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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

工作少年、安房直子、馬たちよ……最近買った本たち。

昨日は家族の用事でおでかけ、午後は、神保町で書店関係の集まりがあってそれに顔を出し、書店員さんのトークを聞いて、その後、その会に誘ってくださった碧野圭さん(@aonokei)と飲みにいって、お酒片手に、本とか書店の話をたくさんしてきましたよ。


それにしても、担当編集者でもない(というか、そもそも文芸担当でもない)のに、こうして作家の人と飲みにいって、本と書店の話を楽しくしていられるというのは、なんというか、幸せなことですよね。接点は書店。碧野さんも空犬も書店blogの書き手という共通点があります。なもので、どちらも書店営業が本業ではないのに、半分ぐらいは、出入りしてきた書店の話をしている、というのもなんだか冷静に考えるとおかしな話ですよね(笑)。


ちなみに、夜はバンドの練習、その後、バンドメンバーと打合せを兼ねた飲み会でたくさん飲んでしまったため、今日は半日ダウンしてました……。


さて。一昨日は、久しぶりに往来堂書店へ行ってきました。同店の恒例フェア、D坂文庫を空犬通信で紹介しなくちゃと思いつつ、8月はいろいろ忙しくて行く機会がなく、ようやく駆けつけた次第。ぎりぎり間に合いましたが、まもなく終了とのことでしたので、今回は店頭の写真は遠慮してしまったんですが、記録のために撮らせてもらえばよかったなあ。空犬が選んだ本のなかには、売れて追加発注したものもあるとのこと。ランキングが楽しみだなあ。というわけで、まだご覧になっていない方はどうぞお急ぎあれ。次のフェアの予定なども聞いてきたけど、これまたおもしろそう。フェアが切り替わったら、また店頭撮影させてもらって、今度こそ、空犬通信で紹介の予定です。


往来堂書店ではこんな本たちを買ってきましたよ。


  • 森博嗣『工作少年の日々』(集英社文庫)
  • 安房直子『春の窓 安房直子ファンタジスタ』(講談社X文庫ホワイトハート)
  • 古川日出男『馬たちよ、それでも光は無垢で』(新潮社)

『工作少年』はD坂文庫の1冊。タイトルがいいですね。ミステリーを読まないもので、この方の作品を読むのは初めてなんですが、独特のユーモアがあって、なかなかおもしろい。内容案内に《工作系ミステリィ作家のモノ作り日常エッセィ集》とあるこの本、工作少年というから、元プラモ少年がそのまま大きくなったオタ話か何かなのかなと思ったら、木工に金属加工に、作るものも道具もやたらに本格的で、プラモがどうとかのレベルをはるかに超えた話が次から次に出てくるので、びっくりするやらあきれるやら(笑)。解説が萩尾望都さんというのもポイントかも。


安房直子さんは、今年になってから、福音館文庫で出た『天の鹿』がありました。スズキコージさんの装画に解説は堀江敏幸さんと、組み合わせも豪華なすてきな1冊でしたが、こんな文庫も出てたんですね。これは、文芸の棚に並んでいたので出会えたんですが、レーベル別の文庫棚に置かれていたら、ぼくのようなオヤヂが出会うことはまずなかったでしょう。なにしろ、講談社X文庫ホワイトハートの1冊ですから。


12編を収めた短篇集。装画が100%オレンジというのが安房直子作品としてはちょっと意外だけど、いい感じですよね。もちろん自分でも読むつもりですが、子どもが興味を持つかもと、わざとリビングにぽんと出しておいたら、すすめもしないうちに、早速読んでしまったらしく、「すっごくよかった!」と、うれしい感想が。


以上2冊は両方とも2、3年前に出た本ですが、どちらもチェックから漏れていて、知らなかった本。こういう、未知の「非新刊」に出会えるのも、書店のフェアや棚探索の楽しみの1つですよね。この日はちょっと時間がとれたので、棚を端からじっくり見ることができました。この往来堂書店の規模だと、少し時間があれば、そういう全方位探索ができるんですよね。自然、ふだんはあまり目にしないジャンルも含めて目に入ることになり、大型書店とはまた違った、情報「量」を楽しむことができるのがいいところ。


今日、9.11でちょうど半年。古川さんの『馬たちよ』は、これまで読んできた作家の、このテーマの作品ということで、一刻も早く読みたいという気持ちと、ふつうに読み通せるだろうかという不安とがあって、迷っていたんですが、読むならこのタイミングで、と思い、購入。ちょうど半年の今日読み始めて、半分ほどを読み終えたところ。簡単な感想を許さない1冊で、安直なことばにまとめてしまいたくないのですが、とにかく言葉の力に圧倒されています。残りは、今晩、ゆっくりゆっくり読もうと思っています。


書評は、日経新聞がありましたね。「「福島」を引き受ける真摯な小説 」(9/4 日経新聞)。評者は佐々木敦さん。《本作は、ひとりの小説家が、ふたたび小説を書き出すまでに至る、真摯で清冽(せいれつ)な小説である。》


お店では、Hさんに会えたので、フェアのことや、最近気になっている本や作家のことなどをしばしおしゃべり。店長の笈入さんにはお店では会えなかったんですが、偶然、駅でばったり。おしゃべりしながら神保町へ。


笈入さんによれば、往来堂書店、この秋で15周年なんだそうです。すっかり街になじんでいるし、本の業界でもその名を知られていますから、なんだかもっと古くからあるお店みたいな感じがしてしまいますね。おめでとうございます。


不忍ブックストリートのお仲間のみなさんで、計画されていることもあるようですが、それとは別に、ブックンロールを一緒に実現した吉っ読でも、何かお祝いをできればなあと、そんなことも考えています。


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