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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

2つの「終わり」……『ぴあ』とボーダーズのこと

いよいよ「最終号」ですね。昼休み、三省堂書店神保町本店で、『ぴあ』の最終号を買ってきましたよ。


ぴあ最終号表紙

↑最終号の表紙は、スティービー・ワンダー。


ぴあ最終号広告

↑今日の朝日新聞朝刊に掲載された全面広告も印象的でした。


このようなときに必ず聞こえてくる「1つの時代が終わった」なんて紋切り型は、自分では言ったり書いたりしたくないのですが、でも、『ぴあ』の終刊には、まさにそのような思いを感じずにはいられませんね。


ぼくは、情報誌についてはそれほど熱心な読者ではなかったのですが、それでも一時期は、毎号買ってたなあ。映画をはしごで観たりする者にとって、あの上映スケジュール一覧は便利だったんですよね。エリアと時間を一度に確認できて。たとえば、今日の午後、ちょっとまとまった時間が空いた、いま新宿にいる、さてどうしよう、なんてときには、『ぴあ』の映画情報の見開きがあれば、効率よく2、3本観ることができましたからね。館によっては割引サービスもあったから、雑誌代なんてすぐに元がとれたしね。


『ぴあ』について語ろうと思うと、雑誌離れだの、ネットがどうのと、どうしても同じようなことの繰り返しになってしまいます。これ以上、個人的な思い出を重ねるのもなんなので、最近の新聞記事など、いくつか関連報道をあげておきます。



ぴあ最終号付録

↑付録の創刊号復刻版。開いて最初の広告が、ヤマハ合歓の郷のジャズフェスの案内、対向ページがウィッシュボーン・アッシュ『百眼の巨人アーガス』の新譜広告、表4のカラー広告がドヌーブとマストロヤンニの『ひきしお』ですよ。時代を感じさせますよね。出版文化史的にも貴重な、いい付録だと思います。


さて、もう1つの「終わり」は、こちら。「米書店チェーン2位、清算へ ボーダーズ399店閉店」(7/19 朝日新聞)。



《今年2月に倒産した米書店チェーン2位のボーダーズは18日、清算の手続きに入ると発表した。米連邦破産法を活用して復活を目指したが、再建に不可欠なスポンサーが見つからなかった。電子書籍隆盛の陰で米国にある全399店は今秋までに消えることになる。》


《連邦破産裁判所に清算計画を申請。承認されれば資産は投資会社に売却され、22日にも手続きが始まる。9月までに資産の清算を終える計画で、約1万700人の従業員は失職することになる。》


ボーダーズの件については、今年の2月に、「破産法申請へ」という主旨の報道がされたときに、記事で取りあげています。店舗数の件や、日本のチェーン書店との数字の比較など、その時点で調べがついたことをいろいろ書きましたので、よろしければ合わせてお読みいただければと思います。この後、どうなるか云々と書いたのですが、このような事態になってしまいましたか……。約400店が閉店、1万数百人もの書店員さんたちが失職……ため息以外、何も出てこない感じです。


《同社は1971年創業。品ぞろえの豊富な大型店を展開し、ピークの2005年には1200店超を抱えた。しかし米アマゾンなどの書籍のネット通販に押され、電子書籍の普及が追い打ちをかけた。売り上げが低迷するなか店舗維持費と人件費が重荷となり、06年度から赤字が続いていた。》


ネット通販と電子書籍に敗れた……ほかの記事も同じような書き方のものが多いですね。「米書籍販売大手「ボーダース」が再建断念し清算へ、破産法下で」(7/20 不景気.com)には、《インターネット通販を利用した書籍販売の台頭》と、「米書店大手ボーダーズ清算へ 電子書籍普及で淘汰の波」(7/19 日経新聞)には、《電子書籍端末の普及で書店業界には淘汰の波が押し寄せている。》とあります。


それはたしかにそうなんでしょう。そうなんだろうけれど、うーん、なんかそんなふうに簡単にまとめられるとどうも落ち着かない。同じように感じる書店関係者、書店好きの方はいるだろうと思いますが、そういう方は、少し前の記事(2月の報道時の記事)ですが、大原ケイ さんによる記事、「ボーダーズはなぜダメになったのか?」(2/15 マガジン航)を読んでみてください。


大原さんは記事の末尾をこう締めくくっています。《ボーダーズは電子書籍が普及したせいでつぶれた、と言うのは簡単だ。だがそんな短絡的な言い方をしてしまっては「本を売る」ということの難しさは永遠に伝わらない。》


このような大型チェーンの閉店・倒産関連のニュースを日本で目にすることがありませんように……。


追記:ボーダーズの件では、こんな記事もありました。「米書店大手ボーダーズが完全閉店へ、失敗の原因は何か」(7/21 IBTimes)。


この記事、興味深い内容なんですが、書店関係者やぼくのような書店好きにはなんというか微妙な内容で、スルーしてしまったんですが、でもやはりあげておかないといけませんね。


《多くの人々は書店へ行き、見てまわり、リラックスするのが好きだった。/しかし、ボーダーズは公共図書館ではない。本を眺めるだけで買わない客が多ければ、平均2300平米の各店舗を維持することが難しい。》


《多くの人々にとって、書店は公園のような、リラックスし眺める場となった。しかし書店を維持するためには、積極的に本を買うことが必要だ。》


《お客が積極的に本を買うように改革を進めなければ》お店はつぶれる……それはそうなんだろうけれど、でも、改革すべきなのは、お店側だけなんだろうか。お店が品揃えやらサービスやら店舗デザインやら、とにかくあちこちを「改革」したら、そういう回遊オンリーの客は《積極的に本を買う》ようになるのだろうか。うーん……。


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コメント

小売店が、客の購買意欲を刺激するためにあれこれ
努力するのは当たり前のような気もするのですが。
それが必ずしも購買に繋がる結果にはならなくとも
そう信じてできることをするのでは。
すいません、空犬さんはどこに引っ掛かってるか
ちょっとわかってなくて。
店側だけだろうか、ということは他に改革すべき
立場のものがある、ということですかね。
的はずれなコメでしたらすみません。。

  • 2011/07/22(金) 01:15:32 |
  • URL |
  • morimori #-
  • [ 編集 ]

うまく言えなくて……

morimoriさん>
訪問&コメント、サンキュウです。

> 小売店が、客の購買意欲を刺激するためにあれこれ
> 努力するのは当たり前のような気もするのですが。
そこはまったくその通りで、ひっかかっているのは、そこじゃないんですよ。

> 店側だけだろうか、ということは他に改革すべき
> 立場のものがある、ということですかね。

的外れも何も、本人がうまく言えてない状態なので……。
今日は酔っ払ってるので、無理だけど、落ち着いたら、この件、
ちゃんと書いてみますね。

  • 2011/07/23(土) 01:44:17 |
  • URL |
  • 空犬 #-
  • [ 編集 ]

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