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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

リブロ池袋本店春の古本まつりにて、書店関連雑誌をまとめてゲット

先日、池袋で書店回りをした帰りがけに、池袋で開催中の古本市、「リブロ池袋本店 春の古本まつり」に寄ってきました。


リブロ春の古本まつり

すっかり数を減らしてしまったデパート古本市ですが、そのなかにあって、このリブロの「古本まつり」は、規模といい、出店書店の顔ぶれといい、なかなかの充実ぶりで、毎回楽しみにしている古本市の1つ。あれ、ところで、いま「デパート古本市」としましたが、これ、冠は「リブロ池袋本店」なんですよね。でも、会場は「西武池袋本店」(正確には、別館2階「西武ギャラリー」)。「デパート古本市」の1つとしておいてもいいんですよね。


ハーフノートブックスや、にわとり文庫など、好みの本を大量に出している本屋さんが参加しているもので、油断すると、あっという間に予算オーバー。気をつけて買い物しなくてはなりません。その2店ほか、あちこちの棚で気になる本が目についたのですが、でも結局、今回は、棚からはまったく買い物できませんでした。というのも、事前に注文した本のうち、ちょっと値のはるものがあたってしまったからなんです。うち、1つが、こちらです。


本屋さんか

↑時代を感じさせる表紙です。


『本屋さんか』という雑誌の10冊セットです。この雑誌、これまでにも古書店や古本市で見かけたことは何度もあるものの、バラで読んでもなあ、と思って手を出さずにいたのですが、今回、目録に、第2号から最終号と思われる11号までの10冊セットが出ていたんですよね。雑誌のボリュームや造りからすると、決して安価とは言えない値段だったんですが、以前から気になっていた書店本だったので、えいやと注文してみたところ、あたっちゃったというわけです。


さて、表紙に「本屋をめぐる井戸端会議マガジン」なるコピーが踊るこの『本屋さんか』がどんな雑誌かというと。判型はA5判、第2号が32ページで120円、10号が64ページで350円、それ以外は48ページで200円。発行は「本屋さんか舎」。住所は東京都日野市になっています。発行年は、第2号が1984年11月、最終11号が1988年5月。


見るからに「ミニコミ」っぽい感じですが、ちゃんと一般書店で流通していたようで、取扱店の一覧を見ると、都内の大は紀伊國屋書店の本店から小は中央線の駅前書店まで、けっこうな数の書店があがっています(実際、ぼくが買った本にも、書泉グランデのチラシと、1985年のカレンダーが複数はさまっていました)。後述する、編集人の方の文章には《「本屋さんか」は同人誌ではなく、リトルマガジンを目指した。直接本屋に配本して、店頭での勝負に挑んだ。取り扱い本屋は都心部中心に70店弱まで増やしていった》とありました。広告も版元のほか、出版関係外のところのも入っています。きちんと雑誌として成立していたことがうかがえます。


体裁や発行形態はともかく、注目すべきはその中身。10冊から、ランダムに記事や特集、連載のタイトルをピックアップしてみます。
「特集・新宿ビル街を歩く」
「古本屋さんか」
「海外本屋事情」
「本屋のお姉さん」
「特集・本の一生・取次・配本:
「おしゃれな街の本屋さん」
「古本屋で過ごした日々」
「特集・ユニークな書店」
「古今東西・本屋のミニコミベスト」
「郊外書店を考える」
「本を包む」
「じょうずな本屋のつかい方」
「本屋のカバー大特集」
「こんな本屋がほしい」
「特集・深夜の本屋さん」


……いかがですか。この空犬通信をお読みくださるような書店好きの方なら、興味を引かれそうなタイトルがいくつもあるのではないでしょうか。興味対象が、この空犬通信で取り上げているようなこととものすごく重なっているんですよね。いやあ、これはうれしい驚きでした。


20数年前の雑誌ですから、当然取り上げられている書店には閉店になってしまったものも多く含まれます。当然、書店情報としてはリアルに役立ちはしないわけですが、むしろ、それがいいんですよね。なつかしい書店、いまGoogleで検索して、お店のあった場所やお店のくわしいことを調べようと思っても出てこないような、そんなお店がたくさん登場していますから、まだネットがなかった時代の書店の記録として、非常に貴重なものになっています。


上に挙げた記事のうち、注目すべきは、「古今東西・本屋のミニコミベスト」。この空犬通信でもたびたび紹介、ここ2年ほど、ブームと言っていいような盛り上がりを見せている書店フリペですが、20数年前に、このような記事が書かれていたことは、新鮮な驚きです。もちろん、ミニコミ自体は昔からありましたし、書店独自のものもずいぶん前からあったことも知識として知ってはいましたが(この記事で取り上げられている文鳥堂書店四谷店のミニコミ「本の新聞」の古い号を、ぼくもたまたま持っていたりします)、80年代半ばに、これだけの数の書店フリペが存在し、さらに、それに注目した方がこのような特集記事を書いていたとは。同じような人たちがいるのだなあ(それは、作り手、という意味でも、それに注目して取り上げる側、という意味でも)と、なんだかうれしくなってしまいました。



「本屋のカバー大特集」もすごい。この特集が掲載された10号は増頁になっているのですが、12ページを使って96種もの書皮が紹介されています。モノクロで図版は小さく、印刷も決してよくはありませんが、『カバー、おかけしますか? 本屋さんのブックカバー集』(出版ニュース社、2005年)の刊行よりも20年も前に、これだけまとめて紹介した雑誌があったとは。もちろん、すでにないお店も多く、また、いまも続いているお店でも、現在のとは違う書皮が紹介されている例などもあります。同じ資料をいま作ろうと思っても、まず不可能でしょう。その意味でも、これまた非常に貴重な記録になっているわけです。いやはや、すばらしい。


3~10号に掲載されているインタビューも、なかなか興味深い人選になっています。敬称略でざっとあげると、目黒孝二、山中恒、夢枕獏、久和ひとみ、石井慎二(別冊宝島編集長)、荒俣宏。


いったい、このような雑誌を刊行していた「本屋さんか舎」とはどんなところだったのか、編集人としてお名前の挙がっている帰山さんとはどんな方だったのか、当然気になりますよね。Webで調べていたら、Facebookのこんなページが見つかりました。「本屋さんか・本棚の溜息」。「本屋さんか」創刊前後のこと、離れられてからの活動のことなどが綴られています。今回の紹介記事で、「本屋さんか」に興味を持たれた方は、ぜひお読みになるといいと思います。


というわけで、今回のリブロ古本市での買い物、書店好きにとっては、収穫、いや大収穫といっていいものでした。ただ、残念なのは、創刊号が欠けていること。「日本の古本屋」をあたってみましたが、数冊が1000~2000円ぐらいの値付けで出ていますが、創刊号はありません。これはなんとして創刊号を見つけて、11冊セットにしてとっておきたいものだなあ。散財したうえに、さらに探求本が増えてしまいました(苦笑)。


ちなみに、「リブロ池袋本店 春の古本まつり」は2/14(火)まで。本好きなら、短時間ではとても出られない、楽しい古本市ですので、まだの方はぜひ池袋へ。


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