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空犬通信

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文鳥堂、ブックストア談……原宿にあった書店の話

山下書店ラフォーレ原宿店の閉店を取り上げた昨日の記事で、原宿の書店についてふれたところ、コメント欄ほかで、ブックストア談と文鳥堂があったね、という話をご教示いただきました。そうだった、そうだった。というわけで、原宿の書店の話をちょっとだけ。


まずは、文鳥堂書店から。明治通り沿い、いまは閉店してしまったブックオフの向かいあたりにあったのが文鳥堂。この書店はぼくも覚えていますが、ちょっと個性的ないい感じのお店でしたよね。立地に加え、店長をされていた中嶋勇二さんが、音楽関連でも知られる方だったこともあってか、業界人のお客さんも多かったようで、店名でググると、いろいろと興味深い人名が出てきたり、マニアックでいいお店だった、なんて感想がいくつも出てきたりします。


文鳥堂は、お店の数こそ多くないですが、都内にいくつか個性的なお店を出していて、個人的に印象に残っているのは四谷のお店かなあ。しんみち通りの入り口近くにあった、その小さなお店は、いい街の本屋さんの理想型の1つで、本好きに愛されていましたよね。


そうそうこのお店には、最近盛り上がっている書店フリペがらみの思い出もあるのです。このお店では、その昔、独自のフリペ、というにはやや分量があるからミニコミというかPR誌というか、を出していたそうなんです。その名も『かると』。創刊号(1980.5.25付)に、なんと、なんと驚くべきことに、無名時代の保坂和志さんが寄稿しているのですよ(!)。ヴォネガットについて書いています。ぼくは保坂フリークで、一時期、小説の雑誌初出はもちろん、インタビューから寄稿記事から何から集めまくっていたことがあり、そのことをあちこちでよく口にしていたんですが、それを知った出版業界の大先輩が、さすがにこれは知らないだろう、持ってないだろうと、記事のコピーをくださったのです。ぼくの宝物の1つです。


……すみません、ちょっと話がそれました。それにしても1980年当時、こんな小冊子を出していたのも驚きですが(くわしく調べたことないですが、新刊書店のPR誌って、ほかに紀伊國屋書店、有隣堂、丸善ら大きなところしかなかったのではないかと)、そこに未来の芥川賞作家まで登場しているんだからなあ。文鳥堂は今も飯田橋や赤坂にお店がありますが、原宿や四谷にあったような、小さいながら個性的なお店が今はないのが、今さらながらに残念ですよね。


原宿の話に戻ります。もう1つ、ブックストア談の原宿店については、情報が少なくて、ぼくもよくわかりません。先の記事に書いた、竹下口を出てすぐあたりにあった新刊書店がそうだったのかなあ。


調べていたら、建築の専門誌、『商店建築』の1981年7月号に、「現代のカルチャーフォーラム〈書店〉6題」なる、書店好きには非常に気になる特集(?)があり、そのなかの1軒として、ブックストア談原宿店が取りあげられていることがわかりました。


くわしくは、上のリンクで目次が読めますので、そちらをご覧いただきたいのですが、特集冒頭には、「変動する書店のこれからの方策」なる記事があり、続いて、以下の書店が取りあげられています(店名表記はサイト目次のママ;かっこ内は手がけた建築家・デザイン事務所)


  • 書肆/いいだや(青柳 剛+青柳建築研究室)
  • 書籍・雑誌/盛好堂書店(東京出版販売第一相談課+デザインV研究室)
  • ブックストア/談 原宿店(柳建築設計事務所)
  • 書籍・文具/丸善ブックメイツ横浜ポルタ店(山田克彦+YAK TOTAL DESIGN)
  • 書籍・雑誌・文具/有隣堂横浜ルミネ店(鷲尾周二)
  • 書籍・雑誌/三省堂神田本店ビル(阪永金重・聡建築設計事務所・ニッテン設計事務所)

30年ほども前の記事ですから、今読んで何か参考になるようなことが書かれているかどうかはちょっと微妙な感じですが、でも気になりますよね。バブル期よりもさらに10年ほど前、1980年当時の書店がどう「変動」していたのか、なんて、今読んでも、いや、今読んだほうがおもしろいかも。建築専門誌の1981年の号が簡単に入手できるとは思えませんが、ちょっと探してみようかなと思っています。


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