一昨日は、この空犬通信でも何度か本を紹介したことのある、鎌倉の出版社港の人さん主催の会に参加してきました。
メンバーは、出版社に書店に編集者にライターにと、みなさん本の関係の方ばかり。さらに、なんと、岡崎武志さん(!)まで。この前は一箱古本市でお目にかかってますし、神保町でもよくお見かけするし、何より、ずっとその著書を読んできているもので、なんだか「初めまして」な感じがぜんぜんしないんですが、でも酒席をご一緒するのはもちろん初めて。なんだか緊張してしまいましたよ。
初めてお会いする方のほうが多い会だったので、非社交的かつ小心な空犬は萎縮しまくりだったんですが、みなさん気さくな方だったので、窮屈な思いをすることなく、楽しい時間を過ごせました。主催の港の人さんとはツイッターでは何度かやりとりさせていただいているというだけで、何の縁もないに等しい当方に声をかけてくれたのは、夏葉社の島田さん。島田さん、サンキュウでした。

↑最後はみんなで寄せ書きまで(笑)。あっ、ぼくは本名を書いちゃったので、その部分、消してあります。

↑岡崎さんは、「「女子の古本屋」による「女子の古本市」~岡崎武志さん著『女子の古本屋』(ちくま文庫)刊行記念~ 」のチラシを配っていました。
その会では、吉祥寺つながりということで、その島田さんと、よく3人で飲んでいるアルテスパブリッシングの鈴木さんも一緒でした。さらに、お会いするのは初めてだったんですが、クレインの文さんにもごあいさつすることができました。そう、第49回西荻ブックマーク「「吉祥寺で出版社を営むということ」~アルテス、クレイン、夏葉社の場合」の3人がそろったわけですね。結局、この3人+空犬で、2軒目まで行ってしまいましたよ。おかげで、飲み過ぎ、翌日は半日使い物にならず(苦笑)。
飲み会の話だけというのもなんなので、同席させていただいたみなさんのうち、アルテスパブリッシングと港の人のことを少し。
まず、アルテスパブリッシングですが、事務所が移転、下北沢に引っ越しされるそうです。以下は、同社のメルマガ「ARTES インフォ*クリップ vol.36」から。
《突然バタバタと決断しまして、今月27日(月)から、アルテスの事務所を下北沢に移します。吉祥寺の環境も捨てがたいものはあるのですが、地震にもっと強そうな建物がいいとか、鈴木が通勤したくなった(笑)など諸々の事情から、交通の便のいい下北沢に部屋を借りることにしました。
新しい事務所は下北沢駅改札口から徒歩6分。南口の商店街を抜け、住宅街に少し入ったマンションの3階です(1階はイタリアン・レストランと美容院)。
引越しは気が重いのですが、友人知人も数多く住む街ですし、新しい環境で仕事をするのをスタッフ一同楽しみにしているところです。今度は長く腰を落ち着けたいと思ってます。ぜひお立ち寄り下さい。 [鈴木]
◎新事務所(6月27日より営業開始)
〒155-0032 東京都世田谷区代沢5-16-23-303
TEL 03-6805-2886|FAX 03-3411-7927》
読者にとっては、出版社がどこにあるか、というのはあんまり関係ないことなんですが、ぼくの場合は、吉祥寺+出版つながりということで、このところ仲良くさせていただいたので、アルテスさんが吉祥寺から離れられるのはちょっとさびしい気もします。西荻ブックマークの「吉祥寺で出版社を営むということ」に出演されたのも、ついこの前のことですしね。
まあ、でも、場所が変わったからといって出版活動に影響があるわけではないでしょうし、下北沢もいい街ですからね。新天地でのますますの活躍を期待したいですね。
すてきな会を主催された港の人のことも少し。しばらく前に出された、橋口幸子『珈琲とエクレアと詩人 スケッチ・北村太郎』は、この空犬通信でも紹介済みですが、評判いいようですね。
《詩人論も作品論もない。その意味では「無言」の一冊だが、胸にしみるものがある》と、短いながら印象に残る毎日新聞の書評もいい紹介のされ方でしたが、その後、「週刊新潮」でも大きく取り上げられました。評者は、ちょっと意外な感じもする福田和也さん。この記事については、港の人のブログに写真入りで紹介されていますので、ぜひそちらをどうぞ。興味を引かれた方は、元記事をあたって、ぜひ全文を読んでみてください。
それにしても、このいい意味で地味な本が増刷になったとは……自分の社の本でも、自分が手がけた本でもなんでもないのに、なんだかうれしい話です。これから出る本では、この本が気になります。
- 蝦名則『えびな書店店主の記 四月と十月文庫 1』(港の人)
おお、えびな書店の本が! 古本好きの中央線沿線住人としては、この書名に反応しないわけにはいきませんよね。サイトの紹介によれば、このような本だそうです。
《全国に知られ、人気の美術古書店「えびな書店」(東京・小金井市)の店主・蝦名則の本・絵画・音楽・旅をめぐるエッセイ集。店主の専門の美術は近世の文人画から、現代芸術の最先端をはしるヤン・ファーブルまでをカバーするほどにひろく芸術に通じ造詣が深い。クラシック音楽を愛し、イタリアルネサンス期の画家ピエロ・デッラ・フランチェスカの絵画をじぶんの眼で触れるためにとことん旅に出る。こよなく本を、芸術を愛する店主は古書・美術・音楽・旅に一徹に向きあい、ぞんぶんに楽しんでいる。本書は貴重な写真を多数収録し、興味が尽きない。新シリーズ「四月と十月文庫」の第1弾。》
ぼくは美術はそんなに強いわけではない、どころかかなり弱いほうなんですが、それでも興味津々ですよ。これは楽しみだなあ。楽しみといえば、新シリーズだとある「四月と十月文庫」も気になりますね。このシリーズについては、こんな説明が。
《美術雑誌「四月と十月」と協力して刊行する新シリーズ。今後の刊行として、画家/絵本作家・ミロコマチコの書き下ろしエッセイ、写真家・堀内孝『マダガスカル紀行』、画家・牧野伊三夫『仕事場訪問』、デザイナー・有山達也『装幀の中の絵』などを予定している(書名はいずれも仮題)。文庫の装幀は牧野伊三夫が担当する。》
『装幀の中の絵』なんて、こちらの関心分野にばっちり重なっている本が入っているではないですか。またまた楽しみな本が増えてしまいました。