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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

仙台レポ第4弾……仙台に持っていった本、仙台で買ってきた本

道中の本を選ぶのは、旅の楽しみの1つですよね。いつもなら、数日前からうんうん悩んだりするんですが、今回は仙台行き自体が直前に決まったので、悩んでいる時間がありませんでした。


で、結局持っていったのは、この2冊。


  • 荒木飛呂彦『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』(集英社新書)
  • 『仙台 本のはなし』(仙台文学館)

仙台 本のはなし 表紙

仙台にゆかりのある本にしたいなあ、と思って、たまたま金曜日に買った新書の著者略歴を見たら、なんと仙台出身とあるではないですか。当然、迷うことなく決定。ぼくはコミック読みじゃないので、荒木飛呂彦さんについてはジョジョの人という以外にまったく知識がなく、ジョジョも読んだことがないのですが、仙台出身のホラー映画好きだなんて、なんだか急に親近感がわいてしまいましたよ。


『仙台 本のはなし』には、「街へ出よう、本を探しに。 本好きのためのお散歩MAP」というコーナーがあり、仙台駅周辺のブックスポットが紹介されていて、地図もあったので、ガイドブック代わりに持っていったもの。レポ記事で紹介した店や施設の多くが載っていて、大いに参考になりましたよ。


今回は、ガイドブックの類は買わなかったのですが、この『仙台 本のはなし』ほかに、現地で入手したフリーペーパー「machinavi press」Vol.58の地図、さらに、事前にプリントアウトしておいたミシマガジンの特集「Book! Book! Sendaiに行こう!」の記事と佐藤純子さんによる手書き地図を参考にしました。いずれも、情報的には大変参考になったのですが、地図部分は一長一短で、曲がり角の目印が記されていなかったり、通りの名前がわかりにくかったりなど、土地勘ゼロの短時間滞在者にとっては、なかなか悩ましいところがありました(苦笑)。


machinavi press 58

↓一箱古本市ではこの地図も買ったんですが、カバーエリアが広すぎて、駅前周辺の、それもブックスポットだけを回りたい身には残念ながら、あんまり役に立ちませんでした。


仙台 まち歩きマップ

さて、では、以下、仙台で購入した本をざっと。


  • 佐伯一麦『杜の日記帖』(仙台闊歩新書)
  • とりのなん子『とりぱん』第11巻(講談社)

杜の日記帖

『杜の』は仙台在住作家である佐伯さんの8年にわたる日記エッセイ。震災前に刊行されたもので、震災前後はカバーされていないんですが、それだけに、仙台で暮らす作家の日常がふつうに描かれていて、おもしろく読めます。鳥好きには野鳥の話がたくさん出てくるあたりもうれしいところ。帰りの車中はもっぱらこれを読んでました。


『とりぱん』は、人からすすめられたこともあるコミックエッセイで、鳥好きには気になる書名、気になる中身なんですが、なんとなく読まずにいたもの。この第11巻は、帯に《その日。/2011年3月11日、北東北はこんな夜を迎えていた》とあるのを見て、迷わず購入。著者が岩手県出身であることは、さきほど、この本のことを調べているときに知った次第。(佐伯さんの本は仙台本の棚にありましたが、『とりぱん』は、東北関連本やご当地作家コーナーではなく、ふつうのコミック新刊台にならんでいました。)前者に野鳥の話題がたくさん出てくることは知らずに買ったんですが、一緒に選んだ2冊がたまたま両方とも鳥本だったわけですね。


  • 渡邊洋一『仙台の出版文化』(仙台江戸学叢書、大宮八幡宮)

仙台の出版文化

金港堂で見つけた1冊。札幌に行ったときの記事にも書いたことだけど、ふだん行かない街なり地方なりにいったら、やっぱりその土地がらみの本が、出版文化史に興味を持ち続けてきた身としては、それもできれば、出版・書店(史)にからんだ本があれば、ぜひ欲しいところ。


札幌のときは、ものすごく本格的な本しかなくて逆に買えなかったのですが、今回は岩波ブックレットのような体裁の、手頃な本書があったので迷わず購入。


  • 『仙台、言葉の幸。せんだい現代文学案内』(仙台文学館)

仙台、言葉の幸

これは副題通りの本で、井上ひさし、佐伯一麦、熊谷達也、伊坂幸太郎、瀬名秀明ほか、11人が取りあげられ、それぞれ自身と仙台の関わりを、話したり書いたりしているほか、仙台にゆかりのある作品とその舞台の解説などがされているもの。図版も多く、地図や著書リストも完備、さすが文学館がまとめたもの、薄手ながら、資料性もありそうな1冊になっています。


  • 『大津波襲来 石巻地方の記録』(三陸河北新報社)

大津波襲来

震災がらみのビジュアル資料本はすでにいくつか持っていますが、この本は、「石巻地方の記録」とあり、発行も三陸河北新報社と地元のところなので、(もしかしたら東京でもふつうに売ってるかもしれないけど)震災関連資料として買い足したもの。まだぱらぱら見ただけですが、大手メディアの出しているものとはまた違う、地元メディアならではの距離感の、初めて目にする写真がいっぱいで、買って正解だったと思います。


とまあ、こんな感じです。とにかく、今回は仙台にいられたのが半日ほど、各店の滞在時間も短かったので、地元本にこだわった結果、このような感じになりました。火星の庭と一箱古本市で本を買えなかったのが、古本好きとしては痛いところ。古本が混じってくれば、もっとバラエティに富んだ収穫になったのになあ。

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