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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

椋鳩十か鳩椋十か……それが問題だ

単なる親ばかかもしれないけど、娘はどちらかというと言葉がしっかりしているほうで、ときどき、はっとするような大人っぽい言葉やむずかしい言葉を口にしたりして、親を驚かせてくれます。でも、そこはやはり4歳児、ふだんのおしゃべりはやっぱりコドモのそれで、とてもかわいいです。


ふつうのおしゃべりももちろんかわいいんですが、なかでもたまらないのは、言い間違い、それも音が入れ替わってしまうたぐいの言い間違い。最近までは、目玉焼きは「めだやまき」でした。これはよくある言い間違いの1つみたいですね。もうその言い方がかわいくてかわいくて、直すのがもったいないので、ぼくも一緒になって「めだやまき」と言ってました。しかし、さすがこの時期の成長速度はすごいです。すぐに、ふつうに言えるようになってしまいました。残念、というと変だけど、でもやっぱり、ちょっと残念。



なんで、こんな親ばか話を書いているかというと、今日、例によって新刊書店の店頭で本を眺めていたときのこと、ある作家名が目に飛び込んできて、この入れ替わり言い間違いに自分も苦労したっけなあ、今も苦労してるなあなどと思い出したからです。その時目にしたのは「椋鳩十文学賞受賞」。作家名だけが浮き彫りになって目に飛び込んできたので、どの本の帯だったか、作家も作品も覚えていないのが情けないですが(今調べたところ、おそらく、今年の受賞作、香坂直『走れ、セナ!』を見かけたのでしょう)、それというのも、この椋鳩十には苦労させられたからなんです。



編集者のくせして、ふっと気を抜くと、「はと・むくじゅー」か「むく・はとじゅー」か、わからなくなってしまう。今もこうして引用しながら書いても、ひっくりかえってないか不安なぐらい。はと? むく? ふん?


同じく、苦手な人名に、キンタ・クンテ/クンタ・キンテがあります。これなんてどっちが正しいか、いまだによくわかってなかったりする。これは、ぼくが小学生の頃にブームになった、アレックス・ヘイリー原作のTVドラマ『ルーツ』の主人公の名前です(たしか)。



椋鳩十のほうは、なんとなく、「椋鳩」の連想と、「むく」さんは字違いで実際にある名字だが「はと」さんはいなかろうという常識(かどうかわからんが)とから、なんとなく、「むく・はとじゅー」のほうが正しそうなことが想像できます。しかし、アフリカの方々の名前はよくわかりません。キンタもクンタもありそうと言えばありそうだし。だいたい、ちょうど3字で切れるのかどうかもよくわからない。キン・タクンテなんて韓国の方にいらっしゃってもおかしくなさそうだし。クンさんもいそうだしさ。それに、「ン」で始まる名前もアフリカにはあるみたいだから、キンタク・ンテさんだって組み合わせとしてはOKかもしれない。

……誰か止めてくれないと妄想が止まりません。


こういう、音が入れ替わっちゃう現象を、専門的には、音韻転換とか音位転倒とかいうそうです。音韻交替、音位転換、音転移などという語を挙げているサイトや文書もあるようだ。頭の音と途中の音の場合は、頭韻転換などと言ったりもするらしい。英語では、スプーナリズム(spoonerism)と言います。これは、スプーナ(Spooner)さんがこの手の間違いをしょっちゅうやらかしていたところから来ているそうです。なんか、スプーナさんて、とても愛すべき人物に思えてきますね。子どもにはもちろん、大人でも外国語学習など、言語習得の初期段階にはふつうに見られるそうです。


(ところで、スプーナリズムと言えば、この音の入れ替えを使ったギャグが、スネークマンショーの古いネタにあります。伊武雅刀=ジャンキー大山の「こなさんみんばんわ」。これが笑死必至の大変な傑作なんですが、なにしろ大変下品なので、(婦女子の方々には特に)おすすめはしにくいです(でも、好きです)。まったくの余談ですが。)



ところで、ぼくが苦手な椋鳩十/鳩椋十問題、およびキンタ・クンテ/クンタ・キンテ問題ですが、前者はウィキペディアの項目に、

《しばしば鳩椋十と間違って書かれる。》

などという記述がありました。後者は、スプーナリズムを集めたサイトに、「ジャイケル・マクソン」などと並んで紹介されていました(「キンタ・クンテ」が挙がっているから、正しいのは「クンタ・キンテ」だと確認できました。ああ、これで今日は安眠だ)。

……なんだ、みんなも間違えてるんじゃん。


ところで、入れ替わり語ではないけど、最近、娘が苦労しているのが「アルゴリズムたいそう」。NHK教育の「ピタゴラスイッチ」(またまた余談ですが、これ、おもしろくて、娘よりもむしろパパのお気に入りです)に出てくるおもしろい体操だ。これが言えない。というか、大人でもかみそうだもんね、これ。何度も言わせては、「あるごも? あんごる? ありごりる? わー」とか困ってる様子を見て楽しんでます。悪いパパです。


◆今日のBGM◆


  • スネークマンショー『スネークマンショー』


今日は当然(?)これ。ぼくはLPに加え、ファーストとセカンドの2in1CDでも持ってたりします。

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コメント

どっちが、と、どこで

ボクシングをボシクング、とうもろこしをとうもころし、などなど子どものころの音韻転換ってかわいいですよね! 椋鳩十のように、どっちがどっちっていうのもありますが、どこで切れるかわかんない、っていうのもあって、昔は困りました。河東碧梧桐(かわひがしへき・ごとう? かわひがし・へきごとう)みたいなやつ。荻原井泉水とか。
ところで、5000アクセス達成おめでとうございます。

  • 2006/09/20(水) 01:13:56 |
  • URL |
  • micalion #-
  • [ 編集 ]

「めだやまき」(笑)。ホントかわいい。メロメロになってるお父さんが見えるようです。自分もカタカナ名は本当に覚えにくいです。最初に間違って覚えると、もう修復不可能。作家じゃありませんが米国のグリーンスパンさんの後任の人、未だにバーナンキかバーナキンかわかりません。昔、片岡鶴太郎も「あんたのこと知ってるよ。鶴岡片太郎だろ。」って言われた話をネタにしてましたね。↑micalionさんの仰る「どこで」でわからなかったのは、今日出海。あと何故か田宮虎彦と寺田寅彦がごっちゃになります。・・・こういう話を始めると自分も止まらなくなるので、このへんで。

  • 2006/09/20(水) 15:07:31 |
  • URL |
  • えむ #lMBqkpAs
  • [ 編集 ]

オイオイ

有名どこではエベレータもありますね。
ローカルネタでは「たいやら」。近所のスーパー「たいらや」のいいまつがいです。
ちょっと毛色が違いますが子供のころ娘が
"○I○I"の看板を見て「オイオイって何?」と言っていたのを思い出しました。
あっ、そうそう。
小生が中学生の頃授業中「ジャン・バルジャン」を「ジャン・ブラジャン」と
言ってしまい赤っ恥をかいたことも思い出しました。
(ちょっと話題がずれている?)

  • 2006/09/20(水) 20:52:18 |
  • URL |
  • じっちゃん #4o1CV0zs
  • [ 編集 ]

そうかあ!

なーんだ、みなさんもネタ持ちだったんですね(笑)。なんだか安心です。
鳩・椋問題は編集者生命に関わる問題な気もして(←妄想です)、ここで懺悔するのに勇気が要ったんですよ。

ところで、じっちゃんさんのOIOI問題ですが、これ、ぼくの友人(子どもではなくいい大人)にもいましたよ。マルイはおかしい、俺の読みが正しい、と理不尽に怒ってました。

あと、ジャン問題では、
バン・ジャルジャン派、
ジャンバル・ジャン派
もいるそうですが、こういうことをあまりおもしろがってると、ここぞというときに
「バン・ジャルジャン!」
とか言いそうでこわいです……。

  • 2006/09/20(水) 22:57:30 |
  • URL |
  • 空犬 #-
  • [ 編集 ]

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