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空犬通信

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ジュンク堂書店、弘前に新規店をオープン

前回の記事で、新宿店の閉店を大きく取り上げたばかりのジュンク堂書店。今度は、新規オープンのニュースです。噂だけは以前から聞こえていましたが、ようやく正式発表になったようですね。「中三弘前にジュンク堂書店進出へ」(3/30 東奥日報)、「中三弘前店に大型書店「ジュンク堂」出店」(3/31 陸奥日報)、「ジュンク堂書店弘前・中三に進出 5月・青森県内初」(4/4 河北新報)。


東奥日報を引きます。《全国展開している書店「ジュンク堂書店」(神戸市)が5月3日、百貨店「中三」弘前店内に進出する。中三(青森市、向中野光秀社長)が30日に発表した。ジュンク堂は県内初出店。弘前店の6、7階に入居し、県内最大規模の書店となる。》


中三弘前店を運営する株式会社中三(「なかさん」と読むそうです)によるプレスリリースがありました(リンク先はPDFファイル)。それによれば、《弘前店の6階・7階の2フロアーに、県内一の売場面積、約800坪のスケールで、県内初の大型書店「ジュンク堂書店」をオープンいたします》とのことで、《蔵書数80万冊を超える県内最大規模でジュンク堂ならではの書籍を品揃えし、6階の一角にはMARUZENの文具売場を展開、高級筆記具、ステーショナリーなど多彩な商品を集積して、楽しく、わくわくする新しいコーナーを展開します》となっています。


プレスリリースで約800坪とされている同店のサイズですが、6階が約550坪、7階が約248坪となっている別資料もありました。この数字に文具が含まれているのかどうかはわかりません。


地方にメガストアができるときには、必ずといっていいほど、そんなに大きなお店が必要なのか、大丈夫なのか、周囲の書店への影響は、という話題になります。今回もすでにそのような意見が出ているのを見聞きしましたので、参考までに、ちょっと調べてみました。


弘前市は人口は約18万人。東京で言うと、三鷹市とか小平市とかと同じぐらいの規模のようです。意味のある比較かどうかわかりませんが、同じ東北のジュンク堂の例で見ると、秋田県秋田市は人口約32万人で、ジュンク堂書店秋田店は650坪。岩手県盛岡市は人口約29万人で、ジュンク堂書店盛岡店は730坪。盛岡市は、人口規模的には青森市と同じぐらいのようです。


店舗・商業施設の成否は、お店が市内のどのような場所にあるのか、同業競合店が近くにあるのか、など、種々の要素がありますから、人口は1つの目安に過ぎません。周辺地域からの流入を含む休日人口がどうかというのも大きな要素ですよね。東京、中央線沿線の例でいうと、吉祥寺を抱える武蔵野市は人口14万人弱と、お隣三鷹市の18万強よりもずっと少ないのですが、商圏の規模・賑わいは比較するまでもありません。なので、人口・市のサイズに基づいた単純な比較で安易なことは言えませんが、参考程度に見たとしても、街の規模は、800坪クラスの書店の立地としては、けっこう微妙な感じかもしれません。


競合店としては、弘前には紀伊國屋書店がありますね。あと、調べてみたら、ナショナルチェーンでは宮脇書店(*追記あり)、くまざわ書店もあり、さらに複数の書店があるようです。弘前は訪問したことがなく、街の様子がわからないので、距離的に、商圏的に、客層的に、それらのお店がどのような競合関係になるのか(または、ならないのか)はわかりません。ただ、少なくとも、それほど規模の大きいとは言えなさそうな商圏に、すでにこれだけの同業店があることを思えば、今回の件については、ずいぶん思いきった出店だなあと、そんなふうに思わずにはいられませんね。




*追記(4/5):宮脇書店、以前は、ジョッパルという大型商業施設内に「弘前店」があったようですが、商業施設の閉鎖に伴い2009年に閉店。現在は、さくら野百貨店内に、「さくら野弘前店」があるようですが、地図で見るかぎり、今回ジュンクが出店するエリアとはちょっと離れているようで、単純に競合店として列記するのはちょっと無理があるようでした。以上、コメント欄でいただいた情報をもとに、訂正・補足いたします。情報、ありがとうございました。

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コメント

ジュンク堂書店弘前店

おはようございます。はじめてコメントさせていただきます。
私は専門書出版社の営業をしており、弘前に年に数回訪れています。
中三百貨店は、ちょうど弘前の商業集積地「土手町」にあり、集客にはもってこいという感じはしますが、すでに中三がある土手町通り沿いには200mも行かないところに紀伊國屋書店弘前店があります。
弘前は青森県の国立大学・弘前大学があるように、文化的な香りのする都市ではありますが、ブログにあるように大きいといえる都市ではありません。確かにクルマ社会ではありますが、逆に中三百貨店は提携駐車場があまり多くないとも聞いたことがあります。
紀伊國屋書店が出店するときは、地元の書店組合が反対運動を起こし、故・松原会長が何度も膝詰め談判をし、結果、紀伊國屋書店は書籍を扱い、雑誌は弘前ブックセンターという別法人が運営するという形態で落ち着いたというエピソードもあるとか。また宮脇書店は直営店を弘前に出店しましたが、数年で撤退(まぁそれは出店したビルに問題があったのですが)、在庫は現・青森本店に移したという事実もあります。
今回の出店は、新宿店の閉店→在庫の移転先探しというニオイもしなくはありませんが(笑)、立場的にはあまり喜ばしい出店ではないと判断いたします。

長文、駄文失礼いたしました。
これからもブログ拝見させていただきます。

  • 2012/04/05(木) 06:28:02 |
  • URL |
  • CTSmith1986 #-
  • [ 編集 ]

Re: ジュンク堂書店弘前店

CTSmith1986さん>
訪問&コメント、ありがとうございます。

詳細な情報、ありがとうございました。記事にも書きましたが、
個人的にまったく縁のない街で、様子がわからぬままに
書いていましたので、とても参考になりました。

宮脇書店は撤退だったんですね。古い資料を見ていた
ようです。本文にも訂正を入れておきます。

> 今回の出店は、新宿店の閉店→在庫の移転先探しという

まあ、これについては、書店側の事情はともかく、版元側
も、ほっとしているところがいくつもあるでしょうから、
あえてふれないのがいいかもしれませんね(苦笑)。

関東圏以外の書店事情については、報道や伝聞などを
元にしたものが多くなります。またお気づきの点などあり
ましたら、ぜひコメント欄にていろいろ教えていただけると
うれしいです。ありがとうございました。

  • 2012/04/05(木) 11:59:22 |
  • URL |
  • 空犬 #-
  • [ 編集 ]

好き嫌い

beckhamさん>
訪問&コメント、ありがとうございます。

好き嫌いを表明したり、それをもとに文章を書いたりは、
美学・美術にかぎらず、重要な場合もあると思います。
やはりケースバイケースで、この雑誌の場合には
とてもそのようには思えなかったということで、
書いた記事でした。

ご意見、ありがとうございました。

なお、この記事は冒頭に断っていた通り、ふだんは
書かないようにしている批判的な内容の記事で、
自分でも読み返して気持ちよく読めるものではない
ので、この機に削除しました。

>  水声通信は美学・美術系の雑誌ですから好き嫌いの趣味判断は重要かと思います。
>  先生というものは普段、自身の趣味判断に理論武装をしているものです。その先生の本音を知るという意味では、学生にとってありがたいアンケートです。
>  学生は理路整然と話す先生に少なからず魅了されてしまって、先生の意見と自分の意見の距離が取れなくなるものですから。

  • 2012/04/08(日) 10:24:00 |
  • URL |
  • 空犬 #-
  • [ 編集 ]

初めてコメントさせていただきます。

不動産開発に携わっており、大型店のテナント誘致などにも関わっている者です。

因みに弘前市は人口こそ少ないですが、商圏は、青森市を除く津軽地方一円、秋田県北と、かなり広く大きいです。


後、特徴的なのは、地方都市にしては珍しく、電車やバス等の公共交通機関を利用した集客のウエイトが大きい点。
(駅前立地のイトーヨーカ堂弘前店がヨーカドーの中でも長らくトップクラスの売上)


因みに、
弘前市に紀伊國屋が出店したのは、商圏人口の大きさの他、やはり国立大学の存在が大で、専門書等の外販の需要が寄与、

また、
青森駅ビルに宮脇書店が開店した現在の事情は存じませんが、本を探しに青森市から弘前市の紀伊國屋まで、なんて人も多くいます。



青森県に出店するなら、都市規模の大きい青森市や、同じく大きな商圏人口をもつ八戸市より、弘前市を選択する、
というのはマーケティング的に妥当、とは思います、


が、

近接する紀伊國屋との並立はオーバーストア、となるのか、

はたまた、この大型店の集積が、相乗効果で書籍の商圏人口の拡大となるのか、

これは微妙なところですね。


何れにせよ、弘前市は人口以上にポテンシャルは大きい都市ではあります。

  • 2012/05/04(金) 21:31:51 |
  • URL |
  • ある #-
  • [ 編集 ]

商圏人口

あるさん>
訪問&コメント、ありがとうございます。
不動産開発に関わってらっしゃるとのこと、
プロならではの詳細な情報、ありがとう
ございます。

書店の出店について、人口だけを重視して
いるわけではないことは本文にも書いた通り
です。周辺地域や周辺商圏との関係で、
集客の程度もお店の成否も変わってきますね。

やはり、書店好きとしては、気になるのは既存店
との関係です。
> 近接する紀伊國屋との並立はオーバーストア、となるのか、
> はたまた、この大型店の集積が、相乗効果で書籍の商圏人口の拡大となるのか、
の部分ですね。なかなか行く機会のないエリアですが、
自分の目でも見てみたいなと思っています。

  • 2012/05/06(日) 21:10:45 |
  • URL |
  • 空犬 #-
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