【著者に会いたい】吉田知子選集1 脳天壊了 吉田知子さん」(2/17 朝日新聞)。


東京新聞の記事によれば、《自著と言ってよいかどうかわからない。では自著でないかといえば自著のようでもある》、《そもそも出版することに賛成していない》、《こんな真っ黒表紙では売れっこないよなあ。収録作品もあまりに昔のもので記憶が薄い》と、さんざん(苦笑)。しかも、《版元は第三集まで出すというので、それだけは何とか阻止しようと目下鋭意説得中であります》などともある。どこまで本気なのかわからないけれど(苦笑)。


朝日新聞の記事はずいぶん雰囲気が違っていて、《文学はやっぱり短編だと思います。短ければ短いほど書くのは難しい。今の小説はどれも長いですね》なる著者のことばが引かれていたりします。


新しい版元が初めての本を、と意気込んで作ったものなんでしょう。それはいいんですが、であれば、もう少し造本は凝ってもよかったかも。こちらは、B6判並装。1575円と、手に取りやすい値段にしたかったのでしょう。でも、(先の加藤幸子さんの本と比べてもしかたないんですが)安ければ買うというタイプの本・作家とも思えないので、ここは決定版選集として長く残せるよう、造本も、函入りとは言わないまでも、せめて上製本にしてくれたらよかったのになあ、と、手元の本を見ながら、そんなことを思ったりしました。


……風邪っぴきの読書の話から、今日の購入本につなげてまとめるつもりが、どんどん脱線してしまいました。


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コメント

空犬様,児童書について書いてあると反応してしまいます.
連投お許しを.

風邪の時は児童文学かコミックを・・・賛成です☆
小学生時代に風邪の時に読んでいたことを覚えている本があります.
「ドリーム77」「トンカチと花将軍」「霧の向こうの不思議な町」
自分で見つけた日本の児童書ベスト3です.
病床で読んだから印象深かったのか大好きだから病床でも読んでいたのかは覚えてません.
ファンタジーは病床に合いますよね.

「ドリーム77」夢を配るという,夢のある話.小学校の図書館で見つけ,成長してから手に入れようとしても時既に遅し,今では検索でもろくに出てきません.
「トンカチ」は舟崎克彦夫妻作.「日本にもこんな作品が!!」と子供心に驚愕しました.単行本の表紙をめくるとプーさんのように森の地図が書いてあり,ワクワクしたものです.
「霧の~」は講談社文庫版のイラストがどんぴしゃで最高に雰囲気を盛り上げていました.

空犬様のお好きな作品や思い出はなんですか?
もしそのような過去記事がおありでしたら,教えて下さいませ.

  • 2020/02/15(土) 23:14:35 |
  • URL |
  • みこ #nLnvUwLc
  • [ 編集 ]

「好きな作品や思い出」

みこさん>
すみません、1件、見落としていました!

> 連投お許しを.
いえいえ、連投でもなんでも、反応は
いつだって大歓迎ですよ。

> 自分で見つけた日本の児童書ベスト3
「自分で見つけた」というのがポイントですね。

> 「ドリーム77」
知らない本でした。調べてみると、書き手は金重剛二さんで、
理論社から出ていた本なんですね。

> 今では検索でもろくに出てきません.
児童書は、熱心に読まれた本こそ、ぼろぼになって
しまったり、読みつぶされてしまったりで、古書市場にも
残りにくいので、名作や文庫入りしたものでないと
後で探そうとなるとやっかいなことがよくありますからね。

> お好きな作品や思い出はなんですか?
具体的な作品も思い出もありすぎて、もう
何からあげていいのやら、という感じです(笑)。

過去にも、あちこちで書いたような気がするのですが
まとまったかたちにはしていないかも。トークの
ねたにしたこともあります。
http://sorainutsushin.blog60.fc2.com/blog-entry-2826.html

> もしそのような過去記事
具体的な作品にはあまりふれていませんが、小学生
のころにふれたもので、こんな文章を書いたことが
ありますよ。
http://sorainutsushin.blog60.fc2.com/blog-entry-2564.html
よろしければ。

  • 2020/02/23(日) 18:26:07 |
  • URL |
  • 空犬太郎 #-
  • [ 編集 ]

ありがとうございます!

空犬様,こんにちは!

「霧の~」は,小学生でも買いやすかった講談社児童文庫で,「トンカチ」は小学校図書館で(後に思い出し高校時代に買いました),「ドリーム」は同じく小学校図書館で出会いました.お金のないコドモには図書館の存在が大きいですよね!

「ドリーム」や,父が昔買ってくれた「木いちごのおうさま」「点子ちゃんとアントン」(どちらも集英社単行本版)は,後年手に入れられなかったけれど,県の図書館から借りて読むことはできました!!
思い出をたくさんくれた学校図書館や公立図書館には今後も頑張っていって欲しいです.

しおりの思い出,素敵ですね♪ 貸し出しカード,懐かしいですよねー.
(空犬様の当時の読書範囲が,親近感わきまくりです!)

私は好きな男子がドリトル先生を読破しようとして,いつもシリーズの途中に彼の代本板(背部分に自分の名前の書いてある板を,借りた本の場所に差し込むシステムが昔ありました)を差してあるのを,確認していたという思い出があります☆

図書館の思い出と言えば,映画「ラブレター」が印象的でした.図書館本の扱い方に感動して,(もちろんストーリーも良かったけれど)DVDを買いました.
図書館での本や人との出会いって,ロマンチックです・・・

  • 2020/02/24(月) 14:15:58 |
  • URL |
  • みこ #nLnvUwLc
  • [ 編集 ]

学校の図書室(館)

みこさん>
すみません、こちら、返信漏れ、見落としてました。

学校の図書室・図書館は、やっぱり思い出がたくさん
ありますよね。

「代本板」!
ありましたね、こういうシステム。
これ、本好き同士で、話題にしたことが
あるんですが、専用の板が用意されていた
場合のほか、下敷きを代用するケースもあり
ました。ぼくの学校は下敷き派でしたね。

> 図書館での本や人との出会いって,ロマンチックです・・・

はい、わかります(笑)。図書館が出てくる本を
集めた本、なんてのも出てますから、本好きは
やっぱり好きなんですね、図書館という「場所」が。

  • 2020/03/19(木) 21:17:11 |
  • URL |
  • 空犬太郎 #-
  • [ 編集 ]

空犬様,下敷きですか!! そんな薄い物を・・・
ジャンル分けの仕切りみたいに差しとくんですかね?
そんなやりかたもあったんですねー.
小学時代の友人に次合うときには,
この話題出してみようかな. 面白そうです.

うちの学校では,学年別に色分けした,三角定規の
長いやつみたいな形の板(厚さ約1.5㎝)を使ってました.

でもこれを使ってたって事は,借りた本は自分で棚に
戻してたって事かな?
最近はみなカウンターに返して図書委員が戻します
もんね,多分.

  • 2020/03/23(月) 19:10:33 |
  • URL |
  • みこ #nLnvUwLc
  • [ 編集 ]

下敷きか代用板か

みこさん>
> 下敷きですか!! そんな薄い物を・・・
よくよく考えたら、そうですねえ。
でも、以前にこの話をしたら、ほかにも
下敷き派、いましたから、ぼくのところ
だけではなかったのかも。

全員持っているし、お気に入りの柄だったり
で、個性も出ていますから、目印には
ちょうどよかったんでしょうね。

> うちの学校では,学年別に色分けした,三角定規の
> 長いやつみたいな形の板(厚さ約1.5㎝)を使ってました.
ということは、それ専用につくったってことです
よね。図書室(館)のバックヤードみたいなところに
保管されていたんでしょうか。

このシステムを採用していた学校は、自分で本を
戻す派ですよね。そのための目印ですよね。

  • 2020/03/23(月) 20:31:37 |
  • URL |
  • 空犬太郎 #-
  • [ 編集 ]

空犬様,
代本板は,図書室入り口の,廊下を隔てた向かい側の
高い棚にずらりと並んでいました. 全校生徒分.
借りる時はまず自分の代本板を取って,次に図書室で
借りたい本の場所に入れて.
返すときはその逆・・・あれ? ということは一度に
一冊しか借りられなかったのかな?
そういえば毎日のように(好きなときに)借りてたから,
一日一冊をランドセルに入れて持ち帰ってたんだなあ.
懐かしい・・・

今と違って当時は絵本は学級文庫には多かったけど,
図書室には少なかった気がするので,
低学年も図書室では読み物を一冊選んで
借りてたんでしょうね,きっと.

なんかこういう細かいことを思い出すのも楽しいですね☆

  • 2020/03/24(火) 01:46:36 |
  • URL |
  • みこ #nLnvUwLc
  • [ 編集 ]

代本板

みこさん>いつもありがとうございます。

> 全校生徒分
なんと! すごいですね。最近はともかく、我々が
小学校のころって、生徒数がすごく多かった
わけですからね。

システムにも学校による違いがあるのがなんとなく
わかってきました。

ぼくの学校では、こんな感じ。
・本を借りるときは代本板的なものは使用せず。
 返すときも、カウンターで返すので、自分で
 棚には戻さない。
・代本板的なものを使うのは、読書の時間的な、
 クラスみんなで図書室に行って、さあ本を
 読みましょう、という時でした。
 そのときは、本は借りられるわけではないので、
 自分で棚に戻すので、そのための覚えが
 下敷きだったわけです。

> なんかこういう細かいことを思い出すのも楽しいですね☆
ですね。いろいろ思い出してきたので、これを
ねたに、いつか記事にまとめておこうかと。

  • 2020/03/24(火) 20:37:00 |
  • URL |
  • 空犬太郎 #-
  • [ 編集 ]

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