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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

図鑑好き大集合……『本の雑誌』の今月号は図鑑特集

本日発表の本屋大賞は、三浦しをんさんの『舟を編む』に決まったようですね。おめでとうございます。でも、今日は本屋大賞とは関係のない話題を。『本の雑誌』、今月号は、みんな大好き(ですよね?)図鑑特集です。



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↑『日販通信』のときもびっくりしたけど、まさか、我がハンドルが、『本の雑誌』の表紙に載る日がくるとは(涙)。


特集「図鑑で遊ぼう!」は、こんな内容。《さあ、春だ! 虫も出てくりゃ、花も咲く。おお、地面をうごめくこの虫はなんだ! というわけで本の雑誌5月号の特集は「図鑑で遊ぼう!」。見てるだけで楽しい大人向けの図鑑を空犬とアルパカがおすすめする悶絶対談から、子どもならではのイチオシ図鑑、偏愛図鑑に翻訳図鑑、図鑑編集者のマル秘話まで、図鑑を持って出かけたくなる春爛漫特集だ。友よ、宇宙の果てから海の底まで、図鑑とともにイモムシ、おじさん、新幹線、ティラノサウルスに会いに行こう!》


図鑑といえば、過去にこんな記事を書いているぐらいの図鑑好き。元図鑑少年にして、現役の図鑑好きでもある身としては、内容紹介に並ぶ文字列を見ているだけでうれしくなる特集です。で、そのうれしい特集に、なんと、図々しいことはなはだしいんですが、対談記事の語り手の一人として登場してしまいました……。しかも、巻頭……。ほんと、すみません……。


タイトルは、「おすすめ図鑑対談 役に立たなくてもいいのだ!」。お相手はアルパカ内田さん。タイトル通り、ふたりがかりで、自分の「偏愛」する図鑑、それも、役に立たなさそうなものたちについて、語りまくっています。どんな図鑑を取り上げ、それをどんなふうに紹介、偏愛しているかは、ぜひ本誌を見てみてくださいね。


アルパカ内田さんとは同世代。どちらも『おじさん図鑑』(小学館)に登場していてもおかしくない、40過ぎのおやぢなんですが、自分の好きな図鑑の話を楽しげに披露しあっている様は、もう、なんというか、男の子丸出しですよね(苦笑)。図鑑少年というのは、一度なってしまうと卒業できないものなのだと、再確認しました。


読者のイチオシ図鑑とか、泉麻人さん、吉野朔美さんらの偏愛図鑑とか、図鑑編集部見学とか、図鑑編集者対談とか、他の記事も図鑑好きにはたまらないものばかりなので、図鑑好きには強くおすすめしたいです。


なかでも、個人的にうれしかったのが、沢野ひとしさんの「図鑑人生」。記事のタイトルがすでに図鑑好き的には琴線ものですが、中身もすばらしくって。昭和31年に出た「小学館学習図鑑シリーズ」を、「これほど丁寧に子どもに親身になって作られた図鑑は見たことがない」と大絶賛しています。うちにもあったんですよねえ、このシリーズ。ぼくが好きだったのは、「動物」の巻。今でも見開きのイラストとか、覚えてるものなあ。沢野さんが紹介している「鳥類」の巻もほしいんですが、記事にご本人が書いているとおり、けっこうな古書価がついているんですよね。でも、ほしいなあ。


対談当日は、本に掲載された記事でふれている図鑑以外にも、たくさんの図鑑を用意していたんですが(関係ないけど、ぼくは軟弱なので、事前に送っておいたんですが、内田さんは、大部の図鑑十数冊を抱えて現れたので、びっくりしてしまいました。人が死んでもおかしくない重量ですから;笑)、時間や紙幅の関係でふれられなかったものがありますし、後になって思いついたものなどもあります。対談に登場していない図鑑をいくつか紹介しておきますね。


おっと、その前に、「図鑑」とはなんぞや?、というお話を。図鑑と言えば、多くの方は、子ども向けの大判の学習図鑑を思い浮かべるのではないかと思いますが、書名に図鑑とつく書物は、児童向け学習図鑑以外にもけっこうたくさんあるんですよね。対象年齢も、判型も、テーマも。さらに、書名に「図鑑」と入っていないけれど、造りや内容はまさに図鑑、という書物もたくさんあるからややこしい。


辞書的な定義だと、写真や絵などを用いて、事物の形や特徴などを説明している本を指すという趣旨のまとめ方をしているものが多いようです。対談にあたって、「図鑑」をどうとらえるかはちょっと迷ったんですよね。書名に「図鑑」が入っていなくても、図鑑的に編集されたものはよしとするか、あくまでも「……図鑑」のみとするか。


結局、対談当日は、書名に「図鑑」とあるものを中心とし、図鑑と入っていないものはごく一部を取り上げるにとどめました。以下にふれるものも、同じ考え方でセレクトしたものです。


  • 大伴昌司『カラー版 怪獣ウルトラ図鑑』(秋田書店)
  • いんちき番長、加藤アングラ『いんちきおもちゃ大図鑑 中国・香港・台湾・韓国のアヤシイ玩具』(社会評論社)
  • 『ロボットと未来のくらし』(小学館なぜなに学習図鑑シリーズ)
  • 山下純弘・佐藤隆俊『ティントイ ロボット図鑑』(グリーンアロー出版社)

(いつものように、ここからの脱線が長いのです……。)


対談では、大伴昌司さんの怪獣図鑑として、『怪獣図解入門』(小学館)をあげたんですが、「図鑑」としては本来ならこっちですよね。1968年初版の、昭和特撮少年の定番。つい先日、復刊されたんですが、対談の時点ではまだ本が出ていなかったんですよね。復刻版の情報は、こちら。復刊ドットコム


これ、初版から1970年ごろまでは、「スペル星人」が掲載されていたんですよね。ウルトラセブンに登場する星人ですが、特撮にくわしい方ならご存じのとおり、「ひばく星人」という呼称が問題になって黒歴史化、登場する第12話は現在も欠番になっています。当然、書籍類からも削除されることになり、この図鑑でも、途中の版からは、ガッツ星人の写真に差し替えられています。


今回の復刻版は、想像つくとは思いますが、初版ではなく、差し替え版のほうです。そのことで、一部、マニアの方々の不興を買っているとも聞きますが、スペル星人の掲載の有無とは無関係に、この本はすばらしい図鑑だと、個人的には思うのです。オリジナル版にこだわる方は引き続き古書をあたっていただくとして、そのようなこだわりのない方には、この復刻版をおすすめします。


次は、いんちきおもちゃの図鑑。これ、表紙がすでにヤバいです。


いんちきおもちゃ図鑑

たまらんでしょ(笑)。どこのドラだよ。そもそも、ドラなのかよ、って(笑)。表紙見て気になった人は、中身もチェックしてください。「著作権」、いや「権利」ということば自体が辞書に載っていないのではないか、としか思われないような文化圏が生み出した奇天烈なトイたち。どんなに嫌なことがあった日でも、寝る前に本書を眺めたら、だいたい復活できますから(笑)。


本書を企画編集したのは、強烈でユニーク過ぎるおもしろ本を次々に世に送り出しているハマザキカクさん。先日、お目にかかる機会があったんですが、いやはや、作ってる本もおもしろいけど、ご本人はもっとおもしろかった! 大いに刺激を受けましたよ。ハマザキさんとハマザキさんの手がけた本は、こんなふうに何かのついでに取り上げるのはあまりにもったないので、またいつかあらためて。


図鑑と言えば、男の子の定番としては、車や飛行機など乗り物類もありますが、ぼくは生き物のほうが好きだったので、そちらにはあんまり惹かれませんでした。ロボットものアニメの洗礼を受けまくった世代的なこともあるでしょうし、生き物好き故、人型に反応したというのもあるのかもしれませんが、メカ的な興味の対象は、もっぱらロボットに集中。そのロボット好きが子ども時代に好きだったのが、多くの昭和の小学生にトラウマを植え付けた伝説の図鑑シリーズ、小学館の「なぜなに学習図鑑」の『ロボットと未来のくらし』。


これ、ほんとにすごいんですよ。調べてみたら、ページを見られるようにして紹介しているサイトがいくつか見つかったので、そのトラウマメイカーぶりをそれらのページでまずはご覧いただきたい。こちらとか、こちらとか、こちらとか。すごいでしょ、いろいろな意味で(苦笑)。ここまでダーク&ヘビーな未来観を小学生に刷り込みまくるなんて……すごすぎる(笑)。


これ、ぜひ手に入れたいんですが、大変な古書価がついていて、なかなか手がのびません。何度か古書店・古書展で目にしているのですが、1万円を切っているものは見たことがありません。これの代わりとして対談でふれたのが、堀江あき子さんの『昭和少年SF大図鑑』 (らんぷの本、河出書房新社)。あと、最近出た青幻舎の『昭和ちびっこ未来画報』も同種のレトロフューチャー感を手軽に楽しめる本としていいですね(文庫判で図版サイズが小さいのだけが残念ですが……)。


ロボットは、スーパーロボットみたいなのよりも、ブリキのおもちゃになっているような、レトロなルックスのロボットのほうが好きなんですよね。だから、当然、そのようなものを集めた図鑑は大好物。『ティントイ ロボット図鑑』の版元、グリーンアローは、「グリーンアロー・グラフィティ」というシリーズ名で、ミニカー、ウオッチ、懐かし玩具、スニーカー、カシオGショックなど、大きな「男の子」が喜びそうなモノを集めたソフトカバーのなんとか図鑑をたくさん出していました。


最後に、図鑑ではないけれど、図鑑関連本ということで、この本を紹介しておきます。


  • いせひでこ『ルリユールおじさん』(講談社)

以前は理論社から出ていたものですが、いろいろあった後、昨年、講談社から再刊されました。本好きにはよく知られた1冊ですね。ずいぶん前ですが、別のところでこの本のことを紹介したことがありますが、それを引きつつ、あらためて紹介しておきます。


図鑑って、子どもはお気に入りの巻をぼろぼろになるまで読み込んだりしますから、だいたい、読みつぶされちゃうんですよね。だから、図鑑好きだった人ほど、子どものときの図鑑って手元に残っていなかったりしますし、さらに、そういうふうに読みつぶされちゃうので、古書市場にも出回りにくく、先の小学館のロボットものや沢野さんが紹介していた本のように、けっこうな値段がついちゃったりします。ぼくの場合も残念ながら当時の図鑑はまったく残っていませんし、それどころか、かつて大好きだった図鑑が、その後どうなったのかさえ、まったく記憶にありません。弟がいたから、自然に譲渡されることになったのか、役目を終えたとして、廃棄されることになったのか……。


『ルリユールおじさん』の主人公、ソフィーは、植物図鑑を大事にしている少女。大事な図鑑がぼろぼろになって、本の体裁を失いかけたとき、「ルリユール(relieur)」のところに持っていくように言われます。聞き慣れないことばですが、フランス語で、「製本職人」の意。


もし、子どもころのぼくに、このような幸せな出会いがあったら、あのころさんざん幼い想像力を遊ばせた宇宙や古生代の世界は、今も手元に残っていたかもしれません。そして、それこそ、図鑑編集者になっていたかもしれません。


図鑑好きのソフィーが、その後どうなったか。それはぜひ、『ルリユールおじさん』で確かめてみてくださいね。


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コメント

明日にでも

お~!
本の雑誌、さっそく買います。

  • 2012/04/11(水) 23:36:49 |
  • URL |
  • すぐり #-
  • [ 編集 ]

おお、すごい~!
さっそく買って読ませていただきます!

  • 2012/04/12(木) 01:35:33 |
  • URL |
  • sugata #8Y4d93Uo
  • [ 編集 ]

ありがとうございます!

すぐりさん、sugataさん>
いつもありがとうございます!

飲み話みたいな対談ですが、どうぞ、
あたたかい目で流し読みしていただければとw。

  • 2012/04/12(木) 20:03:57 |
  • URL |
  • 空犬 #-
  • [ 編集 ]

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  • 2012/04/10(火) 23:01:24 |
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