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空犬通信

本・本屋好きが、買った本、読んだ本、気になる本・本屋さんを紹介するサイトです。

引き続き、書店の個性について考えてみたりする

先の日記に書いた、新刊書店の個性問題の件、続きです。


以前の日記にも書いたけど、ぼくは、書店は楽しい空間であってほしいし、京極夏彦の言うような「ワンダーランド」であってほしいと心から思っている。だから、雑貨の充実とか、観覧車の設置で、そういう雰囲気が実現されるのであればそれはそれでかまわない。


でも、みんながそんな「個性」獲得に走っちゃったら新刊書店の棚はいったいどうなっちゃうの? と心配に思ったりもする。やっぱり本屋さんには「本」で勝負してほしいのだ。


先の日記で取り上げた『出版業界最底辺日記』の著者、塩山は同書で、個性的な棚作りで知られる往来堂書店を批判的に取り上げて、書店にはイデオロギーなど要らん!という主旨のことを書いている。棚を編集したりなど余計な個性を出すな、探したいものはこっちで探す!ということが言いたいらしい。それはそれでひとつの意見だろう。



でも、日記を読むかぎり、相当な読書家であるらしい塩山のような読者は、たしかに、本の山の中から的確に自分の求めるものを探し出すことができるのかもしれない。でも、世の多くの読者がそうだとはかぎらない。


よけいな個性に走らず、とにかく徹底的に本を並べる、在庫を確保する、これも1つの個性だろうし、かぎられたスペースや立地を活かすために、商品を思いっきりセレクトしたり、よそと違う並べ方をする、これも個性だろう。読者は自分が買い物をする場所を選べるのだから、いろいろな店から、自分の買いやすいところを選べばいいのだ。


あの店はまずい、こっちはいいと、飲食店や、書き手の個性、独自性についてはいろいろとうるさい塩山が、自分も関わっている商品であるところの「本」を扱う小売りの最前線、「書店」には個性など要らぬと断じるのは、なんだかおかしな話に思える。が、別にここで塩山本の批判をするつもりはまったくなくて、ぼくはただ個人的には、書店にやっぱり“ある種の”個性を求めたい、という話がしたいだけだ。それも、おもちゃや雑貨で店を飾るんじゃなくて、本の並べ方で、選び方で、見せ方で、個性を出してほしい、そんなふうに思うだけだ。


フリペの話ついでに、最近目についた本がらみのフリペをほかにも紹介しておこう。


しばらく前に創刊になった『本のとびら』。発行は読売新聞。副題に「新しい活字文化を考える」とある。


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手元の、2006年8~9月号の第2号は、特集が「大人の心をとらえる子どもの本。」。作りも中身もオーソドックスで、特に目をひくようなものはないが、ちょっと目新しいことがあるとすれば、『Publishers Weekly』の編集長、サラ・ネルソンの連載、「サラ・ネルソンのアメリカ出版事情」なる連載があることだろうか。


出版社のフリペ/フリマガとしては、今までなかったのが不思議なぐらいだが、光文社から『本が好き!』がしばらく前に創刊になっている。ものすごくストレートな書名にはなんだか好感を覚えたりもする。現在は、2006年9月号、第3号が書店で配布されている。


小学館の『きらら』などもそうだが、最近のPR誌は、書店発の情報ページがあるところが、ひと昔前からある『本』(講談社)や『波』(新潮社)と大きく違うところ、と言えるかも。情報発信のあり方、という意味では、こういうページを出版社が自社のPR誌に用意しようと思い始めたことは、個人的にはとてもいいことだと思う。


今年の新規参入組にはもう1誌、毎日新聞社の『本の時間』もある。今年参入の2誌については、「出版社のPR誌 渉猟の薦め」といった記事もあるので、興味のある向きはぜひ。


◆今日のBGM◆

  • ジェイムズ・ブラウン『イン・ザ・ジャングル・グルーヴ』


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