FC2ブログ

空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

角川横溝ファンはレッツゴー! 杉本一文画伯の銅版画展

昭和50年代に一世を風靡した角川文庫の横溝正史作品。横溝の特別なファンでなくとも、その強烈な表紙画が印象に残っている人は少なくないだろう。その絵の多くを手がけたのが杉本一文。その杉本先生から、銅版画展のご案内をいただいた。


杉本先生葉書表
杉本先生葉書裏

杉本先生もメンバーの銅夢版画工房の作品展、「第9回銅夢版画展」で、場所は銀座のすどう美術館、会期は10月3日(火)~8日(日)。角川横溝ファンは迷わずレッツゴーです。



なんでこんな葉書をいただいたかというと、実は先生には、今年5月3日に、狭山市立博物館で行われたサイン会でお会いしているのである。これは、同博物館で開催されていた企画展「金田一さん!出番です。博物館で楽しむ横溝正史」展のイベントとして行われたもの。好きな杉本作品(文庫でなくても可)を持っていけば2点までサインしてもらえるというものだった。もちろん、ぼくは全速力で行ってきた。表紙画の原画展もあって、杉本ファンには感激のイベントだったのである。


あの角川横溝の妖しくもエロティックな表紙画、異装がたくさんあるので総点数がいったい何点になるのかわからないが、とにかくあれだけの点数を描きまくった人、それが杉本先生である。当然、八墓ばりに額にろうそくはちまきでもしながら般若の表情であの絵たちを、土蔵かどこかで描きまくっている、餓鬼ならぬ画鬼ともいうべきこわーいお姿に違いあるまい、そのように勝手に妄想していたのですが、ご本人はさにあらず、温厚きわまりない紳士でした。あたりまえか。


一ファンとしてただサインをもらうだけにするつもりでいたのに、対面の感激に、つい名刺を差し出して、自分が編集者であること、子どもの頃に出会った横溝文庫にビジュアルを含めて影響を受けていること、ぜひまた本の装画のお仕事をしてほしいこと、などを話してしまったのです。すると先生は、若造の青臭い話にご丁寧にお付き合いくださり、ぼくのいる社でも昔表紙絵の仕事をしたことがあること、また機会があれば本の仕事もしたいと思っていること、などを話してくださったのです! そして、いただいたサインを見ると、我が名の脇には「ありがとう」の文字が……(しばし男泣、ただし心の中で)……先生、いくらなんでも謙虚に過ぎます。嗚呼、今思い出しても感激なのであります!


サイン会の後も、お礼のメールを差し上げたところ、丁寧きわまりないご返事をくださったのです。もういつのまにかですます調です。とまあ、そんなやりとりがあって、今回の葉書を頂戴した次第なんですが、先生の手書きコメントがあって、「金田一……ではお世話になりました」なんてお書きになっている先生は、どこまでも謙虚でいらっしゃるのでした。ああ、先生、違います、お世話になったのはこちらですよう!


角川横溝の表紙画作品は、本ならばたとえば、角川書店編『横溝正史に捧げぐ新世紀からの手紙』(角川書店)やダ・ヴィンチ特別編集『金田一耕助 日本一たよりない名探偵とその怪美な世界』(メディアファクトリー)などで一部が見られるほか、「表紙絵メインギャラリー」「横溝正史ブックカバーライブラリー」といったファンサイトもあります。この2サイトは大変な充実ぶりで、ファンにはたまりません。



最近の角川横溝は杉本先生の表紙画が使われていませんから、若いファンや読書家にはこの世界にふれたことがない人もいるでしょう。なつかし派もまだ知らぬ派も、ぜひ一度、この妖しすぎる杉本ワールドにふれていただきたいものです。


こんなふうに、小さくなりながらも杉本絵が使われている例もあれば、

こんなふうに横溝ワールドからかけ離れたものになってしまっている例も。


ところで、先のサイン会には喜国雅彦さんも並んでいました。『本棚探偵の冒険』(双葉社)の愛読者としてはこちらにも挨拶をしたいところでしたが、ここではお互いに一ファンという立場を考えて控えました。この本は探偵小説と古本への愛が満ちまくった好著で、本に関するエッセイとしてはベスト5に入れたいぐらい大好きな本。喜国さんの漫画は1冊も読んだことないのですが、この本は5回ぐらい読み返してます。



角川横溝にまつわる話もたくさん出てくるので、杉本表紙画の世界のチェック前後に合わせて読むといいですよ。ああ、余談ですが、探偵者・古本者はぜひ単行本の初版を手に入れてください。理由?は実物で確認を。


◆今日のBGM◆

  • 『金田一耕助の冒険 特別版』


今日はもちろんこれ! LPはけっこうなレア盤で欲しくてずっと探していたんだけどついに目にする機会もなく、結局CDで。


スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://sorainutsushin.blog60.fc2.com/tb.php/159-f70bce0e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)