すぐに紹介記事を書こうと思いながら書けずにいるうちに、微妙に時間がたってしまい、なんとも微妙なタイミングの紹介になってしまいましたが、しばらく前にこんな記事が目につきました。
記事の一部を引きます。《KADOKAWAグループのブックウォーカーが運営する電子書店「BOOK☆WALKER」。先進的な機能を意欲的に実装してくる同書店が5月にβ版としてリリースした「横断検索」機能を覚えているだろうか。購入した複数の書籍から任意の文字列を横断的に検索できる便利な機能だ》。
書籍を楽しみのために読むだけでなく、仕事や趣味で執筆や編集に活用しているタイプの人ならば、この《複数の書籍から任意の文字列を横断的に検索できる》という機能には反応してしまう人が多いのではないでしょうか。《書籍をまたいで検索できる横断検索は、ほとんどの電子書店でまだ導入されてい》ませんが、BOOK☆WALKERでは《購入済み書籍に加え、出版社直営の強みを生かし、KADOKAWAグループの実用・新書を中心とした書籍は未購入でも検索対象とする》とありますから、これは注目せざるを得ません。記事の続きで機能の詳細を見ます。
【“「複数の書籍から任意の文字列を横断的に検索」可能に?”の続きを読む】
スポンサーサイト
しばらく前の記事で、特集「“本屋さん”の未来地図」が掲載された『婦人画報』9月号(ハースト婦人画報社)に寄稿したことをご報告しました。誌面では分量の制約のために書けなかったことや、撮影してきた写真などもありますので、特集で紹介記事を担当した3店、古本バル月よみ堂、ブックトラック、長崎次郎書店について、あらためてこの空犬通信でご紹介したいと思います。
まずは、西荻窪のブックバー、古本バル月よみ堂を。(店内写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。写真は6月末ごろの様子で、お店の様子は変わっている場合があります。写真は記事後半にまとめました。)
「ブックカフェ」は雑誌の特集やムックなどで取り上げられることも多く、今ではめずらしい存在ではなくなりましたが、「ブックバー」を名乗るところとなると、その数は少なくなります。西荻窪にこの春できた「古本バル 月よみ堂」は、まさにブックバースタイルのお店です。
【“西荻窪のブックバー「古本バル 月よみ堂」はほんとにすてきなお店でした”の続きを読む】
『本屋会議』が新聞記事で取り上げられました。
記事の冒頭を引きます。《書店が地域に1軒もない「本屋ゼロ」の市町村が、全国300以上に上っている。出版不況に加え、ネット書店が台頭、昨年4月に消費税が上がり、出版物に軽減税率が適用されていないことも大きい。書店のない街、そして個性的な書店のある街を訪ね、本の世界を考える一冊を探した》。
記事は、茨城県つくばみらい市を例にあげ、書店の減少、出版売上の減少、書店の苦戦などについてまとめています。記事には「書店ゼロの自治体数」の一覧も添えられています。
記事の後半では、《街と本屋の関係を考える際、役立つ本を探した》として、以下の本が紹介されています。
- 本屋図鑑編集部編『本屋会議』(夏葉社)
- 内沼晋太郎『本の逆襲』(朝日出版社)
- 西山雅子編『“ひとり出版社”という働きかた』(河出書房新社)
- 碧野圭『書店ガール』(PHP文芸文庫)
このうち、『本屋会議』については、こんなふうに書いていただきました。《本屋図鑑編集部編『本屋会議』(夏葉社)は、特色ある書店を紹介した『本屋図鑑』の執筆陣による一冊。子供向け絵本や月刊誌を幼稚園児に配達し、売り上げの9割を外商が占める長野の書店などの記述は、「町に本屋さんが必要か」と問う本書のテーマの一つの答えになっている》。
書店では往来堂書店が、《入り口に見慣れた漫画や雑誌が並ぶ。だが、約20坪(約66平方メートル)の店内は、東京を扱った本や金子光晴の小説『どくろ杯』(中公文庫)など、さりげなく良書が並んでいた》と紹介されており、店長・笈入建志さんのコメントも引かれています。
《「雑誌や文庫の新刊など、かつて書店が中心に売っていたものの落ち込みが大きい。雑誌は、情報入手の経路がスマートフォンに取って代わられているようです」》
《「お客さんは全国画一に売られる新刊ではなく、それぞれに面白い本を見つけたいようです。人とのつながりを大切にし、本と出合うきっかけとなる場を作りたい」》。
先日の記事でご案内しました、本屋さんの情報がぎっしりつまったムックが発売になりました。

発売前に見本誌を届けてもらったので、早速読んでみました。自分が関わった本なので、あんまりストレートにほめるのもなんなんですが、これ、おもしろいなあ。もりだくさんだなあ。想像していた以上に本屋愛に満ちた1冊になっていました。自分が執筆で関わったところ以外は、こちらも見本誌を手にするまでどんな内容だか、くわしくは知らなかったので、純粋な読者気分で一気に、かつ楽しく読ませてもらいましたよ。
【“本屋さん情報がぎっしり!……ムック『本屋へ行こう!!』が発売になりました【更新】”の続きを読む】
西荻窪のブックカフェ、beco cafeで、ほぼ毎月開催している出版・書店関連テーマのトークイベントbeco talk。11月の回のご案内です。
beco talk vol.26
ひとりで編んでつくって売る
〜ひとり出版社という働きかた〜
日時:11月27日(金)
OPEN 19:00 START 19:30(〜21:30)
会場:beco cafe(東京・西荻窪)
会費:1000円(ワンドリンク付)
出演:西山雅子(編集者)、空犬太郎(空犬通信・本屋図鑑)
*満席のため予約の受付は終了となりました。
港の人、赤々舎、ミシマ社、土曜社、里山社、夏葉社、苦楽堂……小さな出版社がここ数年注目を集めています。そんな「ひとり出版社」の社主を取材し、「ひとり出版社」の姿をリアルにとらえた著書『“ひとり出版社”という働きかた』の書き手が、小出版社の魅力について、これからの出版社・編集者のあり方について語ります。

『“ひとり出版社”という働きかた』については先日の記事でも取り上げていますので、よろしければそちらもご覧ください。
【“いま「ひとり出版社」がおもしろい……beco talkのご案内です”の続きを読む】
本屋さんというのは本を売っているお店なのだが、当然のことながら、自分が求める本があるとはかぎらない。
【“本屋さんに本がない”の続きを読む】
問題は、本棚、であります。
本棚が、8割ぐらいの稼働率で、買った本を追加する余裕があり、しかも、定期的な入れ替えがきちんとできていて、満杯になることなく、常に余裕のある状態で使えていたら、見た目的にも使い勝手的にも大変いいのになあ。ところが現実はそのような理想から激しく解離した状態にあります。本棚は常時過密状態で、本の動きはありません。というか、本を動かせない。満杯どころかあふれて入らない本たちが本棚の前の床に山積みになっていて、本棚の下のほうの段の使い勝手を著しく下げているだけでなく、大量のほこりの保管庫となって室内の衛生環境を劣化させています。やれやれ。
この駄ブログをのぞきにきてくださるような本好きのみなさんは、おそらく同じような悩みを抱えておられるか、もしくはそういう悩ましい状態になくても、少なくとも共感だけはしてくださるだろうと思うのですが、どうでしょうか。
そんなわけで、この連休、丸一日を割いて、本棚の整理をしました。といっても、通勤時の山の手線のような乗車率180%の車両が、120%ぐらいになったかな、程度の話。本棚に収まりきらない本の山は、見た目的にはほとんど変化がありません。全体として見ると(とくに、当事者以外の目で見ると)事態はまったく改善されていないように見えてしまうという、達成感よりも徒労感のほうが大きい悲劇的な事態に(泣)。ことほどさように、本棚問題は悩ましい、のです。
【“休日に本棚の整理をしてみると”の続きを読む】
乱歩ニュースです。今年2015年は、江戸川乱歩の没後50年にあたる年ということで、乱歩特集掲載の雑誌がいくつも出ていることは先日の記事でご紹介しました。そのほかにも、新編集の単行本作品集や、アニメ化など、乱歩関連の企画が続いていますが、こんな特別サイトが立ち上がりましたよ。
eBook USERの記事の一部を引きます。《ブックリスタ、講談社、光文社、東京創元社、早川書房は9月13日、江戸川乱歩の没後50年特別企画としてWebサイト「江戸川乱歩を楽しむ5つのこと」を開設した》。サイトはこちら。
【“乱歩者は要チェック?!……没後50年特別企画、サイト「江戸川乱歩を楽しむ5つのこと」が開設”の続きを読む】
まもなく、こんな本屋ムックが発売になります。

昨年の10月に出た『本屋はおもしろい!!』の続編です。前号についてはこちらとこちらをどうぞ。
版元の内容紹介を引きます。《一見同じような品揃えに見えても、じつは棚のつくり方や、本の並べ方、コンセプトなど、お店によって本の印象が変わり、新たな“発見”があるのがリアル書店のおもしろいところ。本屋好きが選ぶ“本当にいい本屋”の名物棚から、いまどき成功している本屋の経営戦略、名物書店員の棚づくりの秘密、全国の個性派古書店ガイドまで、あらゆる角度から「本屋の楽しみ方」を熱烈紹介》。
【“『本屋へ行こう!!』……まもなく本屋ムックが発売になります”の続きを読む】
「編集」関係の本を続けて読みました。

『ミステリ編集道』、興味のある方のところを拾い読みしているだけでお腹いっぱいになってしまい、しばらく途中になっていたのを、ようやく読了しました。人選は超豪華だし、話の中身はおもしろいし、本の仕立ても読みやすいしで、すらすら読めそうな感じなんですが、なにしろ語られていることがいちいちすごいことばかり、含まれている情報量が、現在のミステリというよりは昔の探偵小説に興味があるような当方のような身にはとにかく半端でないので、さらさらと読み流すことができなくて、それで時間がかかっていたたのでした。
【“編集者の話はやっぱりおもしろいなあ”の続きを読む】
『ケトル』(太田出版)の2月発売Vol.23号の特集が「辞書と図鑑が大好き!」だったときも、へえ、辞書と図鑑で雑誌の特集が成立するとはすごいなあ、と、レファレンス類、とくに図鑑が大好きな身としてはうれしいけどちょっと不思議な感じを受けたりもしたのですが、その後、続けてユニークな「辞典」と、「事典」関連本を目にすることになったので、ごく簡単に紹介しておきたいと思います。

まずは、『擬音語・擬態語辞典』。これは、以前『暮らしのことば擬音・擬態語辞典』の書名で出ていたものの文庫化。約600ページとけっこうな分量で、2段組+脚注と、全編に情報がぎっしりです。
【“擬音語・擬態語、役割語……ユニークな辞典と辞事典活用のすすめ”の続きを読む】
『本屋図鑑』(夏葉社)が久しぶりに新聞に取り上げられました。

(↑雰囲気だけ、ということで、本文が読めないようサイズを落としてあります。)
掲載されたのは、朝日新聞の別刷「be」の連載「再読 こんな時、こんな本」で、今回のテーマは「本屋さんが好き!」。《リアル書店をめぐる将来は暗い話が多いけれど、でもやっぱり本屋さんが好きだ! そんな気持ちになる読み物を紹介します》ということで、書店員さんが3冊の本をピックアップ。『本屋図鑑』は「記者のお薦め」の1冊として取り上げていただきました。
『本屋図鑑』に関する部分を引きます。《北は稚内から南は石垣島まで、全国47都道府県の書店を訪ねたガイドブックだ。オシャレで個性的な本屋を紹介した本は多いが、こちらはごくごく普通の町の本屋さんに光をあてているところがポイント。1軒1ページと紹介文は簡潔だが、平凡に見えるお店の意外なこだわりなど発見も多い。温かなイラストに象徴される優しい目線も心地よく、知らず知らずのうちに応援したくなる「本屋愛」にあふれている》と書いていただきました。
(「ガイドブック」というのが、「図鑑」にこだわった者としてはやや気にならないでもないのですが、それはともかく)好意的に取り上げていただき、うれしいです。
ちなみに、他の3冊の本屋本は以下の通り。
先日の記事でご案内しました『編集会議』2015年秋号(宣伝会議)。掲載されることになっている書店員座談会の紹介記事をWEBに寄稿させていただきました。
記事のリードを引きます。《『編集会議』2015年秋号(9/16発売)では、書店という場のあり方を考える「書店会議」を特集しています。本を取り巻く環境が厳しさを増すなか、現役の書店員さんたちは何を思うのか。本誌では、“本の最前線”である書店のあり方について、現役の書店員さんによる座談会を実施。当日の進行役を務めた空犬太郎氏が、本誌の読みどころを紹介します》。
「本が売れない時代の本屋は何をすべきか」と、大上段なタイトルになっていますが、これは当方の駄文のタイトルではなく座談会のタイトルです。
あんまり中身のない文章で申し訳ないんですが、座談会自体はとてもおもしろくて、トークイベントや座談会の進行はどちらかというと(というか、けっこう)得意な当方が、予定時間をオーバーさせてしまうほど、興味深い意見が次々に飛び出し、飛び交う熱いものになりましたから、書店に関心のある方はぜひ本紙掲載の座談会をお読みいただければと思います。
いやはや。すごい本をいただいてしまいました。

ハマザキカクさん(@hamazakikaku)が起こした新レーベル「パブリブ」からの第一弾です。ご覧くださいな、刊行第一弾がこの表紙、そして、このテーマ。すごい迫力、すごい情報量。
ぼくも音楽は相当熱心に聴いてるほうだと自分では思っていましたが、こういう本を見せられてしまうと、(当たり前のことではあるんですが)世の中には知らない音楽がまだまだたくさんあるのだなあ、と、そんな何も言ってないに等しい間抜けな感想しか出てきませんね。それほどの衝撃です。なにしろ、ぱらぱらといくらめくってみても、見たことのあるミュージシャンの写真、アルバムジャケなんて、一枚も出てきませんし、聞いたことのある名前もない。聞いたことない、どころか、どう読むのかさえわからない欧文文字列もあちこちに。当方が知っている情報、「ゼロ」なんですよ、文字通り。160ページほどの並製本ですから、薄手の冊子ぐらいのボリュームなんですが、そのなかに、未知の世界がぎゅっと詰まっている感じです。圧倒されます。
ぼくはこのジャンルはまったくの門外漢で、中身については残念ながら何一つコメントができませんので、ぜひパブリブのサイトをご覧ください。また、ツイッターで「デスメタルアフリカ」や「パブリブ」で検索すると、早くも音楽好きの間で話題になっている様子がよくわかりますよ。
ハマザキカクさんは、本業は、ある出版社の編集者で、そちらの籍はそのままに、今回、版元を立ち上げたわけですから、「ひとり出版社」というか、「副業出版社」というか「兼業出版社」というか。とにかく、新しいかたちですね。本業のほうでも、相当にユニークで、ご本人の趣味性を全面的に開示したとおぼしき本をいくつも出していますが、それなのに、さらに版元を立ち上げてまで自分の愛する音楽の本を出そうというのだから、その情熱は半端ではありません。この徹底ぶりはさすがとしか言いようのないもので、とてもじゃないけど、自分にはつくれないタイプの本だなあと、感銘と刺激とを受けまくっているところです。(中身はさっぱりわからないけど(笑)。)
【“あの珍書プロデューサーが新レーベル始動?!……パブリブから『デスメタルアフリカ』刊行”の続きを読む】
西荻窪のブックカフェ、beco cafeでライヴイベントを開催します。
【“beco cafeでアコースティックライヴをやります”の続きを読む】
| ホーム |