空犬通信

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書店好き必読です……赤染晶子さんの受賞エッセイ「かまい」

朝日新聞、昨日8/14の朝刊に、『乙女の密告』の赤染晶子さんが、「かまい」という題で、芥川賞受賞エッセーを寄せていましたね。


《京都の小さな商店街に小さな本屋さんがある。》と書き出されるこの文章、書店云々を抜きにしてもすてきで印象に残るすばらしいものなんですが(スイカの話とか、なんかおかしくていい感じ)、ぼくのような書店好き、それも、街の本屋さんでの幸せな体験があるものには、とくにぐっとくるものになっています。


今もあるというそのお店で、自著を注文したあとのくだりなんて、ほんとにいいもんなあ。そして、最後の店主のセリフの引用……ぼく自身、大阪で子ども時代を過ごしているもので、誰というわけでもない、いろいろな大阪の書店のおっちゃん、おばちゃんたちが目に浮かんだり想像されたりして、何度も読み返してしまいました。


赤染さん、一度も読んだことのない方ですが、この前の村田沙耶香さんのとき同様、この一文で、ころりとファンになってしまいましたよ。Webにはあがっていないようですが、本好き書店好きは、探してでも読む価値があると思いますよ。



↑芥川受賞作(左)はまだ買っていませんが、掲載号(右)を購入してあるので、まずはこれで。受賞作は、選評込みで読みたいので、毎回掲載号を買って読んでいるのです。



この前紹介した村田沙耶香さんの文章といい、今回の赤染さんの文章といい、やはり身近に街の本屋さんがあったからこその出会いであり、出来事であり、なんですよね。こういう、本屋さんがらみのすてきな文章を読んでいると、自分にもあったそうした小さな本屋さんとの出会いを、記録として書いて残しておきたいような気もするものの、でも、それはただの素人の思い出雑記に過ぎないわけでは、いくらくだらないことを垂れ流しまくっている個人ブログとはいえ、そのようなことを書くのはどうかと、ふだん、怪獣の話はなんの躊躇もなく(ないわけではないが、一見そのように見える程度にはリミッターの効きが弱い)書くくせに、「書店を応援するブログを自称してるんだから、大いに書店のこと書いたらええやないか」という話になると、うーんとか言ってるんだから、我ながらよくわからん……。しかも、文章が滅茶苦茶だ。



今日は、娘とお出かけ、映画に行ってきました。映画の前後に時間があるときは、必ず書店につれていきます。立川ならオリオン書房、吉祥寺ならリブロ啓文堂書店BOOKSルーエでないのは児童書の充実度の違いのため)、新宿なら紀伊國屋書店ジュンク堂書店といった具合に。放っておいたら1時間でも2時間でも書店にいられる子に育っているのは、本好きで、本の仕事をしている親としてはうれしいかぎりなんですが、ただ、いつもパパと行くお店って、彼女にとってはあくまで、どこかの「大きな本屋さん」であり、特別な店、特定の店ではないんですよね。


長じて、なつかしくこれらの店のことを思い出すだろうかというと、わからない。おそらく、ない。「本」自体には思い入れがあって、先日も、「ねえ、紙の本って、なくなっちゃうの? そんなのやだなあ」なんて親に聞いてきたりしていたほど。でも、それらを入手する店には、まったくといっていいほど、関心がない。というか、こちらの与え方の問題もあってか、関心を持つ機会がなかった、というべきか。


……という話は長くなるし、どうまとめるかもよく見えないので、このあたりでやめますが、とにかく、赤染さんや村田さんの文章に、場所の記憶、ということについて、ちょっといろいろ考えさせられた、という話でした。



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