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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

ブックンロール3のレポートです……募金先のご報告

ちょっと待っている資料があったりしたもので、報告が遅くなってしまいました。先日、6/17(金)に開催したブックイベント「ブックンロール」で集まったお金を寄付してきましたので、ご報告します。仙台で活動をしている「こどもとあゆむネットワーク」に、集まったお金の全額81,000円を寄付しました。


ブックンロール3募金先

「こどもとあゆむネットワーク」のサイトには、このような文章があがっています。《地震に遭ったこどもたちは、心に何らかの影響を受けています。わたしたちはそのこどもたちが早く日常に戻れるように支援します。こどもたちの笑顔は、被災地にともる灯りだと思います。その灯りを消さないように、「絵本」「おもちゃ」「文房具」「あそび」を届け続けます。》活動の詳細は、ぜひサイトをご覧ください。



イベントの一週間後に、仙台に行ってきたのは、すでにblogの記事でご報告した通り。仙台行きの目的の1つが、募金先をどうするかを決めるために、候補の1つとして、作家の碧野圭さんから教えられていた「こどもとあゆむネットワーク」の代表、横田さんに、活動についてのお話をうかがうこと、でした。


横田さん

↑「横田や」の横田さん。アポイントをとっていた碧野さんのほかに、空犬と広島の佐藤さんの2人も急におしかけることになったのですが、快くいろいろお話を聞かせてくださいました。


そこで聞けたいろいろな話を、ここで再現する文章力はぼくにはありませんし、素人が下手な文章で簡単にまとめてしまうべきでもないと思いますので、ここではあえてくわしくは書きませんが、でも、直接お話をうかがうことができて、ほんとによかったです。これだけで、時間とお金を使ってわざわざ仙台に行ってきた甲斐がありました。


ひとくちに被災地支援といっても、いろいろなやり方があります。我々の場合は、本に関わる仕事をしていますし、本と書店をテーマにしたイベントで集めたお金ですから、やはり本のことに使いたい。それもできれば、子どもたちのために使いたい。それは最初から決めていました。


被災地の子どもたちを支援するために、本を贈る活動をしている方は個人・団体合わせてたくさんいらっしゃいます。規模や内容はいろいろでしょうが、もちろん、必要とされている本、現地で喜ばれる本を、必要としてされている場所や人たちに、的確に届けている人たちもたくさんいることでしょう。でも、残念ながら、そうでないケースもある、というか、とてもたくさんあるようです。物での寄付は、送る側、受ける側のニーズがよほどうまく合致しないとむずかしいし、タイミングの問題もあります。くわしくは書きませんが、被災地支援という大義名分のもとに、こんなものを被災地に送りつけている人がいるのか、と唖然とさせられるような話をいくつも聞きました(横田さんからだけではなく、広島で本を贈る活動をされている書店の佐藤さんからも、お話をうかがいました)。なかには、あまりにもひどくて、聞いているだけで涙が出そうになってしまったものもありました。


以前の記事にも書きましたが、個人的には、こちらで買った新刊や、集めた中古本を送るのは、現地の書店の復興を考えると、抵抗があります。やはり、被災地で読まれる本は、現地の書店で売れてほしい。なので、支援のかたちは、お金を集めて、それで現地で本を買ってもらえるところに、と決めていました。


「被災地の子どもたちに本が足りない」→「じゃあ、本を送ろう」というのは、誰もが考えることですが、今回、横田さんに聞いて、まさに目からウロコが落ちる思いだったのは、本棚が足りない、ということでした。ぼくの回りにも、本を送る活動や、その他のボランティアに関わっている人はたくさんいますが、本棚の話をしている人なんてまずいませんからね。横田さんから、現地の小学校の写真を見せてもらいました。そこには、各地から贈られた本が、段ボール箱のまま、廊下に直置きで並べられていました。これが一箱古本市の光景ならともかく、小学校の廊下ですよ。これはショックでした。


《この2ヶ月で被災地の状況は変わりました。復旧が進み、学校・保育所・幼稚園などが再開していますが、 送られてきた本の置き場所という問題が出て来ました。多くの本はダンボール箱に入れられたまま並べられ ています。特に被災がひどかった施設では他の学校や施設に間借りしていますので、子ども達は狭い廊下 に並べられているダンボール箱から本を選んで読んでいます。》(サイトより)


しかも、その段ボールに、先生が書いたのか、図書委員の生徒が書いたのか、「読んだ本は元の場所に戻しましょう」なんて、貼り紙がしてあるわけです。……でも、戻せないよ、これじゃあ(涙)。この光景は、本当にショックでしたね。ぼくは本好きの子どもだったもので、学校の図書室や学級文庫にはたくさんのいい思い出がありますが、それらの本って、古びた木の本棚とセットなんですよ。本棚に収まった状態の「絵」で記憶されているんですよね。それが、段ボールに詰め込まれたまま、廊下にずらりだなんて……。この写真、もし見るのが一人だったら、たぶん泣いてたと思います。いまも、こうして文章書きながら、泣きそうだ……。


「こどもとあゆむネットワーク」では、そうした、本棚が、図書室が、建物自体がなくなってしまった小学校に、本棚を届けようという活動をしています。プロジェクトの詳細はこちら


被災地に本棚を送ろう チラシ

↑本棚プロジェクトのチラシ。


横田やさん本棚1横田やさん本棚2

↑これが、本棚プロジェクトで送られる本棚。


詳細はサイトをご覧いただきたいのですが、カラーボックスなどよりも強度にすぐれ(安物のカラーボックスが本の重量に簡単にまけてしまうことは、本好きのみなさんならよくご存じですよね)、サイズも素材も使いやすいものとし、さらに不要になったときのことも考えられています。この話をうかがって、迷う間もなく、募金はこのプロジェクトに使ってもらおうと考えました。


ほかにも、横田さんからは、どんなものが足りないのか、どんなことが困っているのかを、具体的に教えていただきました。たとえば、本のことでいうと、先に、現物の本を送るのは、なかなか送る側と受け取る側のニーズが完全に合致しにくいなどの問題もあり、むずかしいと言うことを書きましたが、それでも比較的、子どもの絵本や読み物などは集まりやすいといいます。現物の本を集めるだけでは決定的に足りないのは、たとえば、小学校の調べ物学習で使う辞書・図鑑・書籍などだそうです。こういうものは、そもそも個人から送られてくるものにはまず入っていないし、自分が不要だからと、古い辞書や図鑑を送られても困る、ということもあります。そのほか、小学校の先生や、保育園の保育士さんたちが使う図書類も足りないといいます。これらは、やはりお金を集めて買うしかないんですよね。


避難生活を送っている方がまだたくさんいて、教育関係の建物自体の復興もまだままらないときですから、公的な援助だけでは、こうした本棚や子どもたちが学習に必要な図書類までは手が回らないのは当然でしょう。っていうか、ふつうに考えて、いちばん後回しにされるでしょう。だからこそ、本の仕事に関わっていたり、子どものときに幸せな本との出会いを体験している我々が、そこを支援できたらうれしいではないですか。


ブックンロールの募金は、一部(具体的には4口)を本棚プロジェクトに、残額を、小学校の不足図書購入に充てていただくよう、メールでお願いしておきました。


ところで。被災地の子どもたちに、図書カードを贈ろうという動きがあるのは、ご存じの方も多いでしょう。たとえば、こんな記事があります。《被災した書店の復興に役立てるため、大会収益金の一部50万円が野間新会長から日書連の大橋信夫会長に目録として手渡された。(中略)相賀副会長は(中略)使途については図書カード配布や被災した書店への支援などを考えていることを明らかにした。図書カードは被災地の小学生5~7万人に1人千円を配る。7月20日までに配布する。市町村の教育委員会や学校と連絡をとりながら配布方法を検討する。》(7/1 全国書店新聞)


大事な本を失ってしまった子どもたちに図書カードを……いい話に思えますよね。この件について、横田さんは、こんなふうに話してくれました。「現地の書店はさあ、図書カード、使えないんだよ。機械がないんだよね」。


もしも本当に図書カードを配布するならば、図書カードの読み取りの機械と本を載せたトラックでも出してもらわないとなあ、と横田さんは話してくれました。


不要かもしれない本を送りつけて、結果的に、現地の人たちの手間を増やしたり、ゴミを増やしたりしてしまうこと。本だけをたくさん送りつけて、置き場所や容れ物のことをまったく考えないこと。個人から集めただけではカバーできない種類の本があること、そのなかにこそ、日常の学習にすぐに必要な本があることに気づかないこと。配布しても、今のままではうまく使えないかもしれないものを配布すること。これらはみな、現地から離れている立場の者が、頭だけで考えるために起きてしまうことでしょう。自戒をこめて、そう思います。


ただ、何も、いま東京や被災地以外の各地で行われていることが間違っているとか、むだであるとか、そんなことはまったく思いません。その点は、横田さんも同じで、みなのやり方が間違っているという話をされたわけではありません。支援のかたちにはいろんなやり方があって、それぞれのやり方でやってほしい、でも、現地の様子をちょっと知る努力をしてほしい、という主旨だったと、ぼくはそんなふうに理解しました。いろいろつらい事実も聞くことになりはしましたが、でも、最大の収穫は、自分にもできることがあるとわかったこと、イベントでお金を集めることも(たとえそれが少額でも)ムダではないとわかったことでした。


ブックンロール、集まってくださったお客さんの人数と集まった額で見ると大成功だったんですが、内容的には、反省点も多く、次はできるかなあ、しんどいかなあ、無理かもなあ、とやや弱気になっていたんですが、でも、またやりたいな、と横田さんの話を聞いた今は、そんなふうに思えるようになりました。だって、15,000円で子どもたちに本棚を届けられるんですよ。これだけ目標がはっきりしていて、しかも手の届きやすい額ならば、何かできるかもって思いますよね。


ブックンロール3に集まってくださったみなさまに、あらためて御礼申し上げるとともに、以上、ご報告いたします。


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