以前の記事で紹介した(移転の件はこちら、開店前の様子はこちら)西荻窪の新刊書店、今野書店が先日6/3に、予定通り、無事リニューアルオープンとなりました。昨日、beco cafeに用事があったので、お店、見てきましたよ。

↑リニューアルの告知チラシ。旧店舗との位置関係がひと目でわかる移転先の地図が載ってます。JR西荻窪駅北口を出て、交番をすぎてすぐのところ。ほんとに近くなりました。beco cafeにもさらに近くになって、個人的にはとっても便利。


↑お店の外観。例によって下手くそな写真ですみませんが、ご存じの通り、この道路、バスに人にと、流れが途切れないもので。ブルーのライトがあざやかで、旧店舗とはずいぶん印象が変わりましたね。店内はさすがにぱちぱちやれないので、外から店内が見えるよう、ちょっとだけ近づいたのが、右の写真。
お店のサイトは、写真が旧店舗のままなので(この記事を書いている6/10夜時点で)、見比べてみるのもいいですね。

↑お店の前にはお祝いの花が。あれ、よく見たら、お隣、吉祥寺の新刊書店、BOOKSルーエのN社長のお名前だ。近隣同業のお付き合いなのかな。

↑看板がわかるようにとってみました。看板の右側に白い柱のようなスペースが見えますが、ここがフェア棚で、チラシに書いてある、山田詠美さんのフェア(ご本人の著書+セレクト本)が展開中でした。
旧店舗は1階と地階の2フロアでしたが、新店舗はワンフロア。入り口を入ってすぐに新刊台、右には雑誌のラック、そして上に書いたフェアコーナー、その奥は文芸のコーナーになっていました。
店内中程は、雑誌の棚が並び、左中央あたりにレジがあります。奥は左が実用書など、文庫の棚が2列ほど並び、右側がコミック、という感じでした。並びもすっきりしていて見やすいし、それでいて、商品数はけっこうあって、たとえば文庫なんて、売れ線だけじゃなくて、古めのもの渋めのもきちんと並べてましたね。まだ、棚が完全に落ち着いていないのか、抜けたままになってたりするところも多少目につきましたが、これからが楽しみだなあと、そんなふうに感じさせてくれる店内でしたよ。
やっぱりこれぐらいの規模の、ふつうの街の本屋さんはいいなあ。大きなお店も好きだけど、やっぱりこういう本屋さんを一周する楽しみは捨てがたいですね。通勤利用駅の駅前にこんな感じの本屋さんがあったら、ぜったいに毎日通うことになると思います。ものすごく特別な品揃えでも、変わったフェアをやっているわけでも、独自の棚編集がされているわけでもないかもしれない。でも、ふだん使いの本屋さんが近くにあるのって、ほんといいよなあと、そういう当たり前のことに気づかせてくれるお店です。

↑こういうすてきなお店を初めて訪問したときに、手ぶらで出てくるわけにはいきませんよね。中公文庫の新装復刊ものから、これをピックアップ。親本は持ってるんだけど、文庫はそこそこの古書価がついてるので、なんとなく持ってなくて。この新装版は、デザインがいいしね。と思ったら、手がけたのはクラフト・エヴィング商會。なっとく。帯も吉田篤弘さんが書いています。これは面陳になってましたよ。

↑いつものようにカバーも袋も断ってしまったんですが、カバーが変わったのかどうかの確認に、今回はかけてもらってもよかったかも、と後になって。開店記念ということで、こんな付箋をいただきました。文庫1冊の客にも配ってるんですね。なんかちょっと申し訳ない気も。
新刊書店に古書店、そしてブックカフェなど、西荻窪の本周辺事情がなにやらおもしろい、という話は過去にも記事で取り上げていますが、ほんと、本好きにはいい街ですよねえ。西荻窪周辺には、この今野書店のほかに、先日紹介した颯爽堂、ガード下のブックセラーズ西荻店、信愛書店がありますが、4店とも駅から徒歩数分圏。いずれも数十坪の、街の本屋さんで、規模が突出しているお店がないこと、ちょっとずつ微妙に方向が違うこともあって、この近さでうまく棲み分けができているんでしょうか。ナショナルチェーンがないのも、西荻らしいというかなんというか、特徴的ですよね。
というわけで、リニューアルした今野書店は、とても感じがよくて、利用しやすい、西荻窪の文字通りの「駅前書店」になりましたよ。近隣の方はぜひ。