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空犬通信

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ファンは必読必携!……ザッパ&ビーフハートのディスクガイドが出ました

今回は書店の話はちょっとお休みで、音楽本のネタを。これ、ザッパファンは必読必携の1冊です。


  • 和久井光司『フランク・ザッパ/キャプテン・ビーフハート・ディスク・ガイド レコード・コレクターズ増刊』(ミュージック・マガジン)

ザッパ&ビーフハート

著者の和久井さんがザッパ本を手がけていることはずいぶん前から話題になっていましたから、待っていたファンにしてみれば、やっと出た、という感じですね。基本は1ページまたは半ページで1アルバムを紹介する作りで、重要作は見開きで取り上げられています(何が重要作扱いになっているかは、ぜひ実物で確認を。だいたい世評の通りですが、へえ、これが、というのもファンによってはあるかもしれません)。ザッパ御大と牛心隊長の全作はもちろん、関連人脈の作品も広く取り上げられていて、ボリュームたっぷりです。ザッパは、ジャケがおもしろい作品が多いのですが、この本、オールカラーなので、ジャケ写が全点カラーで見られるのはうれしいですね。


ぼくはどちらかというと、というかかなりザッパ寄りなファンで、牛心隊長ことキャプテン・ビーフハートは、ひと通り、なんとなく聴いているという程度なんですが、隊長も一部の熱狂的なファンに支えられてきたミュージシャンですよね。


そういえば、2/3の朝日新聞の夕刊に、町田康さんが、キャプテン・ビーフハートの追悼文、それも強烈なやつを寄せていましたね。


町田康ビーフハート

なにしろ、《はっきり言って私はキャプテン・ビーフハートの音楽は世界遺産にしてされるべきであると思っている》とありますから(笑)。まあ、世界遺産がいいかどうかはともかくとして、町田康さんの入れ込みぶり、惚れ込みぶりは十分に伝わってきますよね。町田さんの読者の方で、これを読んでついつい隊長のCD、買っちゃった人、いるんじゃないかなあ。ショックを受けていないといいけどなあ(苦笑)。だって、いきなり『トラウト・マスク・レプリカ』とか、予備知識なしで聴いちゃったりしたら、どうなのかなあ、と、よけいなことを心配してしまったりします。




って、本の内容からちょっと話がそれましたが、ザッパファン、隊長ファンにはもちろん強くおすすめですが、名のみ聞くばかりで彼らの音楽は(こわくて?)聴いたことがない、という方にも、何から聴いたらいいかのヒントになりそうな情報がいっぱいで、いいかもしれません。


そういえば、この本を購入した日の会社帰り。新宿のディスクユニオンに寄ったら、偶然『Hot Rats』がかかっていて、しかも曲が「Willie The Pimp」だった、なんてことがあったんだよなあ。ファンには説明不要ですが、念のために書いておくと、ザッパの代表作の1つである同盤にはビーフハートが参加していて、「Willie The Pimp」は隊長が吼えまくる、強烈なダミ声ヴォーカル、そして、そのダミ声にパワー負けしない、ザッパの、流麗とは言えないけえれど、なんだかよくわからない迫力に満ちまくった、強烈な音圧の長いギターソロ……まさにザッパ&ビーフハートな1曲なのです。鞄の中にザッパ&ビーフハートの本を持っているときに、この曲がちょうどかかるなんて、なんたる偶然。しかも、レコード店なので、大音量。それがまたいいんだよね。




◆今日のBGM◆


今日は当然ザッパで。大好きな盤を(上にあげた『ホット・ラッツ』をのぞいて)3枚あげます。



  • フランク・ザッパ『グランド・ワズー』
  • 『Zappa in N.Y. 』
  • 『One Size Fits All』



『グランド・ワズー』、もう大好きで大好きでしかたない1枚で、アナログ、聴きまくったものだから、あちこちで針とびが……(泣)。CDで買い直せばいいんだけど、このCD、曲順を変えてあるというんだよね(このディスクガイドにもそう書いてありました)。それは許せん! アナログでずっと聴いてきた身としては、あの曲順、とくにA面2曲の流れ、A面がタイトルトラックで終わる流れは絶対に譲れないのだ。


それにこの盤、おもしろジャケが多いザッパ作品のなかでも、ベストの1つといっていい出来なんですよね。カル・シェンケルのイラストがすばらしすぎる! 見開きジャケで、内側もいいんですよ(追記:ここ記憶違いで、内ジャケはイラストではなく、メンバーの写真とストーリーでした)。だから、この盤はぼくにとってはアナログでないとダメなのです。(紙ジャケが、見開きジャケも再現しているなら、ちょっと欲しいな……。)


代表作として最初に挙げられることが多いような、そんな超のつく名盤ではないかもしれないけれど、でも、ザッパのコンポーザー・ギタリスト・アレンジャー・バンマスとしての腕がバランスよく発揮された作だと個人的には思うのです(ディスクガイドでも見開き扱いでした)。初めてザッパを聴くという方にも、自信を持っておすすめできる1枚。


『One Size Fits All』、かつては『万物同サイズの法則』なるナイスな邦題でした。「Inca Roads」や「Andy」などの超絶技巧曲をそれと感じさせずに楽しげに聴かせてしまうバンドの技量もすごいし、楽曲も聴きやすくて、それでいてザッパ印もばっちり。キーボード/ヴォーカルのジョージ・デュークや、ドラムのチェスター・トンプソンらが大活躍。黒人音楽好きには、ジョニー・ギター・ワトソンの参加もうれしいところ。こんなアルバムを作れちゃった70年代のザッパはほんとにすごい。鬼気迫る完成度です。


『イン・ニューヨーク』は、LP時代の邦題、『ザッパ雷舞イン・ニューヨーク』がいいですよねえ。ザッパの作品がRYKOのCD化でふつうに入手できるようになったのが、80年代の後半だったかな。それ以前は、中古レコード屋にも数がぜんぜんなくて、しかも高い。プログレ経由で知ったドラマー、テリー・ボジオが大好きだったので、彼が参加しているという、傑作と評判のこのライヴを聴きたくてしかたなかったんですが、なにしろ物を見たことすらなかったんですよ、ぼくが高校生の頃は。それが大学に入って西新宿の中古レコ屋に通うようになったたら、遭遇したんですね、初めて。やっぱり東京はすごいと思いましたよ。でも、帯もないし、状態もよくない日本盤が1万5千円……。今でも覚えてますよ。お店は、今はないWoodstockだったっけ。


それからしばらくして、LPに収録されなかった曲も追加されたCDがふつうの値段で出ますから、買わなくてよかったんですけどね。って、ぜんぜん内容の話してませんが、とにかくこのライヴは楽しくてすごいです。この時代のメンバーには楽器の腕だけでなく、キャラのたった芸達者が多くて、ステージが(ザッパのステージはいつもそうですがとくに)演劇的でほんと楽しいんですよね。英語が苦手でない人は歌詞カード片手に歌詞を追いながら聴くと、いいですよ。「Tities & Beer」とか「Punky's Whips」とか「The Illinois Enema Bandit」とかね。


このノリが気に入った方は、CD&DVDの『ベイビー・スネイクス』もぜひ。テリー・ボジオがかぶりものまでつけて、歌やコーラスをこなしながら、超複雑なドラムを叩きまくっているところや、格好もおもしろいエイドリアン・ブリューなど、映像で見るとこれまたおもしろいのですよ。




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