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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

本のある部屋、BOOK5、Sanpo magazine……本好き注目のミニコミ3点

本好き書店好きのみなさんの興味を引きそうな、こんなミニコミたちを最近買いましたよ。



本のある部屋BOOK5sanpo magazine 5

まずは『本のある部屋』。はこのなかによれば、《大阪の書店員さんのゆるい繋がり・OSKと連携して、有志で作った》《本好きのための雑誌》で、5月と11月の年2回発行とのこと。A5判32ページで定価500円。雑誌の表4(裏表紙)には「OSK発行」とあるのですが、奥付には「発行:朝日久美子」とあります。どっちが正しいのかな。サイトには、OSKと雑誌の関係について、《OSK自体は雑誌を作ることを目的とした集まりではないので、あくまでもその中の有志に協力していただき制作した、というかんじです》との断り書きがあります。


ちなみにOSKは、大阪書店員の会で、その名の通り、大阪の書店員さんたちの集まり。わたくし空犬も、大阪でOSKのみなさんの酒席に混ぜていただいたことがあるんですが、お店もキャリアも年齢も担当も違うみなさんが、わいわいと本や書店の話を楽しげに交わしあっていて、実にアットホームですてきな集まりなんですよ。


で、そのOSKのみなさんが、特集1「本屋大賞を全力で楽しむ」の座談会に参加しています。単なる本屋大賞讃歌ではなく、けっこう辛口の意見も飛び出したりして、おもしろい読み物になっています。大賞発表前に行われたせいか、話題が大賞作品に偏ることなく、いろんな作品にふれられているのもgoodでした。


特集2は「梅田書店マップで、もっと楽しい本屋巡り」。サイトの案内を引くと、《書店巡りの目的別ルートやら、寄り道スポットやらを詰め込んだマップ》。ケーススタディとして、目的別のおすすめコースなども紹介されています。


そのほかにも、《OSKメンバーで書店員兼イラストレーターのマリ猫さんのイラストページ、座談会の場所提供などでも色々お世話になった珈琲舎・書肆アラビク、森内さんの洋書レビュー、そしておまけ的にわたくしめの「妄想本棚」など》(文中の「わたくし」は発行人の朝日久美子さん)、書名通り、まさに「本がぎっしり詰まった部屋」のような、にぎやかで楽しい1冊になっています。好きな人が楽しんで作ったのが伝わってくる中身ですよね。


次号以降も楽しみだし、知らぬ仲でもなし、ということで、ここは、2つほど注文も。1つは、取り上げる本のバラエティ。今回は特集が「本屋大賞」なので当然、大半が本屋大賞関連の作品・作家の話になっています。次の特集がどうなるのかにもよるでしょうが、違うジャンル、小説以外など、いろいろな本の話をこのメンバー/この雑誌が取り上げているのを読んでみたいものだと思いました。


もう1つ。みなさんが力を入れて作られたマップですが、地元以外のお客さんが使えるようなものにするには、目印(どこで曲がるとか、何の隣とか、何番目の筋とか)をもう少し入れていただければなあと思いました。


ぼくは長く大阪に住んでいた者ですが、それでも、最近の大阪、とくにJR大阪周辺の変わりようは、ついていくのが大変。地下街なんて、目をつぶってても歩ける、ぐらいに思っていましたが、最近はちょっとあやしいことも。土地勘のあるぼくでもそうなので、初めて訪れる方、久しぶりに訪れる方にとっては、お店探しは大変だと思うんですよね。茶屋町とルクアと堂島なんて、けっこう離れてますしね。この地図「だけ」で(つまり、スマホの地図アプリやGPSを併用しないで、本当にこのマップだけをたよりに)、清風堂書店にたどり着くのは、非大阪人にとってはけっこう難しいのではと、正直なところ思いました。


というわけで。本好き書店好きにはおすすめのこの『本のある部屋』、ぜひ実物を入手していただきたいところ。委託店舗リストはこちらにありますが、この文章の執筆時点では、関東では、三省堂書店新横浜店のみのようです。


次の『BOOK5』も創刊号。《本に関わるすべての人へ発信する情報バラエティ誌》とあります。A5判32ページで定価500円と、『本のある部屋』とほぼ同じ体裁ですが、こちらは横型。


特集は「ひとりでつくる、みんなでつくる」。対談(『趣味と実益』の平山亜佐子さん×『おてもと』の猪俣貴寛さん)、インタビュー(編集室屋上の林さやかさん)、エッセイ(夏葉社の島田潤一郎さん)の3本立てになっています。いずれもおもしろいんですが、なかでも、島田さんのエッセイ「何もしたくない。」には、思わず笑ってしまいました。先日の記事で紹介した3人会での島田さんはまさにこのエッセイのノリなんですよ。


《誰にも言いませんが、僕はこういうことを日々考えています》などとしながら、妄想ベストイレブン(サッカー好きの島田さんは、好きな作家でベストイレブンをつくったら、などとよく妄想するそうです)の話をじゃんじゃん披露してますが、《誰にも言いませんが》も何も、鈴木さんとぼくは、3人会でこの話を聞いて、何度も大笑いさせてもらってますから(笑)。夏葉社のファンにはおすすめの一文です。


ほかに、書店好きが気になりそうな記事を拾うと、「古本屋ツーリスト」の小山力也さんによる「新刊屋ツアー・イン・ジャパン」(ジュンク堂書店新宿店の閉店が取り上げられています)、元ジュンク堂書店で現在は沖縄で「市場の古本屋」うらら書房を営む宇田智子さんの「古本屋開店記」なども。


『Sanpo magazine』は、前2者に比べると、しっかり雑誌然とした感じ。A5判126頁で、950円。表紙にも厚手のしっかりした紙が使われています。版元の大散歩通信社は、古本者なら、山本善行さん『古本のことしか頭になかった』、高橋輝次さん『ぼくの古本探検記』などの版元として覚えている人も多いでしょう。



本・書店ネタの比率の高かった前2者に比べると、こちらは本・書店以外の記事も多い(映画が多い)のですが、本・書店関連をひろうと、「古本ソムリエ氏と行く大阪古本修行散歩(その一)」と「Book Review 夏葉社の本」があります。


前者は、古本ソムリエこと山本善行さんを「師匠」に《大阪、谷町線沿いのお店を中心にお弟子さんに左岸洋子さんを迎え、古本屋さん七店とジャズ喫茶一店を回りました》というもの。古本を求めて街を散歩しているような気分にひたれる、おもしろい読み物になっています。後者は《「夏葉社」さんの本、四作品をとびっきりの読書人の方々に語っていただいています》というもの。《とびっきりの読書人》は、岡崎武志さん、北村知之さん、北條一浩さん、金子彰子さんの4人。


こうして見ると、今回紹介するミニコミ3点には、ノリや体裁に共通点があるだけでなく、関わっている方、取り上げられている方も重なっていますね。大阪古本修行散歩の左岸洋子さんは『BOOK5』にも稿を寄せていますし、「師匠」山本善行さんは、夏葉社の『星を撒いた街 上林暁傑作小説集』の編者。その夏葉社も、『BOOK5』『Sanpo magazine』の2冊に登場。夏葉社の全点書評のうち『レンブラントの帽子』の稿を書いている岡崎武志さんは、『BOOK5』にイラストを提供しています。


3点とも、どこでも簡単に買える雑誌ではないかもしれませんが、本好きならば、わざわざ探してみる価値のあるものばかりだと思います。それぞれの取扱店については、『本のある部屋』はこちらを、『BOOK5』はこちらを、『Sanpo magazine』はこちらを見てみてください。



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  • 2012/06/09(土) 14:40:49 |
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