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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

やっぱりすごい書店員さんたち……そして、映画本、特濃ビートルズ本など、ルーエで買った本たち

4/10が本屋大賞だったので、4/10と翌11日は、式に参加すべく集まってきた書店員さんたちが、あちこちの書店を回っているのが、ツイッターを眺めていたらまるで実況のように伝わってきて、こちらも一緒に書店回りをしているような感じで、楽しませてもらいました。


それにしても、書店員さんたちの研究心というか探求心というかには、ほんと驚かされます。たまにしか東京に出てこない、なかには初めて東京に出てくる方もいたようなのに、みんな観光のようなこともせずに、せっせと書店回ってるんだからなあ(笑)。おまえも同じこと、都内でも旅先でもやってるじゃないか、と言われればたしかにそうなんですが、ぼくの場合、本の仕事とはいえ、書店員ではないので、毎日書店にいるわけではありません。書店員さんたちは朝から晩まで、毎日書店にいる人びとですからね。いやはや。


この空犬通信では繰り返し書いていることですが、金太郎飴書店なんてないんですよね。書店員さんたちの行動がまさにそのことの証左になっている。同じものを同じ値段で扱っていたって、やっぱり書店はお店によって、人によって、まったく違うものになりうるし、実際になっているのです。だからこそ、みんな、嫌というほど見ているはずの書店を、わざわざ見て回ったりするんですよね。


先の記事にも書いた通り、ぼく自身は本屋大賞には縁がないんですが、知り合いの書店員さんが訪ねてきてくれたりしたので、何人かの方に会うことができました。今回初めてお会いした書店員の1人に、WEB本の雑誌の「突発企画」、「迷う門には福来る」の書き手、久田かおりさんがいます。この連載をお読みの方なら説明不要かと思いますが、独特過ぎる方向感覚をお持ちの方。待ち合わせ場所に本当に現れてくれるのかと、直前まで、どきどきさせてもらいました。


過去3回はどれもおもしろいんですが、最新回、「北の旅は命がけ」もいいですよねえ。笑いながら読み進めると、最後から2つめの文にこうあります。《後で乗務員のヒトに聞いたらこういうことはよくあるそうだ》。読んできた人全員がここで、思いっきり突っ込みを入れている様子が、ほんと、目に浮かぶようです。


このような方を、本屋大賞当日、往来堂書店にお連れして、お昼をご一緒したんですが、今にして思えば、大変なミッションをこなしていたんだなあ(笑)。


「書店」と「迷う」で思い出しました(って、話題の転換が強引なのは承知のうえで)。こんな記事がありましたね。「グーグルのメガネで思う「変なものがそのうち実現する」面白さ」(4/11 PC Online)。Googleのメガネ型ウェアラブル・コンピュータ、「Project Glass」の紹介記事で、直接本とか書店に関係があるわけではないんですが、記事に、書店に出かけるという設定があり、運行情報がチェックできたり地図が示されたりできるという説明に続いて、こんなくだりがありました。《眼鏡は、書店の中でも探している本のありかを教えてくれるし、友達とビデオチャットするのも、眼鏡の中でできる。見ている風景をそのまま、相手とシェアするのもシームレスに可能》。


こんなのがあったら、久田さんも迷わないかもなあ、でも、こんなのがあったら、あのおもしろエッセイは読めないしなあ、って、よけいなお世話すぎることを思いつつ、さらに、街なかではともかく、書店のなかでは要らないかもなあ、とも。欲しい本が決まっていて、一刻も早くその商品にたどり着き、用事を済ませて出たい、と考えるタイプの方、本屋さんでうろうろすることを楽しみだと感じない、感じられないタイプの方には便利なのかもしれないが、おそらく多くの本好きは、本は自分の眼で探したいと本好きなら思うだろうから、メガネに本を見つけられたりしたら、それは便利であるよりむしろよけいなお世話なんじゃないかなあ、などと思ったりしました。まあ、SF好きとしては、こういうガジェット自体はきらいじゃない、というか、むしろ積極的に試してみたい気もするんですけどね。


我ながら、長過ぎる前ふりですが、先日ルーエで買った本の紹介を、ごく簡単に。



まずは映画本を2点。『衝撃の世界映画事件史』は表紙を見ればおわかりの通り、『コーマン帝国』にタイミングを合わせたと思われるムック。2部構成で、副題にある通り「大衆映画の帝王ロジャー・コーマン」と「映画業界が封印したトラブルの歴史」になっています。とりあげられている人物やネタは好みの範疇のものなんですが、ロジャー・コーマンのロングインタビューを含む前半は、既読感があるというか、なんというか、ちょっとのれずにいます。後半に期待。



古澤利夫さんと言えば、スター・ウォーズファンには説明不要の名前、SW関連の日本人としては再重要人物の1人ですよね。版元の内容紹介には、《世界中でただ1人、スター・ウォーズ全シリーズのプロモーションを担当した宣伝マンが、洋画の黄金期を語り尽くす。映画好き必読の書!》《ただ1人、G・ルーカス、J・キャメロンとサシで話せる男が、仕事について作品について初めて語る!》とあります。ジブリのPR誌『熱風』の連載を含むので、部分的には目にしているんですが、やはりまとめて読むと違いますからね。この内容で570ページ超なので、あまりぜいたくは言えませんが、これ、人名索引と作品名索引があればなあ。資料本としての価値が倍増したはずなのになあ。


そうそう、映画本と言えば。ワイズ出版から文庫が出るんですね。


IMG_1345.jpg

↑ワイズ出版のフリペ「本魂 HONTAMA」。第2号とあります。この「本魂 HONTAMA」によれば、「ワイズ出版映画文庫」の最初の2冊は、以下の通り。


  • 石井輝男、福間健二『完本 石井輝男映画魂』(ワイズ出版)
  • 山田宏一『映画的な、あまりに映画的な マキノ雅弘の世界』(ワイズ出版)

第1弾の『石井輝男』4月下旬発売、第2弾の『マキノ雅弘』は、5月発売予定とのこと。第1弾は、688ページとボリュームがあることもあって、1500円超と文庫にしては高めの値段ですが、他で読めないような映画本が以降も入りそうなレーベルで、気になりますね。


『サイバラバード・デイズ』は、新★ハヤカワ・SF・シリーズの新刊。《〈ディック賞特別賞受賞〉ロボット戦士にあこがれる少年の冒険譚「サンジーヴとロボット戦士」、ヒューゴー賞受賞作「ジンの花嫁」など七中短篇を収録する、二〇四七年のインドを舞台にした連作短篇集》という、内容紹介を読んだら、ロボット好きとしては手に取らざるを得ませんね。『SFマガジン』年5月号はイアン・マクドナルド特集で、短篇とインタビューが掲載。そちらも合わせてぜひ。


今朝、電車のなかで読み始めた『アナログ・ミステリー・ツアー』。冒頭数ページで、もう思わず笑ってしまいました。だってね、何が書いてあるのか、さっぱりわからないんだもの(笑)。


いや、もちろん、ぼくが読んでわからない本は世の中にいっぱいあるんですが、これ、ビートルズ本ですからね。で、こちらは小学生のときからの30年選手の聴き手、オリジナル盤とか高価な盤、稀少盤こそ持ってませんが、あれこれ種類変えていろいろ持ってるし、ビートルズに関しては、アナログで聴くことのほうが多い、アナログ派ですからね、一応は。そのようなリスナー/読者が、まったく話についていけないんだから、いやはやもう。その濃度が想像つくかと思います。


で、本書、話についていけなくてダメな本なのか、というと、ぜんぜんそんなことはなくて、なんだかよくわからないけど、すごいんですよ。こういうの、好きです。ここまで情報濃度が突き抜けてると、たとえそれらが理解できなくても、共有できなくても、生なすごさだけが伝わってきて、読書体験的にはそれはそれでいいんですよね。ああ、うまく文章化できないのがもどかしいい……。


まずは、本をぱらぱらやってみてください。ジャケ写よりレーベルの写真が多い時点で、なにより、始まって10ページもならないのに、アナログ用語解説が載っている時点で、続いて、カートリッジのモノラルかの改造方法が載っている時点で、多くの読者が脱落しそうですが、ちょっとガマンして、102ページを開いて、図版とキャプションを読んでください。ここで大笑いできたら、あなたは、他の8割ぐらいの話がわからなくても、この本を買うといいと思います。


1つだけ、本文の内容がよくわからないような初心者読者から見て、ちょっと残念な点が。プレスの違いによる音の違いをみるという本の主旨のせいもあって、アルバムジャケ写は非常に少ないんですが、その少ないジャケ写の色味がちょっと今1つなんですよねえ。全体に赤がかぶってるんでしょうか、20ページの「Please Please Me」とか、120ページの「Beatles For Sale」とか、4人の顔が真っ赤に見えてます。アートワークを云々する本ではないとはいえ、この点だけが(素人が見てもすぐにわかっちゃうという意味でも)ちょっと残念でした。


ビートルズって、デビュー50周年なんですよね。そのせいか、ほかにも出版物がいくつか目につきますね。『ギター・マガジン』5月号がビートルズ特集だし、ビートルズ本を集めたムック、『BEATLES BOOK バイブル』なんてのも出てましたね。


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コメント

すごいですか。

その節は大変お世話になりました。有名人お二人に囲まれ、普通の人の私はうはうはしているだけですが。

某版元営業さんと話したのですが、書店員はかなり変わった人達のようです。観光地 兼 目的地が本屋で成立する人種。当たり前だと思ってたら世間から見たら「オカシイ」と。あれ?

  • 2012/04/13(金) 02:55:39 |
  • URL |
  • みやざき とおこ #-
  • [ 編集 ]

すごいですなあ

みやざき とおこさん>
こちらこそありがとう。
こちらも「普通の人」の側にカウントしておいてくださいw。

> 書店員はかなり変わった人達のようです。
「変わった」とは思わないけど(自分も同じメンタリティ
だし)、やはり「すごい」とは思うなあ。

  • 2012/04/13(金) 23:30:12 |
  • URL |
  • 空犬 #-
  • [ 編集 ]

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